タイミンガサ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/24 14:40 UTC 版)
名前の由来
和名タイミンガサは、「大明傘」の意。大型の楯状の傘に似た葉をつけたようすが、どこか外国を思わすようなエキゾチックな感があるので「大明」の名があるとされる[7]が、1928年に牧野富太郎が種として記載する前からこの名はあり、1856年(安政3年)に出版された飯沼慾斎の『草木図説』前編20巻中第16巻に「タイミンガサ」がある[10]。
種小名(種形容語)peltifolius は、「楯状の葉の」の意味[11]。
種の保全状況評価
国(環境省)のレッドデータブック、レッドリストでの選定はない。都道府県のレッドデータ、レッドリストの選定状況は次の通り[12]。新潟県-地域個体群(LP)、三重県-絶滅危惧II類(VU)、滋賀県-希少種、京都府-絶滅危惧種、岡山県-準絶滅危惧。
ギャラリー
分類
コウモリソウ属内および近縁の属に、葉身が円形で掌状に切れ込むものに、本種、ヤマタイミンガサ Parasenecio yatabei、オオモミジガサ Miricacalia makinoana、ヤブレガサ Syneilesis palmata などがある。本種は、高さ1-2mの大型になり、葉柄は葉身に対して楯着し、頭花は下向きに咲いて、花冠は帯白色になる。同属のヤマタイミンガサは、高さ60-90cmになり、葉の基部が深い心形になり、葉柄は葉の基部につき、頭花は上向きに咲き、花冠は白色になる。両種ともに、花期には根出葉は生存しない。一方、オオモミジガサはオオモミジガサ属に属し、高さ55-80cmになり、葉の基部が深い心形になり、葉柄は葉身に対して楯着し、頭花は下向きに咲き、花冠は黄色になり、総苞の基部に萼片状の苞があることが異なる。また、ヤブレガサはヤブレガサ属に属し、高さ70-120cmになり、葉柄は葉身に対して楯着し、頭花は上向きに咲き、花冠は白色になり、花時にも根出葉が生存することが異なる。本種の茎葉の下部の葉身は径30-65cm、9-14中裂し、ヤマタイミンガサの茎葉の下部の葉身は径17-24cm、9-10中裂する。また、オオモミジガサの茎葉の下部の葉身は径25-33cm、9-11中裂し、ヤブレガサの茎葉の下部の葉身は径35-40cm、7-9深裂する[13]。
注釈
出典
- ^ タイミンガサ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ タイミンガサ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ タイミンガサ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.507
- ^ a b c d 北村四郎 (1981) 「キク科コウモリソウ属」『日本の野生植物 草本III合弁花類』p.180
- ^ a b c d e 門田裕一 (2017) 「キク科キオン連」『改訂新版 日本の野生植物 5』pp.302-303
- ^ a b c d e f 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1155
- ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1435
- ^ 『日本の固有植物』p.144
- ^ 飯沼慾斎 草木図説前編20巻(16)、タイミンガサ、コマ番号15/68、国立国会図書館デジタルコレクション-2022年11月22日閲覧
- ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1507
- ^ タイミンガサ、日本のレッドデータ検索システム、2022年11月22日閲覧
- ^ 門田裕一 (2017) 「キク科キオン連」『改訂新版 日本の野生植物 5』pp.300-311
- 1 タイミンガサとは
- 2 タイミンガサの概要
- 3 名前の由来
- 4 脚注
- タイミンガサのページへのリンク