《位相-大地》
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1968年10月に須磨離宮公園での第一回野外彫刻展に出品した《位相-大地》が、関根のターニングポイントになった。《位相-大地》は、大地に深さ2.7m、直径2.2mの円柱型の穴をうがち、掘り起こした土を穴と同じかたちに固めて隣に置いた作品である。小清水漸と吉田克朗も制作に携わった。この作品を関根は、位相空間による認識方法による「思考実験」だと考えている。関根はこう述べている。 思考実験は自分たちが考えた仮説が、正しいかどうか思考推論することであり、ある場合には現実の物理的事象を無視することができる ー略ー 地球に穴をあけ、そこから営々と土を掘り出すと、いつか地球は卵の殻の状態になる、さらに掴み出すと地球は反転しネガの状態になってしまう —関根伸夫、もの派—再考 空間が連続変形しても変化しない性質を研究する数学の一種である位相幾何学においては、形、もの、空間の伸縮変形が可能であるとみなすことができる。位相幾何学の位相という概念が当時の関根にとって、いかに重要だったかが《位相-大地》には顕われているといえる。
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