「太上天皇」・「上皇」論(「上皇」が採用)
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「明仁から徳仁への皇位継承」の記事における「「太上天皇」・「上皇」論(「上皇」が採用)」の解説
ヒアリングでは、所功、岩井克己、八木秀次、大石眞、園部逸夫、 古川隆久、東京大学史料編纂所教授の本郷恵子、関東学院大学教授の君塚直隆、皇學館大学現代日本社会学部長の新田均が主張した。「太上天皇」とすべきとする者には、岩井、八木、新田がおり、新田は略称として「上皇」を採用すべきとの意見であった。「古代の養老儀制令や現行の皇室典範のどちらにも適合している」(新田)などの意見があった。「上皇」とすべきとする者には、本郷がいた。本郷は、「『 太上天皇』では天皇のさらに上がいることになり、上下関係が発生してしまうので、『上皇』が適当」とした。また、「太上天皇」または「上皇」とすべきとする者には、君塚、所、大石、園部がいた。「宗教由来の称号は、日本国憲法が定める政教分離の原則から不適切」(大石)、「日本史から考えても適当」(園部)などの意見があった。 2017年1月12日、日本経済新聞はこの称号を使用することを政府が検討し始めたと報道したが、 前述の毎日新聞の報道と矛盾する形になった。同日午後の記者会見で、どちらが正しいのかという報道陣の質問に対し官房長官の菅は、「議論はしてないというふうに承知していますので、どっちもどっち」と発言した。しかし、上記のヒアリングを受けた最終報告では、別の天皇が並立するかのような誤解を与えかねない「天皇」という言葉を使った称号ではないこと、退位後の天皇についてよく定着した称号であることの2点をもって、「上皇」との称号が適当だとした。そして、 天皇の退位等に関する皇室典範特例法第3条では、「退位した天皇は、上皇とする。」と定められた。
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