推理小説 「推理小説」というジャンル名

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推理小説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/15 23:15 UTC 版)

推理小説(すいりしょうせつ)は、小説ジャンルのひとつ。主として殺人盗難誘拐詐欺等なんらかの事件犯罪の発生と、その合理的な解決へ向けての経過を描くもの[1]。小説以外にも漫画やアニメ、映画やドラマ、ゲームなどさまざまなメディアに展開されるミステリーというジャンルの元になった。


注釈

  1. ^ 厳密には、作中に登場する「ムーンストーン」は月長石ではなく、黄色い透明のダイヤモンドである。
  2. ^ シーリー・リジェスター著『The Dead Letter』(1866年)が先という異説あり。
  3. ^ 『トフ氏と黒衣の女』論創社 論創海外ミステリ1(2004年)裏表紙解説。クリーシーは12のペンネームを使い、短編集と非ミステリの普通小説も合わせると、出版された作品は600冊を超す。
  4. ^ 太陽がいっぱい』(1960年)および『リプリー』(1999年)
  5. ^ 詐欺師のクレイ大佐のシリーズとも言えるが、表題は騙される大富豪チャールズ・ヴァンドリフトを指し、物語も被害者側からの視点で語られている。
  6. ^ 表題は調味料セールスマン(行商人)のスミザーズが語る物語を意味する。彼が出会った殺人や、引退した警部から聞いた事件を語るもの。日本では第一短編『二壜の調味料』が多くのアンソロジーに収録。
  7. ^ 英米版で原題が異なるため、「大空の死」の邦題もあり。
  8. ^ 1934年の最初の歴史ミステリ Devil Kinsmere を後年書き直した長編
  9. ^ ドイツ・北欧ミステリが流行するのは21世紀(早川書房で翻訳が増え、ミステリマガジンで特集)
  10. ^ それまでは、「ダートムア小説」とも呼ばれる一連の「田園小説」で有名。推理もの第一長編『灰色の部屋』の前に、ミステリ要素のある『吝嗇家の隠し金』(1920年)があるが未訳
  11. ^ 『大統領殺人事件』を書いたジョルジュ・ミシェルの100歳が最高齢と言われる(『赤毛のレドメイン家』解説:長谷部史親折原一
  12. ^ 「オベリスト」とは「疑問を抱く人」を意味する作者の造語(エラリー・クイーン『クイーンの定員』1951年)
  13. ^ Dean Street Press社では電子書籍でも購買可能。
  14. ^ 20世紀末の日本で綾辻行人を嚆矢とした、海外のクイーンやカーを再現したような「本格」派を、海外作家と区別して「日本の新本格派」とも呼ばれることがある
  15. ^ バーバラ・ヴァイン名義のサイコスリラー長編はCWA賞ゴールド・ダガー賞を複数回受賞している。
  16. ^ 直訳は「赤い収穫」だが、「血の収穫」の邦題もあり。
  17. ^ グレゴリー・ペックとロバート・ミッチャム、マーティン・バルサムはリメイクの『ケイプ・フィアー』で、前作とは正反対の役でカメオ出演している
  18. ^ 近年の翻訳が村上春樹の訳であることも一つの要因(『さよなら、愛しい人』解説)でもある
  19. ^ 『ロアルド・ダール劇場 予期せぬ出来事』(1979年)ではダール自身が作品の案内役として画面に登場する。
  20. ^ ルパンやフランボウ、四十面相クリークは老婆や大女など自在に化けられるが、トゥーイの主人公は美女にしか変装できない。
  21. ^ 小鷹信光、法月綸太郎らが高く評価している(『物しか書けなかった物書き』解説)
  22. ^ 「3F」のFは「female」を指す。
  23. ^ 他の人物は時間経過で年を重ねている(例えば『赤髯王の呪い』では、青年だった事件関係者は老齢になったり、死去したりしている)。
  24. ^ 日本語訳では文庫本も同様の趣向(中央公論社
  25. ^ フレミングの『死ぬのは奴らだ』(Live And Let Die )のもじり。
  26. ^ フレミング原作から引き続きDr.Noと、007映画から殺し屋「ジョーズ」などがシリーズを通じて悪役で登場。『ジェームズ・ボンドJr』としてアニメ化。Marvel Comicsで漫画化。
  27. ^ 朝鮮語(北朝鮮)では「リ・ヘジョ」読み。
  28. ^ 複数の作家による合同企画で1951年(昭和26年)3月から京都新聞に連載された『黒門町の傳七捕物帳』が基になっており、その「新作」として陣出が『伝七捕物帳』を執筆しているため、完全なオリジナル作品ではない。
  29. ^ 木々高太郎が考案した「頭脳パン」も今日でも製造、販売されている。
  30. ^ クリスチアナ・ブランドニコラス・ブレイク、エドマンド・クリスピンらポスト黄金時代のトリッキーな作家群を江戸川乱歩は「新本格派」と命名している。
  31. ^ 第26巻以降は、ボワロー=ナルスジャック原作のルパンもの。
  32. ^ モーリス・ルブランの短編『地獄のわな』と『麦わらのストロー』のプロットやトリックが物語の導入部にある。
  33. ^ 作者は前書きや物語の冒頭で、「意外な犯人」を書くことを宣言している。
  34. ^ 作者は東京出身だが、内田の父が長野県長野市出身。
  35. ^ 舞台は愛知県にある妃真加島(ひまかじま)。主人公の犀川創平はN大学(テレビアニメでは国立那古野大学)で教えている設定。
  36. ^ テレビドラマ『牟田刑事官事件ファイル』では、主役の牟田警視は神奈川県警察本部に所属し、横浜市内の警察署に勤務する設定に変更されている。
  37. ^ 「民間顧問探偵」の訳もある。
  38. ^ 「探偵役の友人」が語り手というのは、これより古いポーの推理小説(『デュパンシリーズ』や『黄金虫』、探偵役の「知人」まで範囲を広げると『お前が犯人だ』も該当。)からある手法。なお、これらの語り手は最後まで人称代名詞でしか呼ばれず名前は不明。
  39. ^ 調味料セールスマン(行商人)のスミザーズが語るシリーズだが、日本では最初の「二壜の調味料」(The Two Bottles of Relish )のみ知られている。次の「スラッガー刑事の射殺」は前作の事件を捜査し、語り手とともに現場を訪れた警察官が被害者になっている。
  40. ^ probability、蓋然性

