鳥羽マルシェ 施設

鳥羽マルシェ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/27 00:12 UTC 版)

施設

建物は鉄骨造平屋建てで[9]床面積は732 m2[9]、山本設計の設計[5]、大進の施工によって建設された[6]。総事業費は2億5780万円で、総務省の地域経済循環創造事業交付金5000万円を受けている[7]

店内は、農水産物を販売する「直売部門」、ビュッフェ形式で郷土料理を提供する「飲食部門」、生産現場の様子や取り組みを紹介する「情報発信スペース」、厨房や加工設備などを備えた「バックヤード」で構成される[8]。先行開業している日本の他の直売所に比べると面積は狭いが、直売部門・飲食部門・情報発信スペースの間で相乗効果が期待されている[8]

店内図[9]
佐田浜第一駐車場 ジャム等加工室
釜ゆで加工室
厨房
事務所
食材保管庫 レストラン
トイレ
レジ
情報発信
スペース
直売
(農産物)
魚さばき室  
直売(水産物)
直売(加工品)
サービス
カウンター
テイク
アウト
レストラン

※図の上が北、△は入り口、は屋外

直売部門は、青果などの農産物、活魚貝類などの水産物に加えて、加工食品と惣菜を販売する[8]。周辺の土産物店と競合しないよう、菓子類の販売は行わない[24]。JAとJFの協同により、互いの強みを生かした売り場構成ができる[16]。客に食べ方を提案するだけでなく、魚の下処理も承る[7][28]。運営母体のJAとJFはどちらも志摩市でも事業を行っている[4]こともあり、志摩市で生産された農水産物も取り扱う[10]魚類は1尾ずつ並べて販売し[31]、売れ行きが良くないと干物練り物に加工して売り切る努力をしている[31][28]。2017年の来店者数は13万4千人である[16]

飲食部門は約50席を備えたビュッフェ式のレストランで、ソフトクリームなどのテイクアウト商品も販売する[8]管理栄養士を配置し、客の栄養サポートや地域ならではの食べ方提案を行う[16]。新鮮な素材を用いた料理を求めて地域住民を中心にリピーター客も多い[18]。2017年のレストラン来店者数は2万7千人である[16]

情報発信スペースは、市内各地での農水産物の生産の様子や工夫などを動画パンフレットで来店者に発信する[8]。このスペースの一角に「企画販売スペース」を設け、目玉商品の陳列や、鳥羽市と友好交流関係にある兵庫県三田市などの産品をイベント的に販売することがある[9]

バックヤードには加工設備を設け、出来立ての商品を店頭に供給して[9]付加価値を高める[16]

屋外に設置された木製の椅子は三重県産ヒノキで作られている[32]


