「新しき神霊を信じる」に対する反証
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 08:19 UTC 版)
「ソクラテスの弁明」の記事における「「新しき神霊を信じる」に対する反証」の解説
14. メレトスの青年善導に対する無関心は明白。次に「新しき神霊(ダイモニア)を信じる」の部分に話題移行。メレトス、ソクラテスは国家の認める神々ではなく他の新しい神霊(ダイモニア)を青年に教えて腐敗させている。ソクラテス、それは「アテナイ以外の神々を信じる」ということか、それとも「無神論者」ということか。メレトス、ソクラテスは後者の「無神論者」であり、「太陽を石、月を土」と主張する。ソクラテス、それは哲学者アナクサゴラスの主張だと皆知っている。メレトスこそが実は高慢・放恣な無神論者であり、この訴状もそうした青年の出来心ゆえに思える。メレトスの訴状・主張は(「ソクラテスは罪人。神を信じないが故に、しかも神を信じるが故に。」という)矛盾を孕んだ謎かけのよう。 15. メレトス、「神霊の働き(ダイモニア)は信じるが、神霊そのもの(ダイモニス)を信じない者」など「一人もいない」、また、神霊は「神々そのもの」か、「神々の子」と「看做している」。ソクラテス、その言い分では自身(ソクラテス)は「神々を認めないで、神霊(神々)を認める」ということになり、謎かけ・冗談のよう。メレトスがこのような訴状を起草したのは、我々を試しているのか、自身(ソクラテス)を陥れる罪過に苦慮した結果かのどちらか。
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