「嘘だと言ってよ、ジョー!」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/07 09:04 UTC 版)
「ブラックソックス事件」の記事における「「嘘だと言ってよ、ジョー!」」の解説
当時のニューヨーク・タイムズが伝えるところでは、8人のなかでもっともファンから愛されていたジョー・ジャクソンが大陪審の法廷で八百長を認めて裁判所から出てきたところ、外に集まっていたファンの中にいた一人の少年が「本当じゃないよね、ジョー?」(“It ain’t true is it, Joe?”)と叫んだ。ジャクソンはこの少年に「いや坊や、残念ながらそのとおりだ」("Yes, boy, I'm afraid it is.")と応えたという。このニュースが孫引きされて西海岸に届くころには、会話は脚色されてファンの少年は「嘘だと言ってよ、ジョー!」("Say it ain't so, Joe!")と叫んだことになっていた。 このフレーズ『嘘だと言ってよ!』は大リーグ史上もっとも有名なフレーズの一つとして定着し、現在にいたるまでメジャーリーグにスキャンダルが持ち上がるたびに新聞の見出しで繰り返し使われている。ただしジョー・ジャクソン本人が後年の取材に答えたところによると、彼はそもそもそんなことは言っておらず、この会話はシカゴ・デイリーニューズ(現シカゴ・サンタイムズ)のチャーリー・オーエンス記者がそっくり捏造したのだという。 アメリカ合衆国のミュージシャン、元クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(CCR)ジョン・フォガティの1985年のアルバムタイトル曲『センターフィールド』の2番の歌詞において、有名なベースボール・ポエム「ケイシー打席に立つ」の一節、ウィリー・メイズ、タイ・カッブ、ジョー・ディマジオといった殿堂入り中堅手の名前と共に、このフレーズが「Don't say "it ain't so"」として引用されている。ちなみに、フレーズだけで名前は登場しないジョー・ジャクソンはセンターフィールダー(中堅手)ではなく左翼手だった。
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