音楽館
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/20 16:34 UTC 版)
概要
フュージョンバンド・カシオペアのキーボーディストであった向谷実が、プロ用レコーディングスタジオ向けの録音機材賃貸を行う会社として1985年に設立[2]。1993年に映像と音楽を融合させたCD-ROMソフト「Touch the Music by Casiopea」を制作したのを契機にコンピュータソフトの分野に進出し、1995年8月より、向谷の幼い頃からの夢であった電車の運転を題材にしたPC用ソフト『Train Simulator』を発売、これが事業の主軸となっていく。シリーズはPC版と家庭用ゲーム機版を通算して31作品を数える。
2005年10月1日から、鉄道ファン向けサイト「レールファン」(2019年8月末全サービス終了[3])の運営を東京急行電鉄から引き継いだ。
『Train Simulator』はコンシューマゲームの分野にとどまらず、2006年からは業務用シミュレータの製作を開始。東京急行電鉄および東急テクノシステムから、実際の乗務員養成に用いられるシミュレータ開発を受注、制作した。そのシミュレータには人身事故を想定して、人が線路に飛び込む表現ができるなど非常時のシミュレーションも可能になっている。
同年、プラットフォームをPlayStation 3に移し、『Railfan』を発売。同社運営サイト「レールファン」から名前を取り、それまでの「TrainSimulator」からタイトルを変更したものであるが2作品で終了。
2007年7月には、台湾を含むアジア地域限定にて『Railfan 台湾高鉄』を発売。日本語版は11月に発売された。
その後は家庭用ゲーム機の開発が止まり、鉄道会社、博物館向けの業務用シミュレータ制作にシフトするようになる。
同年鉄道博物館向けにD51形式蒸気機関車シミュレータを制作。世界初ともなる本格的な蒸気機関車のシミュレータ開発には約3年もの日数を要した。動揺装置による揺れも再現し、機関士の運転の他、機関助士による投炭、給水も体験できるようになっている。
その後も展示用シミュレータとして電車とバスの博物館、鉄道博物館、キッザニア甲子園、東武博物館、九州鉄道記念館、くずはモールSANZEN-HIROBA、みさき公園わくわく電車らんど、東日本旅客鉄道E5系新幹線シミュレータを納入し、乗務員訓練用として、マレーシア鉄道公社、九州旅客鉄道向けにもシミュレータを開発している。
2012年にカシオペアを脱退したことに伴い、向谷自身関連のマネジメント業務も請け負う。
2013年1月21日に、本社を東京都世田谷区上馬から品川区東五反田に移転した[4]。
2016年には、可動部分をパイプとし、収納時に互い違いにすることで戸袋部分をコンパクトにした軽量型ホームドアのアイディアを考案。日本信号との共同開発により実用化された。
2017年11月、軽量型ホームドアが、九州旅客鉄道(JR九州)筑肥線 九大学研都市駅に試験導入された[5][6]。
2022年9月、JR東日本向け業務用シミュレーターをコンシューマ向けに改修した「JR EAST Train Simulator」の発売を発表。当面「Steam」のみの配信を予定し、対象ハードウェアはPCのみとなる予定。早期アクセス版では、京浜東北線および八高線を体験できる[7]。
- ^ a b “本社移転のお知らせ”. 株式会社音楽館 (2023年3月20日). 2013年3月21日閲覧。
- ^ “沿革”. 株式会社音楽館. 2018年6月19日閲覧。
- ^ 鉄道関連総合情報サイト「レールファン」 ※アーカイブ(Wayback Machine)
- ^ “音楽館ニュース 最新ニュース”. 音楽館 (2013年1月16日). 2013年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年2月9日閲覧。
- ^ 『~軽量型ホームドア~筑肥線九大学研都市駅で実証試験を行います』(PDF)(プレスリリース)九州旅客鉄道、2016年12月20日 。2017年1月12日閲覧。
- ^ “向谷実氏考案の「ホームドア」JR九州で実現へ”. 東洋経済オンライン (2016年5月26日). 2017年1月12日閲覧。
- ^ “JR東日本(本物)がSteamでゲームを配信!こだわりの公式鉄道運転シム『JR EAST Train Simulator』9月20日早期アクセス開始へ”. Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト. 2022年9月3日閲覧。
- ^ http://mukaiyaclub.com/
- ^ http://www.keihan.co.jp/info/upload/2013-04-12_cd2013.pdf
- ^ http://www.ongakukan.co.jp/mukaiya/mukaiya_news.html#news1043
- ^ http://www.ongakukan.info/pdf/atsdk.pdf
- ^ http://www.tokyu.co.jp/contents_index/guide/pdf/120419.pdf
- ^ http://kuzuha-mall.com/shopguide/detail.php?id=261
- ^ a b http://www.ongakukan.co.jp/business/case.html
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