Malaria!とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > Malaria!の意味・解説 

マラリア【malaria】

読み方:まらりあ

マラリア病原虫赤血球寄生して起こる熱帯性感染症感染症予防法4類感染症の一。ハマダラカ媒介により感染する寒け震え高熱主症状で、間欠的に繰り返す発熱周期一定し48時間ごとに起こる三日熱マラリア卵型マラリア、72時間ごとの四日熱マラリアと、周期が不規則で、心臓衰弱脳症起こして生命にかかわることもある熱帯熱マラリア四つがある。


マラリア

英訳・(英)同義/類義語:malaria

原生動物であるマラリア原虫血液感染して引き起こされる疾患で、カによって媒介される伝染病。。ヘモグロビンの構造異常による鎌状赤血球サラセミア遺伝子保有者はマラリアに耐性示し、マラリアの流行地域変異遺伝子分布がよく一致することが知られている。

マラリア原虫


マラリア

【英】:Malaria

マラリア(病名)は、原生動物胞子虫類プラスモジウムPlasmodium)属のマラリア原虫病原体名)が、ハマダラカAnopheles)で媒介されヒト感染する発熱性疾患である。マラリアの流行世界熱帯亜熱帯のおよそ100ヶ国に及んでおり、地球上40%の人びとがその流行危険に曝されている。WHOの報告では、年間罹患者数は3億〜5億人、年間死亡者数150270万人見積もられており、それぞれの数字の9割は、サブサハラアフリカ居住する5才以下の子どもたちによるものである。マラリアは、いわゆる再興感染症re-emerging infectious diseases)の代表的疾患であり、国際保健医療分野における最重要疾病といえる
マラリアの撲滅計画失敗導いたファクターとしては、1)原虫要因1950年代後半からの薬剤耐性熱帯熱マラリア原虫出現世界的拡散、2)ベクター要因1960年代後半からの殺虫剤DDT)に対すハマダラカ抵抗性獲得、3)宿主要因ヒト取りまく社会経済学的なファクター大規模な開発に伴う森林伐採都市拡張内乱戦争による人口移動難民発生政府対策組織崩壊など)、4)環境要因地球温暖化などの異常気象津波洪水などの自然災害、などが重要である。すなわちマラリアとは、「病原体媒介ヒト」の3者が十分に共存する生態系維持される疾病であり、その生態系バランスの崩壊が、往々にしてマラリアの流行より高くする。
マラリアの世界全体経済的損失は、39 million DALYs1998年)と計算されるが、その流行はおよそ世界貧し地域猖獗し、いわゆる最貧国におけるマラリアによる死亡率は最富国250倍と見積もられる貧しい国はマラリア対策十分な費用供出できないどころか、マラリアがまた貧しさ増して未来の国家の発展開発阻害する。すなわち、マラリアは貧困単なる結果ではなく原因でもある。マラリア流行制圧しようと思えば、その「社会的疾病としての特徴をよく理解しなくてはならない。 (狩野繁之)

参考資料:Malaria – Obstacles and Opportunities, Stanley C. Oaks, Jr., et al, ed. National Academy Press, Washington, D. C. 1991

マラリア

(Malaria! から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/11 20:57 UTC 版)

マラリア(麻剌利亜[2]、麻拉利亜[3]ドイツ語: Malaria英語: malaria語源は「悪い空気」を意味する古いイタリア語: mala aria)は、熱帯から亜熱帯に広く分布するマラリア原虫による感染症である。雌のハマダラカが媒介するマラリア原虫が病原体であり、原虫の違いにより5種類に大別される(熱帯熱マラリア、三日熱マラリア、四日熱マラリア、卵形マラリア、サルマラリア)[4]


