表象
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/24 14:19 UTC 版)
表象(ひょうしょう、英: Representation、仏: Représentation)は、一般には、知覚したイメージを記憶に保ち、再び心のうちに表れた作用をいう(イメージそのものを含めて呼ぶこともある)が、元来は「なにか(に代わって)他のことを指す」という意味である[1]。類義語に、記号、イメージ、シンボル(象徴)[2]がある。
- ^ カントは、受動的に与えられる内的対象と観念ないし概念を短絡させるデカルトを批判し、表象それ自体は説明不能な概念であるとした上で、表象一般はその下位カテゴリーに意識を伴う表象があり、その下位には二種の知覚、主観的知覚=感覚と、客観的知覚=認識があるとした。人間の認識能力には感性と悟性の二種の認識形式がアプリオリにそなわっているが、これが主観的知覚と客観的知覚にそれぞれ対応する。感覚は直感によりいわば受動的に与えられるものであるが、認識は悟性の作用によって自発的に思考する。意識は感性と悟性の綜合により初めて「ある対象」を表象するが、これが現象を構成するのである。このような考え方を彼は自ら認識論のコペルニクス的転回と呼んだ。
- ^ フランシスコ・ヴァレラ『知恵の樹』ちくま書房。またMitchell, W. 1995, "Representation", in F Lentricchia & T McLaughlin (eds), Critical Terms for Literary Study, University of Chicago Press.
- ^ 下記「翻訳語としての表象」節参照
- ^ a b 『コンサイス20世紀思想辞典』三省堂
- ^ 大辞林、三省堂、1989
- ^ a b 中山元『思考の用語辞典』ちくま書房、2000年、328頁。
- ^ 中山元『思考の用語辞典』ちくま書房、2000年、329頁。
- ^ 中山元『思考の用語辞典』ちくま書房、2000年、329-330頁。
- ^ 中山元『思考の用語辞典』ちくま書房、2000年、330頁。
- ^ 中山元『思考の用語辞典』ちくま書房、2000年、330-331頁。
- ^ 中山元『思考の用語辞典』ちくま書房、2000年、331頁。
- ^ ギブソン『生態学的視覚論』(古崎敬ほか訳、サイエンス社)、プリースト『心と身体の哲学』(河野哲也ほか訳、勁草書房)。
- ^ 富田恭彦『アメリカ言語哲学入門 』ちくま学芸文庫2007
- ^ 表象文化論とは 東京大学大学院 総合文化研究科 表象文化論研究室
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