「外へのジハード」とキタール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 16:37 UTC 版)
「ジハード」の記事における「「外へのジハード」とキタール」の解説
イスラームでは、世界史において繰り広げられてきた普通の戦いを、ジハード(聖戦)とは明確に区別し、それを「キタール(قِتَال qitāl)」と呼称している。キタールとは、侵略戦争や領土拡大、戦利品や奴隷の獲得、資源確保、植民地確保など、人間のもつ単純な欲望にもとづいておこなわれる戦争のことであり、また、憎悪から生まれる行為や復讐の行為もキタールであって、いずれも否定されるべき行為とされている。 キタールは、アラビア語の「カタラ(殺した)」という言葉を語源としており、「世俗的な欲望にもとづいた戦争」を意味するのに対し、ジハードが想定している戦争は、あくまでも、ムスリムから見て正当な防衛戦争であり、イスラーム共同体(ウンマ)の利益になるものでなければならない。ゆえに、開戦に際しては宗教指導者の承認を必要とし、「アッラーの御名において」という呼びかけのもとにおこなわれるのである。 しかしながら、後述するように、時のムスリム政権がキタールをジハードと詐称して侵略戦争を行った例は多い。
※この「「外へのジハード」とキタール」の解説は、「ジハード」の解説の一部です。
「「外へのジハード」とキタール」を含む「ジハード」の記事については、「ジハード」の概要を参照ください。
- 「外へのジハード」とキタールのページへのリンク