  1. ^ Global health estimates: Leading causes of DALYs (Excel) (Report). 世界保健機関. 2020年12月. Download the data > GLOBAL AND BY REGION > DALY estimates, 2000–2019 > WHO regions. 2021年3月27日閲覧
  2. ^ 大槻文彦著 「マラリア」『大言海』新編版、冨山房、1982年、1961頁。
  3. ^ 落合直文著・芳賀矢一改修 「まらりや」『言泉:日本大辞典』第五巻、大倉書店、1928年、4400頁。
  4. ^ a b c マラリアに注意しましょう!厚生労働省検疫所 FORTH(2021年4月27日閲覧)
  5. ^ a b c FORTH|最新ニュース|2018年|マラリアについて (ファクトシート)
  6. ^ 『漢字源』
  7. ^ 4月25日は世界マラリア・デーです。―マラリアは世界3大感染症―地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所(2021年4月27日閲覧)
  8. ^ マラリア メルクマニュアル家庭版
  9. ^ 馳亮太, 上蓑義典, 村中清春, 杤谷健太郎, 曽木美佐, 北薗英隆, 細川直登「三日熱マラリアの再発との判別が困難であった4カ月以上の潜伏期間の後に発症した四日熱マラリアの1例」『感染症学雑誌』2013年 87巻 4号 pp.446-450, doi:10.11150/kansenshogakuzasshi.87.446
  10. ^ 脳性マラリア IASR
  11. ^ Daneshvar, Cyrus; Davis, Timothy M. E.; Cox‐Singh, Janet; Rafa’ee, Mohammad Zakri; Zakaria, Siti Khatijah; Divis, Paul C. S.; Singh, Balbir (2009). “Clinical and Laboratory Features of HumanPlasmodium knowlesiInfection”. Clinical Infectious Diseases 49 (6): 852-860. doi:10.1086/605439. ISSN 1058-4838. PMID 19635025. 
  12. ^ Jongwutiwes S, Putaporntip C, Iwasaki T, Sata T, Kanbara H (2004). “Naturally acquired Plasmodium knowlesi malaria in human, Thailand”. Emerging Infect. Dis. 10 (12): 2211-3. doi:10.3201/eid1012.040293. PMC 3323387. PMID 15663864. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3323387/. 
  13. ^ Cox-Singh J, Davis TM, Lee KS, Shamsul SS, Matusop A, Ratnam S, Rahman HA, Conway DJ, Singh B (2008). “Plasmodium knowlesi malaria in humans is widely distributed and potentially life threatening”. Clin. Infect. Dis. 46 (2): 165-71. doi:10.1086/524888. PMC 2533694. PMID 18171245. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2533694/. 
  14. ^ マラリア MSDマニュアル プロフェッショナル版
  15. ^ 中村哲也「熱帯感染症の病態形成 研究集会報告4 メフロキンによるマラリア予防内服に関するアンケート調査」『長崎大学熱帯医学研究所共同研究報告集』第16巻第109号、2004年、NAID 110001717198 
  16. ^ 都築甚之助、大町文興『我邦ニ於ケル麻刺里亜蚊伝搬ノ証明』都築甚之助、1901年。NDLJP:835439 「第八章 深川村ニ於テ蚊ノ麻刺里亜病毒ヲ伝搬スル要約具備スルヤ」
  17. ^ 『気候変動と感染症』(ヘルシストニュース2007年7月号)”. 2008年7月22日閲覧。
  18. ^ 畑生俊光「薬剤耐性マラリアの分布に関する調査研究」『北関東医学』2003年 53巻 3号 pp.327-328, doi:10.2974/kmj.53.327
  19. ^ 木村幹男「マラリアにおける診断と治療の現況」『感染症学雑誌』2002年 76巻 8号 p.585-593, doi:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.76.585
  20. ^ a b IASR 28-1 マラリアワクチン 国立感染症研究所 感染症情報センター
  21. ^ a b c d 「マラリアワクチン、WHOが初推奨/効果は中程度、別の研究も」『日経産業新聞』2021年10月20日イノベーション面
  22. ^ 「英GSK、世界初マラリア・ワクチンの承認申請へ」AFPBB News(2013年10月9日配信)2013年10月23日閲覧
  23. ^ 「世界初のマラリアワクチンまであと一歩、フェーズ3治験で有望な結果」AFPBB News(2011年10月19日配信)2013年10月23日閲覧
  24. ^ 東岸任弘, 石井健, 堀井俊宏「マラリアワクチンの臨床開発」『Drug Delivery System』2010年 25巻 1号 pp.37-45, doi:10.2745/dds.25.37
  25. ^ 読売新聞』「yomiDr.」(2012年7月15日閲覧)
  26. ^ The scope and concerns of public health”. Oxford University Press: OUP.COM (2009年3月5日). 2011年5月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年12月3日閲覧。
  27. ^ 桐生尚武, 木下賢一「ヨーロッパにおける民衆の世界の社会史的研究」『明治大学人文科学研究所紀要』第42巻、明治大学人文科学研究所、1997年12月、25-46頁、ISSN 0543-3894NAID 120005258273 
  28. ^ https://www.cdc.gov/malaria/about/history/
  29. ^ 大友弘士「輸入マラリアの現状と問題点」『順天堂医学』1994-1995年 40巻 3号 p.280-290, 順天堂医学会, doi:10.14789/pjmj.40.280, NAID 130004711403
  30. ^ a b c d e 特集 蚊媒介性感染症をめぐって 蚊媒介性感染症はなぜ日本で減ったのか? 上村清
  31. ^ 「軍隊病だったマラリア、一般人に広がる」中央日報』2008年4月29日
  32. ^ 「中国、マラリア清浄国に 70年根絶取り組み」AFP(2021年6月30日)2021年7月23日閲覧
  33. ^ 「モザンビークでコレラ流行、1222人感染」 AFP(2017年3月15日)2017年3月15日閲覧
  34. ^ a b c d アフリカ 縮む巨大湖、蚊の巣窟に マラリアが高地にも」] 『朝日新聞』2008年3月9日
  35. ^ 工藤哲 (2015年10月6日). “ノーベル賞:中国初、自然科学受賞へ 屠氏、マラリア特効薬開発”. 毎日新聞. http://mainichi.jp/shimen/news/20151006ddm007040148000c.html 2015年10月7日閲覧。 
  36. ^ 宮良作『沖縄戦の記録 日本軍と戦争マラリア』新日本出版社,2004年
  37. ^ Bray RS (2004). Armies of Pestilence: The Effects of Pandemics on History. James Clarke. p. 102. ISBN 978-0-227-17240-7. https://books.google.com/books?id=djPWGnvBm08C&pg=PA102 
  38. ^ Byrne JP (2008). Encyclopedia of Pestilence, Pandemics, and Plagues: A-M. ABC-CLIO. p. 383. ISBN 978-0-313-34102-1. https://books.google.com/books?id=5Pvi-ksuKFIC&pg=PA383 
  39. ^ 堀井俊宏「日本におけるマラリア研究の発展」『学術月報』第60巻第4号、日本学術振興会、2007年4月、217-223頁、ISSN 03872440NAID 40015469002 
  40. ^ 酒井 2008, p. 97.
  41. ^ 酒井 2008, p. 99.
  42. ^ 酒井 2008, pp. 101–103.
  43. ^ 吉川弘文館『国史大辞典』第2巻「瘧」(執筆者:杉田暉道)および小学校『日本歴史大事典』第1巻「瘧」(執筆者:新村拓)
  44. ^ 『平成14年度国立感染症研究所年報』の『昆虫医科学部』の『11.昆虫医科学部 部長 小林睦夫』” (PDF). 2008年1月20日閲覧。[リンク切れ]
  45. ^ 『国立感染症研究所年報 平成16年版』の『昆虫医科学部』の『11.昆虫医科学部 部長 小林睦夫』の『業績』の『調査・研究』の『II. 衛生昆虫類の生理・生化学・遺伝学的研究』の『(7)日本産ハマダラカ属hyrcanus種群の遺伝子分類と近年の北海道における分布域の推定』”. 2008年1月20日閲覧。
  46. ^ 日本人の遺伝子が酒に弱く「進化」した納得の理由 コメを食べてきた日本人の腸に起こった変化 | 健康 | 東洋経済オンライン
  47. ^ 井上章一『愛の空間』角川書店、ISBN 4-04-703307-3
  48. ^ 地球温暖化と感染症〜いま、何がわかっているのか?〜
  49. ^ a b c d e f 『ヴォート 基礎生化学』東京化学同人社発行、ISBN 978-4807907120
  50. ^ a b 『ストライヤー 生化学』東京化学同人社発行、ISBN 978-4807905331



