光波長多重通信 光波長多重通信の概要

光波長多重通信

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/04/11 06:07 UTC 版)

概要

同軸ケーブルへ電気的な信号を流す場合と異なり、ラマン光増幅、分散シフト (DSF) 光ファイバ非線形現象などの例外を除いて光ファイバを通過する光信号は他の波長の光信号と干渉しない。そのため、複数の波長を使用して光信号を送受信すれば、1信号を1光ファイバで送る場合と比べて実質上多くのファイバがあるように使用できる。

光波長多重通信の場合、単一信号による通信と比較すると使用する光の波長の数だけ、具体的には数倍~数千倍といった情報量を同じケーブルで送信できるというメリットがある。現在実用化されているものには、数Tbps(テラビット毎秒)といったものもあり、今後更なる大容量化が見込める。

とはいえ、この技術に使用する信号の波長帯は自由に決められるのではなく、使用する光ファイバの伝送特性に左右される。 ある波長-たとえばシングルモード (SM) 光ファイバなら1310nm付近や1550nm付近など-から外れると信号の減衰や光ファイバの材料分散の影響が大きくなるため、通信が成立するある範囲内に押さえなければならない。使用する光の波長を増やせば増やすほど信号が密 (Dense) になるため、これをDense WDM(DWDM方式), 相対的に少ないものは疎 (Coarse) であるためこれをCoarse WDM(CWDM方式)という。あるWDMがDenseかCoarseかについては光学的にx波多重以上はDenseとするなどという定義はなく、おおよその目安として20nm間隔以上ならCWDMと考えて差し支えは無い。

1本のファイバーに複数の光学的伝送路を実装できると言う特性から、異なる種類や目的の通信信号、異なるプロトコルの通信を重畳させることもできる(例えばSDHGigabit Ethernetを1本のファイバーに共存させるなど)。

経緯

光波長多重通信の技術は、敷設に莫大な費用と時間が掛かる光ファイバー海底ケーブルの、効率的な活用の手段として開発された。それまでは通信容量が足りなくなれば送受信装置の高度化(例: 2.4GbpsのSDH回線を10Gbpsのものに更新する等)か、より多くの本数のケーブルをさらに敷設するしかなかった。この技術を使用することで、光ケーブルを有効活用できる。 また、芯数によっては1m数千円にもなる光ケーブル敷設の追加投資を行わなくても両端の機器をWDM対応のものに更新すればよい分、結果として通信コストの引き下げにも寄与している。

昨今はインターネット、特にブロードバンドの普及を主とする、ネットワークトラフィックの増大に対処する技術としても期待されている。

また、FTTHの普及に伴い、上り下りの信号を分割したり(復信・全二重)、1本の光ファイバーに光通信系と光放送系との複数の信号を重畳するなどの用途にも応用されている。




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