AIR-EDGE 通信方式

AIR-EDGE

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/31 09:16 UTC 版)

通信方式

エアーエッジは、従来PHSで利用されていたデータ通信方式のPIAFS等と異なり、パケット通信を行っている。このパケット通信のみを利用する通信方式(パケット方式)と、従来型のPIAFS通信(PHS回線交換方式)を併用(自動切替)する通信方式(フレックスチェンジ方式)がある。

なお、通信端末によって、下記の各通信方式に対応・非対応が異なる。

パケット方式

パケット通信のみ利用する通信方式(「パケット方式」と呼ぶ)では、通信速度(理論値)が下り最大で32kbps・64kbps・128kbps・256kbps(※W-OAM通信の場合は後述)の4種類があり、それぞれ「1xパケット方式」・「2xパケット方式」・「4xパケット方式」・「8xパケット方式」と呼ぶ。なお「x」と言うのは、束ねるチャネルのリンク数の最大値の事である。いずれの方式によるパケット通信も、回線状態により、リンク数を含めて通信速度が変化する「ベストエフォート方式」である。

料金コース「つなぎ放題」では最大2xまで、「新つなぎ放題」では最大8xまでのパケット方式が、それぞれ利用できた。いずれも定額制となる。なお、通信端末についても、最大1x、4x、または8x方式までに対応の別があるため、端末が対応する最大の(「xパケット方式」)までしか通信できない。以下同じ。

一方、料金コース「ネット25」では、準定額制(前述参照)のもとで、1x・4xパケット方式および後述の「フレックスチェンジ方式」を利用できた。「パケコミネット」では、1x・4xパケット方式が利用できたが、「フレックスチェンジ方式」は利用できなかった。ネット25は法人契約の場合、全社員の利用分を合計して後の課金となるため、ごく一部のユーザが1月に25時間以上つないでも、全体としては準定額制のうちに収まることが多かった。ウィルコムは、エアーエッジが簡単には切断されない一方で、強制切断や切断認識のサイクルが複雑化していることから、端末側での体感と課金システム上の接続時間は精密には一致しないことを注意喚起していた。

W-OAM

なお、高度化PHSである「W-OAM」の方式により通信する場合、「1xパケット方式」・「2xパケット方式」・「4xパケット方式」・「8xパケット方式」による速度は、上下とも最大で51kbps・102kbps・204kbps・408kbpsとなる。また、「W-OAM typeG」方式では最大で64kbps・128kbps・256kbps・512kbps、基地局回線のIP化後は最大で100kbps・200kbps・400kbps・800kbpsとなる。

W-OAM / typeG 対応の通信端末および基地局が必要。詳細はW-OAMの項目を参照。

フレックスチェンジ方式

パケット通信とPIAFS通信を自動切替する通信方式は「フレックスチェンジ方式」と呼ばれた。これは「ネット25」でのみ利用できた。この方式では、通信負荷に応じて、4xパケット通信と、最大64kbpsのPIAFS通信を自動的に切り替えるというものである。なお、PIAFS通信もベストエフォート(PIAFS2.1および2.2規格)なので、回線状態によっては32kbps (PIAFS) で通信している場合もあった。フレックスチェンジ方式対応の通信端末が必要。

各通信方式の切替え

各通信方式の間の切替は、PPPダイヤルアップ先の手動切替による。プロバイダのアクセスポイント電話番号の最後に、下記の記述子をつけて電話機より発呼する。##で始まる番号を含めてアクセスポイント番号だと思っているユーザが多いが、実は##以降は電話番号の一部ではなく、電話機に対して通信方式を指定するATコマンドである。通信方式については、次のような規則により切替えられる。なお、実際の電話番号やダイヤルアップ記述子については、ウィルコムや接続先プロバイダウェブサイト等を参照のこと。

  • 1xパケット方式(通常は##61)
  • フレックスチェンジ方式(通常は##7)
  • 2x、4xまたは8xパケット方式(通常は##64)

なお、多くの機種はPIAFS通信にも対応しており、##4でコールするが、エアーエッジサービスの定額料金制の範疇外となってしまうため、パケット・オンリーの設定を依頼すると、PIAFSではつながらなくなり、誤用を防止できた。エアーエッジがIPにしか対応していないのと異なり、PIAFSであればX.25を含む、その他のデータ通信形式も利用できた。


  1. ^ 旧提供会社はそれぞれ、DDIポケット⇒ウィルコムワイモバイル及びウィルコム沖縄
  2. ^ https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1055943.html
  3. ^ 株式会社インプレス (2021年2月1日). “[特集:ケータイ Watch20周年 【今日は何の日?】ウィルコムが誕生した日]”. ケータイ Watch. 2021年2月1日閲覧。
  4. ^ ワイモバイルのPHS、23年3月末で完全終了”. 2019年5月1日閲覧。
  5. ^ a b c 「W-OAM時」とは、W-OAM対応端末によりW-OAM対応基地局と通信した場合を示す。
  6. ^ 「W-OAM typeG時」とは、W-OAM typeG対応端末によりW-OAM対応基地局と通信した場合を示す。
  7. ^ a b c d e f g h 高い方の速度は基地局回線のIP化後のもの。
  8. ^ つなぎ放題コースでの音声通話料金
  9. ^ 新ウィルコム定額プラン
  10. ^ [1]
  11. ^ [2] [3]
  12. ^ http://www.willcom-inc.com/ja/corporate/press/2007/04/11/index_01.html
  13. ^ 京セラ、「京ぽん」を商標出願していた”. ITmedia Mobile. 2020年4月30日閲覧。
  14. ^ 京セラ、「京ぽん」を商標登録出願”. k-tai.watch.impress.co.jp. 2020年4月30日閲覧。





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