「ベッドインナカー」とリクライニングシート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 03:48 UTC 版)
「ナッシュ・モーターズ」の記事における「「ベッドインナカー」とリクライニングシート」の解説
ナッシュは1936年に「ベッドインナカー("Bed-In-A-Car")」機能を装備したモデルを発売した。車内が簡易寝台に変わる装備で、リアシートの背もたれが後方に倒れ、座面が少し持ち上がることで水平のベッド状になった。トランクとの間仕切りも開いて、大人2人が車内で寝ることができた。足はトランクに向け、頭はシート座面におく寝方になった。 ユニークなアイデアだったが、当時の保守的な社会からは「ナッシュは逢い引き用ホテル車を作るのか」と批判や揶揄を受けた(60年後の日本で、ホンダ・S-MXが受けた揶揄と同類のものである)。もっともアメリカのモーター・カルチャーでは、1920年代にドアと固定屋根、窓ガラスの完備したクローズドボディの自動車が普及した時点で、自動車での車中泊や更には「自動車内での男女のいかがわしい行為」すら珍しいものではなくなっていた。ナッシュのアイデアは市場の潜在的ニーズを捉えたに過ぎないとも言える。 「車内休憩」の快適化は更に進んだ。1949年にはアレンジが変更され、フロントシートもフルリクライニングとなりフロントシート、リアシート、トランクまで全体を使った寝室となった。1950年にはリクライニング機構は好みの位置でロックすることができるようになった。ほどなくナッシュはこのシートバック(背もたれ)機構を「エアライナー・リクライニング・シート("Airliner Reclining Seats":航空機リクライニングシート)」と名づけた。
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