御橋通り 御橋通りの概要

御橋通り

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/11 23:10 UTC 版)

宇都宮市道
御橋通り
みはし通り
宇都宮市道6号[1]
海上区間 なし
開通年 1890年明治23年)[2]
起点 オリオン通り[3][4]
終点 中央3丁目交差点[3][4]
接続する
主な道路
記法
オリオン通り、バンバ通り、日野町通り、かまがわプロムナード、いちょう通り[3]
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路
御橋通りと神社・城の位置関係

道路概況

宇都宮市の制定した道路愛称による「御橋通り」は、オリオン通りを起点とし、中央3丁目交差点を終点とする通りである[3][4]。この区間は全線が宇都宮市道6号に含まれ[1]宇都宮市内循環バス きぶなの運行経路上にある[8]

現代となっては屈曲した狭い通りであるが、宇都宮二荒山神社と宇都宮城を結ぶ、中世以来の重要な都市軸を成している[6]。宇都宮城の清明台櫓から眼下に御橋通りが北へ向かって伸びているのを確認できるものの、マンション商業施設が建ち並んでいるため、神社まで見通すことはできない[9]。中世の宇都宮城は、御橋の南西に大手門を置いており、御橋通りは宇都宮城に直結していた[10]。現代の宇都宮城址公園は御橋通りとは直結しておらず、御橋通りの終点(いちょう通り)から更に本丸通りを南下する必要がある[10]

通りは町丁界を兼ねており、御橋以北の通りの東側は二荒町、西側は曲師町、御橋以南の東側は中央五丁目、西側は中央本町に属する[11]。通り沿いは商店街を成し、明治時代創業の旅館から新規出店のカフェまで多様な店舗構成になっている[12]

交差する道路

御橋通り終点
  • オリオン通り、バンバ通り、日野町通り - 起点[3]
  • かまがわプロムナード - 御橋南詰[3](中央五丁目[11]
  • いづも通り[13] - 交差点名なし(中央五丁目[11]
  • いちょう通り - 終点[3]

商店街

御橋通りの沿道は商店街を成し、みはし通り商店会を組織する[12]。商店街名としては「みはし通り」とひらがな表記を採用する[14]2010年平成22年)現在、みはし通り商店会加盟店舗数は37店である[14]。老舗店と新規出店が混在し、独特の雰囲気を持つ[12]

明治・大正時代の御橋通りは、宇都宮城址に置かれた宇都宮市役所税務署へ向かう人で賑い、「準官庁街」の様相を呈していた[12][14]1907年明治40年)の業種構成は、鮮魚店、菓子商、下駄商、飲食店理髪店人力車などであった[15]第二次世界大戦中は憲兵隊の詰所、大戦後は栃木県済生会宇都宮病院が集客の要となり、1日に3,000人の人通りがあった[12][14]1996年(平成8年)に済生会宇都宮病院が移転する[16]と、人通りは激減し、商店会活動も低調になっていった[14]

その後、宇都宮城址公園の整備に合わせ[9]、街路整備が行われ、2005年(平成17年)に完了すると、通りの様相は一変し、若者向けの飲食店(カフェ、居酒屋など[12])の進出が相次ぎ、宇都宮市内循環バス きぶなが乗り入れるなど、活性化の兆しが見られるようになった[14]。これを受け、商店会でも二荒山神社と宇都宮城を描いた旗の掲出[9]、古地図・古写真を織り交ぜた商店街マップの作成などを通して、商店街に人を呼び込む活動を開始した[14]2010年代の業種構成は、旅館、飲食店、美容院、八百屋などである[12][14]


注釈

  1. ^ a b 正確な時期は不明ながら、1600年代中盤以降に描かれた絵図には、御橋が描かれていないことが確認されている[18]
  2. ^ 牧水の弟子に喜連川町(現・さくら市)出身者がいた縁で、牧水は何度か栃木県に来訪していた[29]。当時の宇都宮市は文芸活動の盛んな地で、若者の手により多くの同人誌が発刊されていた[29]