出典

  1. ^ 推理小説(すいりしょうせつ)とは - コトバンク
  2. ^ a b 山村正夫『推理文壇戦後史』p.87(双葉社1973年
  3. ^ 『グレアムズ・マガジン(英語版)』1841.4
  4. ^ 北條文緒ニューゲイト・ノヴェルとその背景」『東京女子大学紀要論集』第27巻第2号、東京女子大学、1977年3月、83-115頁、CRID 1050001337660421632ISSN 04934350 
  5. ^ 研究書として北條文緒による『ニューゲイト・ノヴェル : ある犯罪小説群』がある(1981年 研究社選書14 ISBN 978-4327342142)。
  6. ^ 日本語訳は、藤本隆康 訳『ニューゲイト・カレンダー大全 全5巻』がある。藤本隆康 訳『ニューゲイト・カレンダー大全 全 5巻』 大阪教育図書株式会社、第1巻:2003年 7月 ISBN 978-4271114635、第2巻:2004年12月 ISBN 978-4271114666、第3巻:2005年12月 ISBN 978-4271114680、第4巻:2006年11月 ISBN 978-4271114741、第5巻:2006年12月 ISBN 978-4271114789
  7. ^ 早川書房『名探偵登場1』巻末解説(ハヤカワポケットミステリ250、1956年)
  8. ^ 『昭和ミステリ秘宝 横溝正史翻訳コレクション 鍾乳洞殺人事件 / 二輪馬車の秘密』解説
  9. ^ 『ハーフペニー・マーベル(Halfpenny Marvel)』誌6号(1893年12月10日)
  10. ^ 『カリブ諸島の手がかり』(国書刊行会 世界探偵小説全集15)巻末解説
  11. ^ 『アガサ・クリスティー自伝 上』(ハヤカワ文庫 クリスティー文庫)など
  12. ^ Twentieth Century Crime & Mystery Writers 』by John M. Reilly (St James Guide 1980)
  13. ^ アルフレッド・ヒッチコック監督『裏窓』(1954年)
  14. ^ ハヤカワ・ミステリ(A Hayakawa Pocket Mystery Book)949『アラベスク』(1961年)
  15. ^ 光文社文庫『クイーンの定員 I』(1992年)などに収録。
  16. ^ Pronzini, Bill and Adrian, Jack (editors)(1995). Hard-Boiled, An Anthology of American Crime Stories, Oxford University Press, Inc., 1995, p.169.
  17. ^ ロシアに日本の推理小説を紹介 島田荘司さんが講演 - 徳島新聞
  18. ^ 島田一男「世界の四隅」(『探偵作家クラブ会報』第27号(1949年8月)
  19. ^ 早川書房「非英語圏ミステリ」(『ミステリマガジン』2011年9月号)
  20. ^ 江戸川乱歩「探偵作家クラブ会報第33号(1950年2月)」
  21. ^ 論創社『魔人』(祖田 律男・訳、論創海外ミステリ127、2014年)
  22. ^ 探偵小説専門誌『幻影城』での中井英夫による記事など
  23. ^ 第3回江戸川乱歩賞での選考委員であった乱歩の選評
  24. ^ NHK銀河テレビ小説(1980年)
  25. ^ 『コズミック 水』 講談社文庫、2000年5月15日、p.546 解説より
  26. ^ このライトノベルがすごい!2006』27頁。
  27. ^ a b c 令和探偵小説の進化と深化 「特殊設定ミステリ座談会」|令和探偵小説の進化と進化 「特殊設定ミステリー座談会」! 後編|tree”. tree. 2023年7月23日閲覧。
  28. ^ 【ビブリオエッセー】今どきのミステリーって? 「屍人荘の殺人」今村昌弘(創元推理文庫) - 産経新聞
  29. ^ 【書評】書評家・関口苑生が読む『屍人荘の殺人』今村昌弘著 声も出ないほど衝撃の展開(1/2ページ) - 産経新聞
  30. ^ リーガルミステリーで新風を巻き起こす弁護士作家・五十嵐律人さんの現在地とこれから《インタビュー》”. ダ・ヴィンチWeb. 2022年6月9日閲覧。
  31. ^ Wheat, Carolyn (2003) How to Write Killer Fiction: The Funhouse Of Mystery & The Roller Coaster Of Suspense. Santa Barbara, PA: Perseverence Press, ISBN 1880284626