  1. ^ a b 鳥羽市農水産物直売所の設置及び管理に関する条例”. 平成26年10月3日鳥羽市条例第16号. 2019年11月24日閲覧。
  2. ^ a b c d 岩橋 2014, p. 22.
  3. ^ a b c まちづくりニュース 第49号”. 鳥羽市役所建設課まちづくり整備室 (2014年3月16日). 2019年11月25日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i 岩橋 2014, p. 23.
  5. ^ a b 入札結果調書/佐田浜農水産物直売所建設工事設計業務委託”. 様式第2号(第4条関係). 鳥羽市農水商工課 (2013年7月24日). 2019年11月24日閲覧。
  6. ^ a b c 条件付き一般競争入札入札結果調書/佐田浜農水産物直売所建設工事”. 様式第3号(第4条関係). 鳥羽市農水商工課 (2013年12月18日). 2019年11月24日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 吉田 2016, p. 100.
  8. ^ a b c d e f g h 岩橋 2014, p. 24.
  9. ^ a b c d e f 総務課公報情報係 編 2014, p. 2.
  10. ^ a b 鳥羽市観光課 編 2015, p. 25.
  11. ^ a b 吉田 2016, pp. 98-99.
  12. ^ 岩橋 2014, p. 26.
  13. ^ とば”. 中部みなとオアシス. 国土交通省中部地方整備局港湾空港部海洋環境・技術課. 2019年11月24日閲覧。
  14. ^ a b 岩橋 2014, pp. 22-23.
  15. ^ 鳥羽市農水産物直売所の設置及び管理に関する条例施行規則”. 平成26年10月3日鳥羽市規則規則第16号. 2019年11月24日閲覧。
  16. ^ a b c d e f g h i j k l 平成30年度地産地消等優良活動表彰【食品産業部門】三重県鳥羽市 鳥羽マルシェ有限責任事業組合”. 東海農政局. 2019年11月24日閲覧。
  17. ^ a b c d 鳥羽市文教産業常任委員会会議録”. 鳥羽市議会 (2017年3月13日). 2019年11月28日閲覧。
  18. ^ a b c d e f g h 吉田 2016, p. 99.
  19. ^ a b c 西山和宏「地元の魚 周知に貢献 鳥羽マルシェに東海農政局長賞 漁業関係は初 市長に喜び報告」中日新聞2019年3月14日付朝刊、伊勢志摩版18ページ
  20. ^ 井出一仁 (2017年11月9日). “自治体別・視察件数が多い事業一覧(東日本編)”. 新・公民連携最前線 PPPまちづくり. 日経BP. 2019年11月25日閲覧。
  21. ^ a b c d e f 田口 2015, p. 11.
  22. ^ 総務課公報情報係 編 2014, p. 3.
  23. ^ 鳥羽マルシェ”. 鳥羽市観光情報サイト. 鳥羽市観光課. 2019年11月25日閲覧。
  24. ^ a b 瀬戸山 2015, p. 31.
  25. ^ a b c d 岩橋 2014, p. 25.
  26. ^ a b 林一茂「鳥羽マルシェ 開業半年 多くの人訪れるも売り上げ伸びず」毎日新聞2015年5月25日付朝刊、三重版22ページ
  27. ^ a b 農水産物直売所(鳥羽マルシェ)”. 鳥羽市農水商工課 (2019年5月20日). 2019年11月25日閲覧。
  28. ^ a b c 瀬戸山 2015, p. 30.
  29. ^ 岩橋 2014, pp. 23-24.
  30. ^ 瀬戸山 2015, pp. 30-31.
  31. ^ a b 秋田穣「乗組員確保へ新鋭船 収益も働く環境も向上」読売新聞2019年6月27日付朝刊、中部版経済面10ページ
  32. ^ 上野忍町武家屋敷”. 三重県農林水産部森林・林業経営課. 2019年11月24日閲覧。
  33. ^ a b 西山和宏「鳥羽の玄関口 活気戻れ 鳥羽一番街 空間貸し パールビル 売却間近」中日新聞2017年2月28日付朝刊、伊勢志摩版20ページ
  34. ^ a b 林一茂"鳥羽港佐田浜再開発 「賑わうみなとづくり」 中間案、議会に市提示"毎日新聞2011年9月1日付朝刊、三重版20ページ
  35. ^ 岩橋 2014, p. 22, 26.
  36. ^ a b 吉田 2016, p. 98.
  37. ^ a b c 田口 2015, p. 10.
  38. ^ 岩橋 2014, pp. 24-25.
  39. ^ 吉田 2016, pp. 99-100.
  40. ^ a b 鳥羽市議会 2019, p. 8.
  41. ^ a b 林一茂「鳥羽マルシェ 7月オープンを断念 10月に延期 度々の設計変更で」毎日新聞2014年5月2日付朝刊、三重版19ページ
  42. ^ a b 「窓」日本経済新聞2014年10月15日付朝刊、名古屋版社会面21ページ
  43. ^ 田中功一「地域再生計画 航空宇宙産業と食 県内から政府認定3件」毎日新聞2015年1月23日付朝刊、三重版19ページ
  44. ^ a b 林一茂「地産地消優良活動表彰 食品産業部門の東海農政局長賞、「鳥羽マルシェ」受賞 農協と漁協運営、活動評価」毎日新聞2019年3月9日付朝刊、三重版20ページ
  45. ^ 中村和男「外国メディア 食で歓迎 食材を質問 料理に舌鼓」読売新聞2016年5月19日付朝刊、北勢版31ページ
  46. ^ 安永陽祐「旬の農産物 より安く 志摩に直売所オープン 鳥羽マルシェ元副店長」中日新聞2016年12月20日付朝刊、伊勢志摩版16ページ
  47. ^ 「鳥羽マルシェ優良表彰 農水省 6次産業化推進を評価」読売新聞2016年12月24日付朝刊、北勢版23ページ
  48. ^ 西山和宏"「鳥羽マルシェ」に大賞 地域イノベーション学会 農水産物販売"中日新聞2018年12月22日付朝刊、伊勢志摩版20ページ
  49. ^ "地域イノベーション大賞 「鳥羽マルシェ」運営組合に輝く 1次産業の再興活動評価"毎日新聞2019年1月7日付朝刊、三重版21ページ





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