出典

  1. ^ a b 宇都宮市認定市道/図面20”. 宇都宮市総合政策部情報政策課 (2019年1月11日). 2020年6月6日閲覧。 “この作品はクリエイティブ・コモンズ 表示 2.1 国際 ライセンスの下に提供されています。”
  2. ^ a b 釜川改修20周年記念事業実行委員会 編 2012, p. 43.
  3. ^ a b c d e f g うつのみや道路愛称マップ”. 宇都宮市建設部道路管理課管理グループ (2016年4月). 2020年6月6日閲覧。
  4. ^ a b c うつのみや愛称道路・坂一覧”. 宇都宮市建設部道路管理課管理グループ (2016年4月). 2020年6月6日閲覧。
  5. ^ a b c d 西村 2018, pp. 76–77.
  6. ^ a b c d e f 西村 2018, p. 77.
  7. ^ a b c d e f g h i j 水島 2011, p. 72.
  8. ^ 宇都宮市内循環バス きぶな 運行ルート”. 宇都宮市. 2020年6月6日閲覧。
  9. ^ a b c d 大津智義「中心街 集客なるか 宇都宮城址公園 25日開園 年間58万人期待」朝日新聞2007年3月23日付朝刊、栃木中央版29ページ
  10. ^ a b c d e f 塙 2008, p. 14.
  11. ^ a b c 昭文社 2019, p. 1.
  12. ^ a b c d e f g h i j k 小林皓二 (2012年7月). “うつのみや路物語〜宮ストリートストーリー〜 みはし通り”. 広報うつのみや平成24年7月号. 2020年6月6日閲覧。
  13. ^ 水島 2011, p. 176, 178, 184.
  14. ^ a b c d e f g h i j k l m n 宇都宮商店街めぐり第16回 みはし通り商店会 「“ご案内マップ”をツールに、より積極的なPRを行っていきます”. 天地人2010年12月号. 宇都宮商工会議所 (2010年12月). 2020年6月7日閲覧。
  15. ^ a b 水島 2011, pp. 176–181.
  16. ^ a b c 済生会宇都宮病院 - 沿革”. 済生会宇都宮病院. 2020年6月7日閲覧。
  17. ^ a b c d e f 水島 2011, p. 174.
  18. ^ a b c d 「栃木って!? 釜川物語編 ⑧ 橋に歴史のダイナミズム 要衝結んだ小さな御橋」読売新聞2002年10月16日付朝刊、栃木版33ページ。『釜川とまちめぐり』にこの記事が収録されている(215ページ)。
  19. ^ 釜川改修20周年記念事業実行委員会 編 2012, p. 5, 42.
  20. ^ a b c d e 水島 2011, p. 77.
  21. ^ a b 水島 2011, p. 77, 174.
  22. ^ 水島 2011, p. 72, 77, 174.
  23. ^ 宇都宮市 編 1992, p. 149.
  24. ^ 水島 2011, p. 17.
  25. ^ 釜川改修20周年記念事業実行委員会 編 2012, p. 42.
  26. ^ a b 水島 2011, p. 76, 174.
  27. ^ 釜川改修20周年記念事業実行委員会 編 2012, p. 5, 42-43.
  28. ^ 水島 2011, pp. 72–74.
  29. ^ a b c d e f g h 「栃木って!? 釜川物語編 ⑦ 牧水も詠んだ川の風情 歌碑の地譲らぬ“後輩”」読売新聞2002年10月10日付朝刊、栃木版33ページ。『釜川とまちめぐり』にこの記事が収録されている(214ページ)。
  30. ^ a b c d e 水島 2011, p. 78.
  31. ^ 「宇都宮市中心部 市が再開発指針 文化ゾーンなどに6区分」日本経済新聞1997年5月29日付朝刊、地方経済面 栃木42ページ
  32. ^ 宇都宮市都心部地区市街地総合再生計画〜歩いて愉しい 暮らして愉しい 集って愉しい 宮のまちなかづくり〜概要版”. 宇都宮市都市整備部市街地整備課再開発室 (2012年3月). 2020年6月2日閲覧。
  33. ^ a b 水島 2011, p. 73.
  34. ^ a b c d 宇都宮東ロータリークラブ 1986, p. 31.
  35. ^ 宇都宮東ロータリークラブ 1986, p. 17, 31.
  36. ^ a b c d 水島 2011, p. 75.
  37. ^ 宇都宮東ロータリークラブ 1986, pp. 31–32.
  38. ^ a b 宇都宮東ロータリークラブ 1986, p. 32.
  39. ^ a b c 水島 2011, p. 76.
  40. ^ 水島 2011, pp. 75–76.


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