中期プラトン主義 特徴

中期プラトン主義

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/11 18:36 UTC 版)

特徴

中期プラトン主義の特徴として、ヘレニズム哲学アリストテレスとの折衷主義[9]、「プラトンの不文の教説英語版」を背景とした新ピタゴラス主義的「数」の重視[10]善のイデアと神との同一視[9]イデアと神の思考内容(ノエーマ νόημα)との同一視[9]論理学自然学倫理学の哲学三部分類[9]、神をまねる倫理的生き方の実践[9]、などが挙げられる。

新プラトン主義との違いとして、『パルメニデス』を形而上学的著作として注釈しなかったこと[11]、善のイデアをあくまで善なる神として、「存在の彼方」とはしなかったこと[12]、などが挙げられる。

関連項目

参考文献

  • ファーガソン, キティ 著、柴田裕之 訳 『ピュタゴラスの音楽』白水社、2011年。ISBN 9784560081631 
  • 瀬口昌久 著「実践的な生と伝記の執筆 『英雄伝』の指導者像と哲人統治の思想」、小池登;佐藤昇;木原志乃 編 『『英雄伝』の挑戦 新たなプルタルコス像に迫る』京都大学学術出版会、2019年。ISBN 9784814001989 
  • 西村洋平 著「プラトン主義の伝統」、伊藤邦武山内志朗中島隆博納富信留 編 『世界哲学史 2』〈ちくま新書〉筑摩書房、2020年。ISBN 9784480072924 
  • 中畑正志 著「プラトン哲学・アリストテレス哲学の復興」、内山勝利 編 『哲学の歴史 第2巻 帝国と賢者 古代2』中央公論新社、2007年。ISBN 9784124035193 
  • 中畑正志 「総解説 プラトンを読む」、下記『プラトン哲学入門』所収、2008年。ISBN 9784876981809

原典文献

アルビノス『プラトン対話篇入門』、アルキノオス『プラトン哲学講義』、アプレイウス『プラトンとその学説』、ディオゲネス・ラエルティオスプラトン伝』、オリュンピオドロス『プラトン伝』、著者不明『プラトン哲学序説』
『プラトン哲学に関する諸問題』、『『ティマイオス』における魂の生成について』ほか
ディオゲネス・ラエルティオス『プラトン』、オリュムピオドロス『プラトン伝』、プルタルコス『プラトン哲学の諸問題』、アノニュモス『プラトン哲学緒論』

外部リンク


  1. ^ クリストファー・ロウ著、金山弥平訳 著「プラトン」、デイヴィッド・セドレー英語版 編 『古代ギリシア・ローマの哲学 ケンブリッジ・コンパニオン』京都大学学術出版会、2009年。ISBN 9784876987863  176f頁
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 中畑 2007, p. 471-476.
  3. ^ a b c 西村 2020, p. 165f.
  4. ^ 松原國師 『西洋古典学事典』京都大学学術出版会、2010年。ISBN 9784876989256 1211f頁。
  5. ^ a b c 西村 2020, p. 185f.
  6. ^ 瀬口 2019, p. 189.
  7. ^ ファーガソン 2011, p. 254-261.
  8. ^ 荒井献大貫隆・小林稔・筒井賢治 編訳『新約聖書外典 ナグ・ハマディ文書抄』岩波書店〈岩波文庫〉、2022年、ISBN 978-4003382516 465-469頁(荒井献 解説)
  9. ^ a b c d e 中畑 2007, p. 478ff.
  10. ^ 西村 2020, p. 168.
  11. ^ 西村 2020, p. 160.
  12. ^ 西村 2020, p. 172.


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