チチブシロカネソウ チチブシロカネソウの概要

チチブシロカネソウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/04 21:09 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
チチブシロカネソウ
岩手県北上山地 2021年5月上旬
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
: キンポウゲ目 Ranunculales
: キンポウゲ科 Ranunculaceae
: チチブシロカネソウ属 Enemion
: チチブシロカネソウ
E. raddeanum
学名
Enemion raddeanum Regel (1861)[1]
シノニム
和名
チチブシロカネソウ(秩父白銀草)[3][4]

特徴

根茎は丈夫で短く、径5mm、長さ1-3cmで、水平から垂直に伸び、根茎の下から多数のひげが出る。根出葉は無いか1-2個あり、葉柄は長さ-13cmになりまばらに毛が生える。2回3出複葉で、長さ6-8cm、幅7-10cm、各小葉は卵状菱形になり、長さ2.5-3.5cm、幅1.5-2.5cm、3中裂してさらに切れ込んで、縁は卵形の鋸歯になり、幅2-5mmになる。は細く、直立し、高さ20-35cmになり、上部で1-2回分枝し、基部は褐色で膜質の鱗片に覆われる。茎の中部につく葉は、1-2回3出複葉で、長さ4-11cm、幅3-14cm、葉柄は長さ1-2cmで短毛が生え、基部に托葉がある。茎の上部につく葉は無柄で輪生する[3][4][5]

花期は5-6月。は白色で、茎先に散形状花序に3-6個つき、まれに単生し、上向きに咲く。花柄は長さ1-2cmになり、無毛。花弁状の萼片は4-5個あり、倒卵状楕円形で長さ6-7mm、幅3-4mmになり、先は鋭形で平開する。花弁は無い。雄蕊は10個以上あり、葯は円形で長さ0.3mm、黄色で、花糸は長さ2-4mm、下部は線形になるが上部は広がる。雌蕊は小型で、心皮は3-5個ある。果実は袋果で3-5個あり、楕円形で長さ3-5mmになり、背側に竜骨があり、腹側の縫合線にそって開裂する。種子は卵形で長さ2mmになり、赤褐色になる[3][4][5]

分布と生育環境

日本では、本州の岩手県群馬県埼玉県山梨県長野県に分布し[6]、山地の落葉広葉樹林の林内や林縁に生育する。石灰岩地や蛇紋岩地に見られることが多い[3][5]

世界では、日本のほか、朝鮮半島中国大陸東北部、ロシア沿海地方に分布し、温帯から亜寒帯の落葉広葉樹林内に生育する[5]


  1. ^ a b チチブシロカネソウ 「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
  2. ^ チチブシロカネソウ(シノニム) 「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
  3. ^ a b c d e 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.227
  4. ^ a b c d 新分類 牧野, p. 474.
  5. ^ a b c d e f g 門田裕一 (2016)「キンポウゲ科」『改訂新版 日本の野生植物2』pp.151-152
  6. ^ a b チチブシロカネソウ、日本のレッドデータ検索システム - 2021年6月19日閲覧
  7. ^ 矢田部良吉 1892, p. 97.
  8. ^ 新分類 牧野, p. 1510.
  9. ^ Enemion, The Plant List


「チチブシロカネソウ」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  チチブシロカネソウのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「チチブシロカネソウ」の関連用語

チチブシロカネソウのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



チチブシロカネソウのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのチチブシロカネソウ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS