母親 社会学上の議論

母親

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/09 03:52 UTC 版)

社会学上の議論

児童中心主義を唱えたスウェーデンの教育学者エレン・ケイに影響を受けた戦前世代のフェミニストの代表格である平塚らいてう山田わからは母性を重視し、国家による保護を主張。これに対し与謝野晶子は反発、母性保護論争が起こる。

1979年に採択され日本も1985年に批准した女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約は、「母性の保護」は差別とみなされず[11]、かつ妊娠又は母性休暇を理由とする解雇を制裁を科して禁止することを明記している[12]

母性には、字義どおりの意味のほかに、社会の中での女性の位置づけ(ジェンダー)や役割(ジェンダーロール)と密接に関連して、多岐にわたる文化的側面が付随する。例えば、三歳児神話などが根強く信じられており、働く女性に影響を与えている。子連れ出勤の是非が争われたアグネス論争がある。

なお、アメリカヨーロッパにおける母性観と、日本その他の国における母性観の文化的・歴史的な差異もあるので、一概に「母性」をひとくくりにして議論するのは極端な結果を招く恐れがあり、医学的・客観的な事実に基づいた議論を進めるために、医学と連携した研究の必要性が高まっているとしている[13]

母親のモチーフの作品

出典


  1. ^ デジタル大辞泉
  2. ^ 姚孝遂 1989, p. 314.
  3. ^ 陳剣 2020, p. 210.
  4. ^ 日本生理学会
  5. ^ 岡山大学医学部
  6. ^ 妊娠・育児大百科
  7. ^ 欠野アズ紗著『21世紀は母性の時代』(学習研究社
  8. ^ 例えば、三砂ちづるは『オニババ化する女たち』で「女性が仕事だなんだと独身のまま、出産もせずに子宮を"空き家"にしたままでいると、将来はホルモンのバランスが崩れてオニババになりますよ」と記述している。
  9. ^ 私たちの行動を決めるもの』第11章 学会出版センター
  10. ^ 香山リカ「いまどきの『常識』」
  11. ^ 女子差別撤廃条約、第4条第2項
  12. ^ 女子差別撤廃条約、第11条第2項(a)
  13. ^ 『ジェンダーを科学する』松本伊瑳子・金井篤子編)






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