「アドベンチャー・プライズ」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/07 14:15 UTC 版)
「ケダー・マーチャント」の記事における「「アドベンチャー・プライズ」」の解説
航海ができるだけの部品、艤装や構造物がアドベンチャー・ギャレーに残されていると考えたキッドは、それらすべてをケダー・マーチャントに移し替え、ニューヨークへ出帆した。彼はケダーを自分の新しい船と定めたのだ。.キッドが船をアドベンチャー・プライズと呼ぶことにしたのはこの頃だった。帰路の最初の寄港地はマダガスカル沿岸を600マイル(970km)下ったポート・ドルフィン。その後、やはりマダガスカル沿岸のトゥリアラで食糧の買い付けと乗組員の補充を行なった。 キッドは船が掠奪にあったことが明らかな見た目であると考え、それゆえに降りかかる問題をおそれて(実際彼の記録は掠奪を裏づけていたのだが)大きな港を避けて進んだ。彼は中央アフリカアンノボンの人知れぬ地を目指した。キッドはこの地からカリブ海へまっすぐに進み、その後ニューヨークへ向かうと決めた。反乱から丸10ヶ月の後にカリブ海へたどり着き、リーワード島最北端のアンギラに錨を下ろした。この港で初めてキッドは自分がお尋ね者の海賊になっていることに気づいた。多くの総督がキッドとそのクルーへの逮捕令を出していた。 浸水した上に掠奪被害でみじめな姿になったケダー・マーチャントを抱えて行き場のなくなったキッドは、新しい船を必要としていた。彼は船とクルーに残された物資をカリブ海のスペイン領モナ島に移動させた。ちょうど通りかかった商人ヘンリー・ボルトン(Henry Bolton)の助けで、キッドは財宝のうちいくらかを、ボルトンのスループ船サンアントニオ号と食糧を購うのに充分な金に換えることができた。 キッドに採れる最良の策は、新たな船でニューヨークへ向かい、彼が誇りを持って仕えているスポンサーのひとり、ベロモント伯を説得して、海賊行為は真実ではないと信じさせることだった。彼はボルトンが島に留まってアドベンチャー・プライズを保護すること、高値がつくならば更に積み荷を売ることを一任した。船は当時サンタ・カタリーナという小さな島の入り江にあった。キッドは3ヶ月以内には戻ること、どんな積み荷が売れたにしろ、分け前は折半することを約束した。
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