ロールバックマラリア
【英】:Roll Back Malaria
1998年5月、世界保健期間(WHO)中島宏事務局長(当時)の後任にGro Harlem Brundtland元ノルウェー首相が就任し、新規のWHOキャビネットプロジェクトとして宣言されたマラリア対策が、「Roll Back Malaria (RBM) Initiative」と呼ばれた。RBMイニシアチブは従来のようなマラリア撲滅運動ではなく、2010年までにマラリアによる死亡率および有病率を半減させ、2015年までにさらにそれぞれを半減させるという具体的数値目標を持った対策案である。RBMで強調されることは、マラリアの治療を必要とするあらゆる人、マラリアの対策を必要とするあらゆる地域にそのサービスがゆき届くよう努力すること、そしてこのRBMの旗頭が、各マラリア流行国の保健システム強化の先導役(path finder)になることである。
RBMの具体的な戦略は、マラリアサミット(1992年)で起草されたGlobal Malaria Control Strategyのフォーミュラーを応用し、(1)マラリア患者の早期診断と迅速な治療(artemisinin-based combination therapies: ACTs)、(2)突発性流行の検出と対策(indoor residual spraying: IRS)、(3)薬剤含浸蚊帳(insecticide-treated nets: ITNs)を用いた媒介蚊対策、(4)妊婦のマラリアの予防(intermittent preventive treatment)、の4項目を基盤に展開するものである。そのうえで流行国と多くの国際機関との連携、開発支援2国間援助の推進、研究グループとの協力、製薬会社や非政府組織非政府組織(NGO)、財団、マスメディア、Global Fundなどの基金とのいわゆる「パートナーシップ」を築き上げてゆくことである。現在では、正式にUNICEF, UNDP, World BankとWHOが完全連携し、「RBM Partnership」というフレーズが使われるようになっている。(狩野繁之)
参考URL:ロールバックマラリアホームページ http://www.rbm.who.int/index.html
1998年5月、世界保健期間(WHO)中島宏事務局長(当時)の後任にGro Harlem Brundtland元ノルウェー首相が就任し、新規のWHOキャビネットプロジェクトとして宣言されたマラリア対策が、「Roll Back Malaria (RBM) Initiative」と呼ばれた。RBMイニシアチブは従来のようなマラリア撲滅運動ではなく、2010年までにマラリアによる死亡率および有病率を半減させ、2015年までにさらにそれぞれを半減させるという具体的数値目標を持った対策案である。RBMで強調されることは、マラリアの治療を必要とするあらゆる人、マラリアの対策を必要とするあらゆる地域にそのサービスがゆき届くよう努力すること、そしてこのRBMの旗頭が、各マラリア流行国の保健システム強化の先導役(path finder)になることである。
RBMの具体的な戦略は、マラリアサミット(1992年)で起草されたGlobal Malaria Control Strategyのフォーミュラーを応用し、(1)マラリア患者の早期診断と迅速な治療(artemisinin-based combination therapies: ACTs)、(2)突発性流行の検出と対策(indoor residual spraying: IRS)、(3)薬剤含浸蚊帳(insecticide-treated nets: ITNs)を用いた媒介蚊対策、(4)妊婦のマラリアの予防(intermittent preventive treatment)、の4項目を基盤に展開するものである。そのうえで流行国と多くの国際機関との連携、開発支援2国間援助の推進、研究グループとの協力、製薬会社や非政府組織非政府組織(NGO)、財団、マスメディア、Global Fundなどの基金とのいわゆる「パートナーシップ」を築き上げてゆくことである。現在では、正式にUNICEF, UNDP, World BankとWHOが完全連携し、「RBM Partnership」というフレーズが使われるようになっている。(狩野繁之)
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