「宇宙旅行」第1号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 05:53 UTC 版)
「民間人が必要経費の全額を自己負担する」という条件で宇宙旅行に旅立った世界初の例は、スペースアドベンチャーズ社がロシア宇宙局と契約を仲介することで実現した、アメリカの大富豪デニス・チトーによるものである。彼は国際宇宙ステーション (ISS) に人員と物資を補給するソユーズの定期便でバイコヌール宇宙基地から旅立ち、2001年4月28日から5月6日までISSに滞在した。それに続き、2002年には南アフリカ共和国の実業家マーク・シャトルワースが宇宙旅行を実現している。 コロンビア号の事故からも分かるように、2000年代においても宇宙開発には危険が伴ううえ、最低数十億円(宇宙飛行士の訓練費、ロケットの打ち上げ費用など)の負担を要するため、民間人も気軽に宇宙旅行ができるとは言い難く、2度の宇宙旅行を経験したチャールズ・シモニーを例とすれば、「1度目(2007年)は2,500万ドル(約25億円)、2度目(2009年)は3,500万ドル(約35億円)かかった」旨を語っている。 当時ロシアは国家経済の事情で民間企業にソユーズの座席を売ることで打ち上げ資金を確保していた状況にあった。宇宙旅行に消極的なアメリカ航空宇宙局(NASA)も、宇宙開発への資金が制限されていた中でコロンビア号の事故以来、ISSの維持に必要な物資の輸送をソユーズに頼っていたことから、間接的に宇宙旅行ビジネスの恩恵を受けていた。またNASAは以降も座席の販売には消極的であったことから、アメリカでは純粋なビジネス目的の宇宙ベンチャー企業が主導したことで宇宙旅行ビジネスが活発化した。
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