オートマチックトランスミッションフルード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/13 15:33 UTC 版)
現在のATF規格
- ATF+4 - ダッジ、ジープ、クライスラー[1]
- Mercon V - 多くのフォード車、マーキュリー、リンカーン
- Dexron VI - ほとんどのGM車、一部のフォード車
- Dexron III Type H - 旧世代のトヨタ車と三菱車、ほとんどのダイハツ車といすゞ車、その他アイシン精機(現:アイシン)製AT搭載車
- ATF-Z1 (2011年から段階的に廃止) - 全てのホンダ車とアキュラ車(CVTを除く)
- ATF DW-1 - 全てのホンダ車とアキュラ車(CVT及び軽自動車を除く)
- SP-III - 現在の三菱車、全てのヒュンダイ車と起亜車(CVTおよびDCTを除く)
- JASO 1A - JASO規格によるもの。日本車全般のAT向けとされる。
- JASO 1A-LV - JASO規格によるもの。日本車のうち低粘度ATFを用いるAT向け。
- T-IV - 現在の多くのトヨタ
- ATF WS - トヨタ・クラウン、トヨタ・セルシオ、レクサスなどのトヨタ上位車向け多段AT
- ATF D3-SP - 全てのダイハツ車
- マチックフルードD - ほとんどの日産車、旧世代のマツダとスズキとスバル、その他ジヤトコ製AT搭載車
- マチックフルードJ - 日産・スカイライン、日産・シーマ、インフィニティなど日産上位車向け多段AT
- ATF M-V - マツダ車(非SKYACTIV-DRIVE搭載車向け、主にFN4A-EL型[注釈 2]等)
- ATF FZ - マツダ車(SKYACTIV-DRIVE搭載車向け、青色)
- ATF A7 - マツダ車(SKYACTIV-Xエンジン搭載車向け)
- ECVTフルード - 現在の多くのスバル車(CVTと共用可)
上記の規格は同一メーカーの多くの車種で共用が可能な比較的汎用性の高いものである。同じ規格系列で最新のリビジョンを持つものは、旧リビジョンの下位互換である場合も多い。しかしその一方で、車種やメーカーによっては特定の年式の特定のATにのみ指定される特殊な規格[注釈 3]が使用されることも珍しくはない。
化学合成油のATFは主にアフターマーケットブランドで入手できる。鉱物油に比べて熱負荷、酸化やせん断抵抗性に優れているために長期間初期性能が維持でき、頻繁にトレーラーやキャンピングカーの牽引を行う場合など、特定の用途においてパフォーマンスと寿命の向上が期待できる。
脚注
- ^ 当初は共用されるのが主流であったが、後年ATFに類似した専用油が設定され、パワーステアリングフルード(PSF)と呼ばれる。
- ^ なお、FN4A-EL型はフォードでの型式は4F27E型であるが、マツダのATF M-VはMercon系準拠ではないのに対し、フォードではMercon系を指定している。またATF M-Vの方がMercon系より低温時の粘度やアンチジャダー性能が高い。
- ^ 極端な例としては航空機用作動油を使用するいすゞ・NAVi5など。ただしNAVi5の場合は一般的なATに多いトルクコンバータ式ではなくクラッチを用いた方式である。
- ^ 主に多板クラッチやブレーキバンドの摩耗限界や損傷などで、通常よりも大きな摩擦損失が発生しているなど。
出典
固有名詞の分類
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