  32. ^ 新保博久「日本のケーサツ小説はガラパゴス進化を遂げた」『本の雑誌』2013年4月号 p.14-17
  33. ^ a b c 「ポスト東野圭吾」! 医療ミステリーの旗手・知念実希人作品おすすめ11選&インタビューまとめ”. ダ・ヴィンチWeb. 2023年7月22日閲覧。
  34. ^ 折れた竜骨 米澤穂信 | 東京創元社”. www.tsogen.co.jp. 2023年7月21日閲覧。
  35. ^ 西尾維新デビュー20周年記念ロング・ロングインタビュー 20タイトルをキーに語る、西尾ワールドの変遷(第1回)”. ダ・ヴィンチWeb. 2023年7月21日閲覧。
  36. ^ 金﨑, 茂樹「サイキック・ディテクティブの登場 ―英米小説のあるジャンルについて―」『大阪産業大学論集 人文・社会科学編 = JOURNAL OF OSAKA SANGYO UNIVERSITY Humanities&Social Sciences』第29巻、2017年3月、1–13頁。 
  37. ^ 京大ミステリ研からの挑戦状。ジグソーパズル付き推理小説『鏡の国の住人たち』 - エキサイトニュース
  38. ^ 【文響社 公式】いますぐ名探偵 犯人をさがせ! / 桂林ブックス チョ・スンヨン”. 文響社. 2023年7月22日閲覧。
  39. ^ a b Company, The Asahi Shimbun (2022年3月4日). “【「本屋大賞2022」候補作紹介】『硝子の塔の殺人』――密室での連続殺人に読者への挑戦状......メタとオマージュが入り組んだ本格ミステリ長編〈BOOKSTAND〉”. AERA dot. (アエラドット). 2023年7月21日閲覧。
  40. ^ 愛用の時刻表はどれ?「西村京太郎」創作の秘密 - 東洋経済オンライン
  41. ^ 愛用の時刻表はどれ?「西村京太郎」創作の秘密 4 - 東洋経済オンライン
  42. ^ アガサ・クリスティー攻略作戦 第七十七回(執筆者・霜月蒼)
  43. ^ 本の雑誌2007年1月 湯豆腐転覆号 - 今月の本の雑誌
  44. ^ a b c <書評>紙鑑定士の事件ファイル - 北海道新聞
  45. ^ a b 「友達以上探偵未満」 麻耶さん新刊は女子高生が謎解き - 朝日新聞
  46. ^ 中川凌 (2018年6月9日). “推理マンガのおすすめ10選! 謎解きの快感が病みつきになる、誰もが知る名作から注目のミステリーまで一挙まとめ”. ダ・ヴィンチニュース. 2018年12月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月24日閲覧。
  47. ^ 【2020年本屋大賞ノミネート】「すべてが、伏線。」読者は挑発され、気持ちよく騙される!? 連続死体遺棄事件に挑む霊媒探偵と推理作家のどんでん返しミステリー - ダ・ヴィンチニュース
  48. ^ 西村京太郎が告白「最近の列車は殺しにくいね」 - 東洋経済オンライン
  49. ^ 大辞泉「密室殺人」
  50. ^ p.27 有栖川有栖の密室大図鑑 2019年
  51. ^ 江戸川乱歩類別トリック集成」(『続・幻影城』)
  52. ^ シリーズ 本格ミステリ入門 海外編 | 習志野高校図書館ホームページ連載企画
  53. ^ 学生ファンの主張 第1限:エンタメ小説 東京大学 新月お茶の会 | SUGOI JAPAN Award2016
  54. ^ 【今週はこれを読め! ミステリー編】袋とじつき謎解き小説 トム・ミード『死と奇術師』に満足! - 杉江松恋|WEB本の雑誌”. WEB本の雑誌. 2023年7月23日閲覧。
  55. ^ トム・ミード(著)、中山宥(翻訳)、千街晶之(解説)『死と奇術師』早川書房 p243
  56. ^ p.30 有栖川有栖の密室大図鑑 2019年
  57. ^ 西尾維新デビュー20周年記念ロング・ロングインタビュー 20タイトルをキーに語る、西尾ワールドの変遷(第2回)”. ダ・ヴィンチWeb. 2023年7月21日閲覧。
  58. ^ 約90%が袋とじ! でも開けたくない人、続出の“伝説の奇書”復刊”. デイリー新潮 (2014年2月21日). 2023年7月23日閲覧。
  59. ^ 歯と爪 - ビル・S・バリンジャー/大久保康雄 訳|東京創元社http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488163044 






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