「エビ」から「イカ」へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/06 17:34 UTC 版)
「ネクトカリス」の記事における「「エビ」から「イカ」へ」の解説
最初に発見された(当時唯一の)化石から推定された体の構造は、細長い体の先端には、甲皮で覆われた頭部に一対の眼があり、1または2対の触角らしきものが伸びている。体の残りの部分は縦に扁平で体節があり、上下にひれのような構造があった。頭部はエビのような節足動物の特徴をもつが附属肢はなく、体部はむしろピカイアのような脊索動物に似ていることから、スティーヴン・ジェイ・グールドは著書『ワンダフル・ライフ バージェス頁岩と生物進化の物語』の中で「節足動物と脊索動物のキメラ生物」とまとめている。 この謎の生物の解明に動きがあったのは2010年であった。カナダ・トロント大学のマーティン・スミスとジーン・バーナード・キャロンらは、新たに発見された90点の化石標本からネクトカリスを再復元した。彼らの復元像では胴体は幅の広いひれをもつ円錐形で、頭部からは柔らかな1対の触手がのびている。また特徴的なのは頭部と胴部の境あたりから下方にのびる漏斗状の構造で、現生のイカの漏斗と同じように水流ジェットを噴出し移動したと考えられた。スミスらはこれらの特徴から、ネクトカリスを頭足類と位置付けた。
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