AIR-EDGE AIR-EDGE PHONE(エアーエッジフォン)

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AIR-EDGE

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/31 09:16 UTC 版)

AIR-EDGE PHONE(エアーエッジフォン)

フルブラウザ搭載のエアーエッジフォン・AH-K3001V

エアーエッジサービスの一つとして、また音声端末の一種別として、2003年4月1日からウィルコム(旧DDIポケット)が開始したもの。旧表記:AirH"PHONE。

なお、2005年~2006年冬モデル以降の、WXシリーズ端末は、「AIR-EDGE PHONE」を名乗っておらず、音声端末によるウェブブラウズサービスについても「公式サイト」(WXシリーズや、WS009KE,WS018KE,WS023Tなど)ないしは「ウィルコム公式サイト」(主に、スマートフォン)と名乗っているが、その直接のかつ事実上の後継機種である。よって、本項目では便宜上、AIR-EDGE PHONEに含めて取り扱う。

従来の端末はPCカードCFカードタイプのものか、対応音声端末にPCやPDAなどをケーブルで接続した場合のみ通信回線としてエアーエッジが利用できるというもので、これをエアーエッジ端末単体で音声通話・Eメールウェブブラウザが利用できるようにしたものである。

端末単体で通信(ウェブ・メール等)する場合も、「つなぎ放題コース」の契約でPCとケーブル (USB) で接続し、エアーエッジ対応ISPに接続して通信した場合も、いずれも同じく完全定額制となった。このような利用方法が可能な端末は現在のところエアーエッジフォンとイー・モバイルの電話端末のみである。携帯電話パケット定額制は前述のサービスを除き、端末単体でのみ有効で、PC等と接続した場合は、通常は従量課金対象となった。

AIR-EDGE PHONEによる通信は、(リンク数が)最大4xパケット方式となり、最大通信速度は標準で128kbps、W-OAM[5]は204kbpsとなった。1xパケット方式のみ対応の端末では32kbpsまで。対応端末ではフレックスチェンジ方式による通信も可能。2007年現在、8xパケット方式による通信は利用できなかった。

なおAIR-EDGE PHONEの基本仕様としては次のものがあり、全てのAIR-EDGE PHONE(および後継機種)に共通して搭載されていた。

  • USBケーブルによる外部接続(コネクタ形状はメーカーにより異なる)
  • ブラウザ搭載
  • POP3/SMTP対応のEメール送受信機能
    端末専用メールだけでなく、他プロバイダのメールアカウントに直接アクセス可能。ただしウィルコムのメールと違い自動受信は原則、出来ない。
  • 他のAIR-EDGE対応プロバイダのアクセスポイントへのPPP接続
    端末専用のもの(AIR-EDGE PHONEセンター)以外のアクセスポイントにも直接接続可能。

略歴

サービス開始時に発売されたのは、日本無線の端末「AH-J3001V」「AH-J3002V」の2機種である。この端末では、一部のiモードウェブサイトの閲覧も可能な「cHTML」に対応したブラウザ (Compact NetFront) や、POP3/SMTP対応のEメール送受信機能等を搭載する。端末単体およびPC接続等のいずれのデータ通信についても「完全定額制」の選択が可能なことから、発売開始から一部では高い人気を博した。

2004年5月14日には京セラの端末「AH-K3001V」がラインナップに追加された。この端末ではデジタルカメラや、PC向けのウェブブラウザOpera(オペラ)」を携帯電話・PHS用にチューニングした物が搭載された。5月の発売後は3日間で2万台以上を販売し、その後数ヶ月にわたって品不足が続くなどPHSでは近年まれに見るヒット商品となった。日本無線製端末と同様、内蔵ソフトウェアをユーザーがアップデートすることも可能となっていた。

2005年9月1日AH-K3002Vが発売された。これはAH-K3001Vのカメラ機能を省き、代わりにセキュリティ対策として、リモートロック機能を搭載したものである。

AH-K3002Vまでの機種は、1xパケット方式のみ対応(最大32kbps)。AH-J3003Sでは2005年2月以降のファームウェアの更新により、PC/PDAへの外部接続時の4xパケット方式通信(最大128kbps)に対応した。

2005年~2006年冬モデルとしてWX310KWX300KWX310SAWX310J、2006年~2007年冬モデルではWX220JWX320KWX321Jが発売。これらの機種は「AIR-EDGE PHONE」を名乗っていないが、事実上の後継シリーズであった。

WX300Kは2006年6月以降のファームウェアの更新により、4xパケット方式通信(最大128kbps)に対応している(それまでは1xパケット方式のみ対応)。WX310シリーズでは、当初から4xパケット方式通信(最大128kbps)に標準で対応していた。

WX220J/WX320K/WX321Jでは、4xパケット方式通信の他、W-OAMによる通信に標準で対応し、最大通信速度は標準で128kbps、W-OAM[5]は204kbpsとなった。

その他、2006年以降、WILLCOM SIM STYLEというW-SIM対応の各種端末もリリースされた。機種によって仕様は大きく異なるものの、AIR-EDGE PHONEの基本的な機能仕様については、各端末に概ね踏襲されている。

