シンデレラ (プロコフィエフ) シンデレラ (プロコフィエフ)の概要

シンデレラ (プロコフィエフ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/19 02:57 UTC 版)

F・アシュトン振付『シンデレラ』の上演(2010年、ポーランド国立バレエ団英語版

上演史

1940年、『ロメオとジュリエット』の成功を受けて、キーロフ劇場からプロコフィエフへ作曲の依頼が行われた。しかし、ドイツのソ連侵攻やオペラ『戦争と平和』の作曲によって作業は中断され、完成は1944年、初演は1945年までずれ込んだ。

1945年11月21日モスクワボリショイ劇場で初演が行われた。台本はニコライ・ヴォルコフ、振付はロスチスラフ・ザハロフ英語版、美術はピョートル・ウィリアムス、指揮はユーリー・ファイエル、主演のシンデレラ役はガリーナ・ウラノワであった。初演は成功し、プロコフィエフは1946年交響曲第5番ピアノソナタ第8番などと併せてスターリン賞を受けた。

委嘱元のキーロフ劇場での初演は、1946年4月8日コンスタンチン・セルゲエフ英語版の振付で行われた。

バレエ音楽『シンデレラ』 Op.87

本作は『ロメオとジュリエット』同様に、複数のライトモティーフを使用した場面描写や登場人物の性格描写が行われている。一方、『ロメオとジュリエット』と比較して劇的な要素の少ない脚本ということもあって、プロコフィエフはチャイコフスキーの系譜を継ぎ[1]、「踊りの要素で満たされた」、クラシック・バレエの伝統を意識した作曲を行った。ゆえに抒情的なナンバーが多く、パ・ド・ドゥヴァリアシオンが多く配置され、またガヴォットパスピエブレーなどの古風な舞曲を複数含んでいる。

楽器編成

以上のオーケストラのほか、バンダが指定されているのは以下のとおりである。

舞台上
第7曲「踊りのレッスン」
ヴァイオリン2
第26曲 「マズルカと王子の登場」
ピッコロ2、トランペット3、ホルン2、アルトホルン2、テナーホルン2、バリトンホルン2、バス(チューバ)2、シンバル、スネアドラム
舞台裏
第29曲「舞踏会に着いたシンデレラ」
ピッコロ、フルート2、クラリネット2、チェレスタ、グロッケンシュピール、トライアングル

構成

第1幕
第1曲   序奏
第2曲   パ・ドゥ・シェール(ショールの踊り)
第3曲   シンデレラ
第4曲   父親
第5曲   仙女のお婆さん
第6曲   舞踏会に行く義姉妹たちの身支度
第7曲   踊りのレッスン(ガヴォット)
第8曲   継母と義姉妹は舞踏会へ出発する
第9曲   舞踏会を夢見るシンデレラ
第10曲 ガヴォット
第11曲 仙女のお婆さんの再現
第12曲 春の精
第13曲 夏の精
第14曲 コオロギとトンボ
第15曲 秋の精
第16曲 冬の精
第17曲 出発の中断
第18曲 時計の情景
第19曲 舞踏会へ行くシンデレラ(ワルツ)
第2幕
第20曲 廷臣たちの踊り
第21曲 パスピエ
第22曲 騎士たちの踊り(ブレー)
第23曲 少年の踊り  ※実際のバレエではオデットの独舞
第24曲 小男の踊り  ※実際のバレエではアロワサの独舞
第25曲 再び廷臣たちの踊り
第26曲 マズルカと王子の登場
第27曲 王子と4人の友人の踊り
第28曲 マズルカ
第29曲 舞踏会に着いたシンデレラ
第30曲 グラン・ワルツ(グランド・ヴァルス)
第31曲 プロムナード
第32曲 シンデレラの踊り
第33曲 王子の踊り
第34曲 来客へのご馳走  ※オペラ『三つのオレンジへの恋』の行進曲から主旋律がとられている。
第35曲 オレンジを持った義姉妹たちの踊り
第36曲 王子とシンデレラのパ・ド・ドゥ
第37曲 ワルツ―コーダ
第38曲 真夜中
第3幕
第39曲 王子と靴職人
第40曲 王子の最初のギャロップ
第41曲 誘惑
第42曲 王子の第2のギャロップ
第43曲 東洋の踊り
第44曲 王子の第3のギャロップ
第45曲 シンデレラの目覚め
第46曲 舞踏会の翌朝
第47曲 王子の訪れ
第48曲 王子とシンデレラの再会
第49曲 ゆるやかなワルツ
第50曲 愛をこめて(アモローソ)

  1. ^ このバレエ音楽は作曲者によってチャイコフスキーに献呈されている。
  2. ^ a b どのような楽器や手段を用いるかは指定されていない。後に編まれた組曲第1番の同じ箇所では、打楽器を想定した具体的な記譜に改められた。


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