マラリア (バンド)

(Malaria! から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/10 16:01 UTC 版)

マラリア[1]Malaria!)は、1981年にグドゥルン・グー[2]と、ベッティーナ・コスター(カリン・ルナーや、後にディ・クルップスに加入するエヴァ・ゴズリングと組んでいたMania Dを解散した)、ベアテ・バルテル(リエゾン・ダンジェルーズ)によって結成された西ベルリンの実験的な電子バンドである。他のメンバーには、マノン・P・ダースマ、クリスティネ・ハーン、スザンヌ・キュンケ(Die Hautのメンバーでもある)が含まれていた[3]。彼女たちはほとんどの場合、ノイエ・ドイチェ・ヴェレポストパンクに関連づけられている。


  1. ^ マラリア!」の表記もある。
  2. ^ Currie, Nick (2008年5月30日). “The Post-Materialist | Punk-Rock Shock Officially Gone”. The New York Times. https://tmagazine.blogs.nytimes.com/tag/mumok/ 2011年12月11日閲覧。 
  3. ^ Gut, Gudrun. “Gudrun Gut Podcast”. Issue #290 (Apr 08). The Wire: Adventures In Sound And Music. 2011年12月11日閲覧。
  4. ^ Dalton, Stephen. “Malaria! Vs Chicks On Speed : Kaltes Klares Wasser”. NME Reviews. NME. 2011年12月11日閲覧。


「マラリア (バンド)」の続きの解説一覧


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Malaria!」の関連用語

Malaria!のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Malaria!のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
JabionJabion
Copyright (C) 2024 NII,NIG,TUS. All Rights Reserved.
日本国際保健医療学会日本国際保健医療学会
Copyright (C) by Japan Association for International Health. All rights reserved,2024.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのマラリア (改訂履歴)、マラリア (バンド) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS