シュプール号 JR西日本のシュプール号

シュプール号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/26 06:29 UTC 版)

JR西日本のシュプール号

スキー人口の減少に伴い利用客が減少したことから、2002年(平成14年)度から2005年(平成17年)度まで、JR西日本のみが大阪駅 - 黒姫駅間を東海道本線湖西線北陸本線信越本線経由で臨時寝台列車を運行していた。

運行概況

2003年(平成15年)度は最大2往復に縮小、2004年(平成16年)度から毎日運行が廃止され、12月23日から3月13日まで、2005年(平成17年)度は12月27日から3月12日までの週末を中心に、急行「シュプール」および特急「シュプール雷鳥信越」が運行され、2004年(平成16年)は合計90本[20]と、2005年(平成17年)度は70本[21]運行されていたが、2006年(平成18年)度に廃止された。

停車駅

シュプール(米原駅経由)

大阪駅 - 新大阪駅 - 高槻駅 - 京都駅 - 大津駅 - 草津駅 - 米原駅 - 糸魚川駅 - 直江津駅 - 新井駅 - 妙高高原駅 - 黒姫駅

シュプール雷鳥信越(湖西線経由)

黒姫駅 → 妙高高原駅 → 新井駅 → 直江津駅 → 糸魚川駅 → 京都駅 → 新大阪駅 → 大阪駅

使用車両

583系と485系の混色編成によるシュプール号

シュプール号にはJR西日本の京都総合運転所に所属していた583系が専用車両として使用されていた。グリーン車はフリースペースとしていた。485系と583系の併結運転が行われたことがあり、先頭車の貫通扉が使われた。

このほか、「シュプール雷鳥信越」には485系が充当されていた。

アルペン号

JR東日本は、スポーツ用品販売のアルペンタイアップし、2001年(平成13年)1月から3月にかけて運行する列車名を「シュプール○○」から「アルペン○○」に変更の上、下り列車限定である次の列車を運行した[22]

停車駅

アルペン上越(下りのみ運行)[23]
1号 (9711M) - 上野 - 赤羽 - 大宮 - 越後中里 - 越後湯沢 - 石打 - 大沢 - 塩沢 - 六日町 - 五日町 - 浦佐 - 小出
3号 (9713M) - 大船 - 戸塚 - 横浜 - 川崎 - 品川 - 新宿 - 池袋 - 赤羽 - 大宮 - 越後中里 - 越後湯沢 - 石打 - (臨時)上越国際スキー場前 - 塩沢 - 六日町 - 五日町 - 浦佐 - 小出
アルペン蔵王(下りのみ運行)[23]
9107M - 品川 - 新宿 - 池袋 - 赤羽 - 大宮 - 山形
アルペン白馬(下りのみ運行)[23]
1号 (9411M) - 千葉 - 稲毛 - 津田沼 - 船橋 - 市川 - 新小岩 - 錦糸町 - 秋葉原 - 新宿 - 三鷹 - 立川 - 八王子 - 信濃大町 - 簗場(やなば) - 神城 - 白馬 - 南小谷
3号 (9413M) - 横浜 - 品川 - 新宿 - 三鷹 - 立川 - 八王子 - 信濃大町 - 簗場(やなば) - 神城 - 白馬 - 南小谷

備考

「シュプール野沢・苗場号」はplaystationwindows専用ソフト『電車でGO! プロフェッショナル仕様』の収録路線の一つであるほくほく線上越線信越本線)の列車として運転可能である。天候は雪、車両は583系7両編成で、区間は直江津 - 越後湯沢間を信越本線(直江津 - 犀潟間)・北越急行ほくほく線(犀潟 - 六日町間)・上越線(六日町 - 越後湯沢間)を経由して運転できるダイヤとなっている。また1999年当時のシュプール野沢・苗場号の停車駅であった虫川大杉駅の1番線のホーム長が長いのはこの列車が停車していたためである。おそらく既存のホーム長では7両の583系がホームに入りきらず、ホーム長を延長したと思われる。


注釈

  1. ^ 特に戦後のスキーブームで一大拠点となる湯沢町においては、日本でスキーが初めて行われてから4年後の1915年(大正4年)に湯沢高原スキー場の原型が整備され、同線の開業時には既にスキー小屋や売店などが整えられていた。
  2. ^ 島根県仁多郡横田町(2005年(平成17年)から奥出雲町)の三井野地区では、木次線仮乗降場設置とスキー場開発が一体として構想され、1949年(昭和24年)に設置された三井野原仮乗降場は1958年(昭和33年)に三井野原駅として常設化され、三井野原スキー場が至近にある中国地方最高標高(その後のJR西日本各線の中でも最高地点でもある727m)の駅として広島駅方面からのスキー列車の目的地となった。
  3. ^ 例として、1968年(昭和43年)1月公開の日本映画「喜劇初詣列車」における描写がある。
  4. ^ 上越新幹線とほぼ並行する関越自動車道は1985年(昭和60年)10月に全線開業し、それまで三国トンネルを経由して一般国道の国道17号でしか移動できなかった自動車の利便性が一気に向上した。なお、1959年(昭和34年)に同トンネルが開通するまで、群馬県と新潟県を自動車で直接移動できる道路そのものが存在していなかった。
  5. ^ 1970年代には寒冷地においてスパイクタイヤの普及が寒冷地でほぼ完了し、その公害性が問題となった1980年代からはその後の標準方式となるスタッドレスタイヤの開発が進んだ。
  6. ^ 当時のバブル景気の描写と相まって、その後も長くスキー映画の代表的な作品となった「私をスキーに連れてって」は1987年11月公開。
  7. ^ 東北新幹線では樹氷で有名な蔵王連峰への玄関口として設置された白石蔵王駅、上越新幹線では従来より有名な越後湯沢駅や徒歩圏内にスキー場のあった浦佐駅などがスキー輸送の拠点となり、団体客を想定した広い構内が整備された。
  8. ^ 1991年に関越トンネルが4車線化されるまで、群馬・新潟県境(上越国境)の区間は暫定2車線で運用され、スキーシーズンには激しい渋滞が起きていた。

出典

  1. ^ 杉山淳一 (2021年2月3日). “覚えてる?「シュプール号」 スキー場へ直結した国鉄〜JRの臨時列車 なぜ消滅したのか”. 乗りものニュース. 2021年2月6日閲覧。
  2. ^ 時局を反映、スキー列車廃止『中外商業新聞』(昭和12年12月7日)『昭和ニュース事典第6巻 昭和12年-昭和13年』本編p363 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年
  3. ^ 鎌倉淳 (2016年3月28日). “「越後湯沢で最も古いスキーコース」が消える。湯沢高原スキー場の布場ゲレンデが2019年に閉鎖へ”. 旅行総合研究所タビリス. 2022年8月1日閲覧。
  4. ^ 大雪山山麓にスキー列車ホテルが回転『東京朝日新聞』(昭和12年1月21日)『昭和ニュース事典第6巻 昭和12年-昭和13年』本編p685
  5. ^ a b 鼠入昌史 (2022年2月2日). “電車内でのマナー「飲酒やおしゃべりに気を付けましょう」スキー列車に若者殺到のブームも…日本人はいつからスキーに行かなくなった?”. Number Web. 株式会社文藝春秋. 2022年8月1日閲覧。
  6. ^ a b 鮫島敬三 (2020年8月22日). “河童だらけの海水浴列車 昭和のスキー列車は強行軍”. 産経ニュース. 産経新聞社. 2022年8月1日閲覧。
  7. ^ 『鉄道ジャーナル』第231号、鉄道ジャーナル社、1986年4月、13頁。 
  8. ^ 加えて、車両内にもスキー・荷物置き場が設置されるようになっている。
  9. ^ 『交通公社の時刻表』、日本交通公社、1986年11月。 
  10. ^ 『JR時刻表』、弘済出版社、1999年3月。 
  11. ^ 『JTB時刻表』、日本交通公社、1999年1月。 
  12. ^ a b 『鉄道ダイヤ情報 1986年冬号』29号、弘済出版社、1986年、58頁。 
  13. ^ 『鉄道ダイヤ情報』141号、弘済出版社、1996年1月、46頁。 
  14. ^ 『鉄道ダイヤ情報』141号、弘済出版社、1996年1月、22-23頁。 
  15. ^ 『鉄道ダイヤ情報』177号、弘済出版社、1999年1月、44頁。 
  16. ^ 『鉄道ダイヤ情報』141号、弘済出版社、1996年1月、44頁。 
  17. ^ a b 『JR時刻表』第368号、弘済出版社、1993年12月、196, 202。 
  18. ^ 『鉄道ファン』、交友社、1996年6月、110頁。 
  19. ^ JTB時刻表での列車番号から判別と、『鉄道ダイヤ情報』No.141のシュプール記事から
  20. ^ 〜JRで行こう、白銀の世界へ〜 スキー商品発売!(時刻表) (PDF)インターネットアーカイブ) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2004年11月15日
  21. ^ 06シーズン スキー商品の発売(時刻表) (PDF) (インターネット・アーカイブ) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2005年11月18日
  22. ^ スキー宣伝における「株式会社アルペン」との提携について(インターネット・アーカイブ) - 東日本旅客鉄道プレスリリース 2000年10月3日
  23. ^ a b c JTB時刻表 2000年12月号.


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