ウィルコム#通信端末の項目も参照。

AIR-EDGE PHONEセンター

基本的に、AIR-EDGE PHONEの端末単体の通信(ウェブ・メール等)をする場合には、ウィルコムが用意する端末単体専用のアクセスポイントを利用した。このセンターは、AIR-EDGE PHONEの名称使用時期には「AIR-EDGE PHONEセンター」と呼ばれていたが、AIR-EDGE PHONEの名称使用が控えられるとともに、単に「ウィルコム経由のパケット通信時」などと表現され、正式な名称は付かなくなった。なお、AIR-EDGE PHONE等で接続時に「CLUB AIR-EDGE」等と表示されるが、CLUB AIR-EDGEは正式には端末単体アクセス専用のポータルサイトの名称であった。#CLUB AIR-EDGE参照。

本項目では便宜上、この端末単体アクセス専用のアクセスポイントを「AIR-EDGE PHONEセンター」と呼ぶ。

AIR-EDGE PHONEの端末単体の通信(ウェブ・メール等)をする場合に、公式のAIR-EDGE PHONEセンターだけでなく、前述のAIR-EDGEで使用されるような一般のISPと接続して使用することも可能であった(別途、契約および接続料等が必要となった。例えば、Java VM搭載の機種では、公式以外のJavaアプリがAIR-EDGE PHONEセンター経由での通信を利用する事ができず、一般のAIR-EDGE接続用ISPとの接続・通信が必要となる。さらには、AIR-EDGEの範疇からは外れるが、PIAFS方式による回線交換接続すら可能であった。ISPのAPや、PIAFS対応の任意のAPに接続し、ウェブ・メール等のIP通信が可能。

さらに、AIR-EDGE PHONEを外部のPC/PDA等に接続して通信する場合には、前述のAIR-EDGEと同様の使用方法で、AIR-EDGE接続ISP等が必要となった。

これらの端末単体・外部接続の別や、アクセスポイントの別により、通信料等の課金体系が異なる場合があり、複雑である。もっとも、AIR-EDGE PHONEの端末単体の通信(ウェブ・メール等)のみを利用するユーザは、何ら設定をしなくとも、ウィルコムが用意する「AIR-EDGE PHONEセンター」に接続するものであるから、その限りではなかった。

高速化サービス

端末上でAIR-EDGE PHONEセンターに接続して使う場合、「高速化サービス」を利用することで専用サーバを介し、画像データ等を圧縮し通信容量を低減した形で通信が可能になるため、Webやメールでの体感速度が速くなった(月額利用料315円・税込)。なお、AIR-EDGE PHONEの名称を使用していた時期にはこのサービスの呼称も「AIR-EDGE PHONE高速化サービス」としていたが、その後、AIR-EDGE PHONE名称使用が控えられるとともに、この呼称も単に「高速化サービス」となった。

W-ZERO3向け高速化サービス
W-ZERO3 / W-ZERO3[es] 向けに専用クライアントソフトをインストールする事により、体感速度がより向上するとしている。2007年4月23日開始[12]

愛称

  • 「AIR-EDGE PHONE(エアエッジフォン)」が極端に訛った「味ぽん」の愛称がつけられるようになった。出自は2ちゃんねるだと考えられている。
  • 本来「味ぽん」とはAIR-EDGE PHONE全てを指すものだが、1年以上他の機種が発売されなかったこともあり、日本無線製のエアーエッジフォンAH-J3001V/J3002Vのみを指して「味ぽん」と呼ぶケースもある。
  • AH-K3001V」は京セラ製の味ぽん、ということから「京ぽん」の愛称で呼ばれている。京セラは2005年4月4日付けで、「京ぽん」を商標登録出願した[13][14]。これは悪意を持った第三者による濫用を牽制するのが目的であり、言葉自体を独占するつもりは、全くないとコメントしている。
  • 同様に「WX310SA」は三洋製の味ぽん、ということから「洋ぽん」の愛称で呼ばれている。

  1. ^ 旧提供会社はそれぞれ、DDIポケット⇒ウィルコムワイモバイル及びウィルコム沖縄
  2. ^ https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1055943.html
  3. ^ 株式会社インプレス (2021年2月1日). “[特集:ケータイ Watch20周年 【今日は何の日?】ウィルコムが誕生した日]”. ケータイ Watch. 2021年2月1日閲覧。
  4. ^ ワイモバイルのPHS、23年3月末で完全終了”. 2019年5月1日閲覧。
  5. ^ a b c 「W-OAM時」とは、W-OAM対応端末によりW-OAM対応基地局と通信した場合を示す。
  6. ^ 「W-OAM typeG時」とは、W-OAM typeG対応端末によりW-OAM対応基地局と通信した場合を示す。
  7. ^ a b c d e f g h 高い方の速度は基地局回線のIP化後のもの。
  8. ^ つなぎ放題コースでの音声通話料金
  9. ^ 新ウィルコム定額プラン
  10. ^ [1]
  11. ^ [2] [3]
  12. ^ http://www.willcom-inc.com/ja/corporate/press/2007/04/11/index_01.html
  13. ^ 京セラ、「京ぽん」を商標出願していた”. ITmedia Mobile. 2020年4月30日閲覧。
  14. ^ 京セラ、「京ぽん」を商標登録出願”. k-tai.watch.impress.co.jp. 2020年4月30日閲覧。





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