タイミンガサ タイミンガサの概要

タイミンガサ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/24 14:40 UTC 版)

タイミンガサ
福井県勝山市 2022年9月上旬
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : キキョウ類 Campanulids
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
亜科 : キク亜科 Asteroideae
: コウモリソウ属 Parasenecio
: タイミンガサ P. peltifolius
学名
Parasenecio peltifolius (Makino) H.Koyama (1995) 'peltifolia'[1]
シノニム
  • Koyamacalia peltifolia (Makino) H.Rob. et Brettell (1973)[2]
  • Cacalia peltifolia Makino (1928)[3]
和名
タイミンガサ(大明傘)[4]

特徴

根茎は短く分枝する。は直立し、基部の径4cm、高さ1-2mになり、上部に褐色の多細胞の縮毛が生える。茎につくはふつう3個が互生する。茎の下部につく葉の葉身は円形で、径35-55cmになり、掌状に9-14中裂し、縁に不ぞろいな鋸歯がある。葉質は軟らかく、葉の表面は黒緑色で縮毛があり、裏面は淡緑色で葉脈に沿って短毛が生えるかほとんど無毛。葉柄は長さ30-65cmになり、翼はなく、葉身に対して楯着[注釈 1]し、基部は閉じた葉鞘になる。茎の中部につく葉は、下部のものより小さくなり、径は25-30cm、10-13中裂し、葉柄は楯着し、基部は抱茎してごく小さい耳があって、葉鞘は円筒形になる[5][6][7]

花期は9-10月。頭状花序は多数が大型の円錐状について、下向きに咲き、花柄は長さ9-15mmになる。頭花は6個の筒状花で構成されており、花冠は帯白色のあとに暗褐色になり、長さは10-11mmになる。総苞は黄緑色で縮毛があり、筒状で長さ9-11mm、総苞片は1列で5個あり、総苞の基部に線形の小さな苞がある。果実痩果で、円柱形から紡錘形でやや扁平、長さ6-8mm、幅1mmになり、無毛。冠毛は白褐色で長さ8mmになる。染色体数2n=58[5][6][7]

分布と生育環境

日本固有種[9]。本州の新潟県から兵庫県までの日本海側に分布し、深山の谷間などのやや湿った夏緑林の林床に生育する[5][6][7]。日本海要素の植物である[6]。ややめずらしい植物とされる[7]


注釈

  1. ^ (じゅんちゃく、peltate)「盾着」とも:葉柄が葉身の裏面の中央部につくこと[8]

出典

  1. ^ タイミンガサ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ タイミンガサ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  3. ^ タイミンガサ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  4. ^ 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.507
  5. ^ a b c d 北村四郎 (1981) 「キク科コウモリソウ属」『日本の野生植物 草本III合弁花類』p.180
  6. ^ a b c d e 門田裕一 (2017) 「キク科キオン連」『改訂新版 日本の野生植物 5』pp.302-303
  7. ^ a b c d e f 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1155
  8. ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1435
  9. ^ 『日本の固有植物』p.144
  10. ^ 飯沼慾斎 草木図説前編20巻(16)、タイミンガサ、コマ番号15/68、国立国会図書館デジタルコレクション-2022年11月22日閲覧
  11. ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1507
  12. ^ タイミンガサ、日本のレッドデータ検索システム、2022年11月22日閲覧
  13. ^ 門田裕一 (2017) 「キク科キオン連」『改訂新版 日本の野生植物 5』pp.300-311


「タイミンガサ」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  タイミンガサのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「タイミンガサ」の関連用語

タイミンガサのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



タイミンガサのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのタイミンガサ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS