ゴッドファーザー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/29 15:49 UTC 版)
小説
オリジナル
アメリカに生きるイタリア人移民とその子孫であるイタリア系アメリカ人一族の、栄光と悲劇を描く。
物語は古い価値観が壊れた第二次世界大戦直後から始まり、ここではコルレオーネ・ファミリーだけでなく、それに関わるアメリカにおけるイタリア人社会の変質「イタリア人からアメリカ人(イタリア系アメリカ人)へ」歩もうとする姿にも光を当てている。単なる組織犯罪やギャングの物語ではなく、家族の愛憎とファミリーを守ろうとする男たちの姿が主要なテーマにされたため、世界的に評判を呼び、当時のベストセラー小説となった。
続編
- マリオ・プーゾ『The Sicilian』[1](1984年)- 番外編的作品、『映画 シシリアン』原作
- マーク・ワインガードナー『The Godfather Returns』(2004年)
- マーク・ワインガードナー『The Godfather's Revenge』(2006年)
映画
『ゴッドファーザー』(The Godfather)シリーズは、1972年から1990年にかけ製作された映画作品群。イタリア系移民の悲哀を描き出した一大叙事詩的映画であり、PART I、II、IIIの三部作(トリロジー)で構成される。監督は全作フランシス・フォード・コッポラ。
ゴッドファーザー | |
---|---|
The Godfather | |
監督 | フランシス・フォード・コッポラ |
脚本 |
マリオ・プーゾ フランシス・フォード・コッポラ |
原作 | マリオ・プーゾ (1-2) |
製作 |
アルバート・S・ラディ (1) ロバート・エヴァンス (1) フランシス・フォード・コッポラ (2-3) グレイ・フレデリクソン (2-3) フレッド・ルース (2-3) チャールズ・マルベヒル (3) |
製作総指揮 |
フレッド・ヒュークス (3) ニコラス・ゲージ (3) |
出演者 |
マーロン・ブランド (1) アル・パチーノ (1-3) ロバート・デ・ニーロ (2) アンディ・ガルシア (3) ジェームズ・カーン (1-2) ロバート・デュヴァル (1-2) ジョン・カザール (1-2) ダイアン・キートン (1-3) タリア・シャイア (1-3) |
音楽 |
ニーノ・ロータ カーマイン・コッポラ |
撮影 | ゴードン・ウィリス |
編集 |
ウィリアム・レイノルズ (1) ピーター・ツィンナー (1-2) バリー・マルキン (2-3) リチャード・マークス リサ・フラックマン (3) ウォルター・マーチ (3) |
配給 | パラマウント映画 |
公開 | 1972-1990 |
上映時間 |
合計 (3作): 約540分 (9時間) |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 |
英語 イタリア語 シチリア語 |
製作費 |
合計 (3作): 約7300万米ドル |
興行収入 |
合計 (3作): 約5億7400万米ドル |
ヴィトー・コルレオーネの幼少期から、その息子マイケル・コルレオーネの最晩年に至るまで、コルレオーネ・ファミリーの盛衰を壮大に描く。脚本は全てコッポラとマリオ・プーゾの共作であるが、『PART I』全編と『PART II』のヴィトーのパートは、主にプーゾの原作に基づいている。
作品一覧
- 『ゴッドファーザー』(1972年)
- 『ゴッドファーザー PART II』(1974年)
- 『ゴッドファーザー PART III』(1990年)
- 『ゴッドファーザー〈最終章〉:マイケル・コルレオーネの最期』(2020年) - PART IIIの再編集版
主要スタッフおよびキャスト
- スタッフ
- 製作 - アルバート・S・ラディ / ロバート・エヴァンズ(両名PART Iのみ)
- 監督 - フランシス・フォード・コッポラ
- 原作・脚本 - マリオ・プーゾ
- 音楽 - ニーノ・ロータ / カーマイン・コッポラ
- 撮影 - ゴードン・ウィリス
- 美術 - ディーン・タヴォウラリス
- 音響 - ウォルター・マーチ(PART IIIのみ編集も担当)
- キャスト
- ヴィトー・コルレオーネ - マーロン・ブランド(老年期) / ロバート・デ・ニーロ(若年期)
- マイケル・コルレオーネ - アル・パチーノ
- ソニー・コルレオーネ - ジェームズ・カーン
- フレド・コルレオーネ - ジョン・カザール
- トム・ヘイゲン - ロバート・デュヴァル
- ケイ・アダムス - ダイアン・キートン
- コニー・コルレオーネ - タリア・シャイア
- ピーター・クレメンザ - リチャード・カステラーノ(老年期) / ブルーノ・カービー(若年期)
- サル・テッシオ - エイブ・ヴィゴダ(老年期) / ジョン・アプレア(若年期)
- アル・ネリ - リチャード・ブライト
- ビンセント・マンシーニ - アンディ・ガルシア
主要キャストの吹き替え
役名 | 俳優 | 日本テレビ版 | VHS版 | フジテレビ版 | テレビ東京版 | DVD版1 | DVD版2 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
PartI | PartII | PartIII | テレビ完全版 | PartI | PartII | PartI | PartII | |||
ヴィトー・コルレオーネ | マーロン・ブランド | 鈴木瑞穂 | 麦人 | 麦人 | ||||||
マイケル・コルレオーネ | アル・パチーノ | 野沢那智 | 山寺宏一 | 山路和弘 | 森川智之 | |||||
ヴィトー・コルレオーネ(若年期) | ロバート・デ・ニーロ | 青野武 | 大塚芳忠 | 山野井仁 | 山野井仁 | |||||
ヴィンセント・マンシーニ | アンディ・ガルシア | 関俊彦 | 江原正士 | |||||||
ソニー・コルレオーネ | ジェームズ・カーン | 穂積隆信 | 金尾哲夫 | 谷口節 | ||||||
フレド・コルレオーネ | ジョン・カザール | 大塚国夫 | 牛山茂 | |||||||
トム・ヘイゲン | ロバート・デュヴァル | 森川公也 | 菅生隆之 | 田原アルノ | ||||||
ケイ・アダムス・コルレオーネ | ダイアン・キートン | 鈴木弘子 | 堀越真己 | 山像かおり | ||||||
コニー・コルレオーネ・リッジ | タリア・シャイア | 小谷野美智子 | 駒塚由衣 | 麻志奈純子 | 田中敦子 | 渡辺美佐 | 斎藤恵理 | |||
サル・テッシオ | エイブ・ヴィゴダ | 上田敏也 | 加藤精三 | 水野龍司 | 水野龍司 | |||||
演出 | 小林守夫 | 佐藤敏夫 | 伊達康将 | |||||||
翻訳 | 木原たけし | 飯嶋永昭 | 島伸三 | 木原たけし | 佐藤一公 |
評価
アカデミー賞に計26回ノミネートされ、そのうち8回受賞している。三部作全てがオスカーで「作品賞」にノミネートされた史上初の例であり(のちに『ロード・オブ・ザ・リング』が追随した)[2]、そのうちPART I、IIと、続編が連続受賞したのは映画シリーズ史上唯一の例である。PART I、IIは極めて高い評価を得ており、PART IIIも近年再評価されている。Rotten Tomatoesでの批評家支持率は97%、96%、86%(再編集版)、平均スコアは9.40/10、9.70/10、7.50/10(再編集版)で、三部作平均は93%、8.86/10である。1999年に『ローリングストーン』誌が発表した「100 Years, 100 Maverick Movies 」で1位[3]、2010年に『エンパイア』誌が発表した「史上最高の三部作トップ33」で5位[4]、2016年に『スクリーン・ラント』が発表した「史上最高の映画三部作」で4位[5]、 2021年に『インデペンデント』誌が発表した「史上最高の映画三部作10」で6位[6]、IMDbスコアに基づく「三部作トップ10」では2位にランクインしている[7]。
続編の可能性
1990年代後半には『PART IV』製作の噂が流れ、アンディ・ガルシアやレオナルド・ディカプリオが出演するといわれたが、実現しなかった。一時期、ディカプリオの起用にコッポラが意欲的であると伝えられたが、1999年にマリオ・プーゾが死去したため、今後続編が作られる可能性は低いとみられている。コッポラはプーゾの死を受け、彼なくして(プーゾとの脚本共同執筆なくして)続編の制作はあり得ないと語った。
ゴッドファーザーDVDコレクションの特典「フランシス・フォード・コッポラ自作を語る」[8]によると、PART IVはPART IIのように「過去」と「現在」を重ね合わせた作品にする予定だったと語っている。脚本は「現在」の部分だけが完成しており、マイケルの死に至るまでの経緯と、ビンセントがドンとしてファミリーを纏めて行くまでの話だったという。コッポラによると、その後のファミリーは麻薬取引を行い始めたために没落し、ビンセントがファミリーを束ね、コロンビアで麻薬を扱っているドンと対峙するというものであり、「過去」の部分はヴィトーが一大ファミリーとなる部分を描く予定であった。しかし、あくまでもコッポラの構想であり、上記にある通りマリオ・プーゾが死去したため、続編は作られていない。
2020年の米『ニューヨーク・タイムズ』誌の記事によると、コッポラは「『ゴッドファーザー』の権利は私が所持している訳ではない」としたうえで「可能性として『ゴッドファーザーIV』『V』『VI』が作られるかもしれない」「但し私は監督はやらない」と語っている[9]。同記事によると、権利を所有しているパラマウント・ピクチャーズ側は『ゴッドファーザー PART III』続編について「更なる映画の予定は現状ありません」としながらも「描くべき物語が出来れば可能性はある」と答えている[9]。
テレビドラマ
- 『ゴッドファーザー テレビ完全版』(1977年)- PART I、IIのテレビ放映用再編集版
- 『ジ・オファー / ゴッドファーザーに賭けた男』(2022年)- PART Iの製作舞台裏を描いたテレビドラマ化作品
- ^ 真野明裕訳『ザ・シシリアン』(早川書房、のちハヤカワ文庫)
- ^ Arun Starkey (2023年2月16日). “'The Godfather': The only trilogy to have every movie nominated for 'Best Picture' at the Oscars”. FAR OUT. 2023年3月11日閲覧。
- ^ Peter Travers (1999年12月30日). “100 Years, 100 Maverick Movies”. Rolling Stone. 2023年3月11日閲覧。
- ^ “The 33 Greatest Movie Trilogies”. Empire. 2022年2月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023-03–13閲覧。
- ^ “The Best Movie Trilogies Of All Time”. The Independent (2016年6月29日). 2023-03–13閲覧。
- ^ “10 greatest movie trilogies of all time”. The Independent (2021年5月15日). 2022年6月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023-03–13閲覧。
- ^ Ajay Aravind (2022年9月20日). “The 10 Best Movie Trilogies, According To IMDb”. CBR. 2023年3月11日閲覧。
- ^ ゴッドファーザーDVDコレクションDVD特典より
- ^ a b “『ゴッドファーザー PART III』続編の可能性あり、コッポラ監督「作られるかもしれません」”. The River (2020年12月4日). 2022年4月27日閲覧。
- 1 ゴッドファーザーとは
- 2 ゴッドファーザーの概要
- 3 ゲーム
- 4 関連項目
ゴッド・ファーザー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/13 04:11 UTC 版)
ゴッドファーザー(godfather)とはキリスト教における代父の意。
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- 2 ゴッド・ファーザーの概要
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