ひなん‐かんこく〔‐クワンコク〕【避難勧告】
避難勧告(ひなんかんこく)
日本は環太平洋造山帯に位置しているため、火山や地震活動の多い国である。一説によると、「地球上の全ての地震と火山噴火のうち、その10%は日本で発生している」と言われる。
生命にかかわるような火山活動が起こったとき、気象庁は「緊急火山情報」を発表して警告する。また火山噴火予知連絡会(気象庁長官の諮問機関)では、重大な噴火の恐れがあるときや噴火の起こったときには臨時会合を開き、「統一見解」を発表する。同会委員には火山学者らのほか行政機関の防災担当者も加わっており、必要に応じて地域防災機関に助言もする。
火山噴火では多数の犠牲者が出る場合もあり、迅速な対策が不可欠である。避難に関しては、市町村長が住民に対し、避難勧告や立ち退き指示をする(災害対策基本法第60条)。さらに火山災害の警戒区域を設定して立ち入り制限・禁止・退去を命令することがある(同法63条)。
(2000.06.27更新)
避難勧告
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/07 07:28 UTC 版)
避難勧告(ひなんかんこく、英: evacuation advisory)は、日本において災害対策基本法に定められていた、災害が発生する恐れのある場合に被害が予想される対象地域の住民に対して市区町村長が避難を呼び掛ける情報。
- ^ a b 「避難情報に関するガイドラインの改定(令和3年5月) 」、2021年5月、8 - 18頁, 22 - 36頁。
- ^ a b c d e f 牛山素行、「特集 災害時の「避難」を考える -プロローグ 避難勧告等ガイドラインの変遷-」、日本災害情報学会、『災害情報』、18巻、2号、2020年 doi:10.24709/jasdis.18.2_115
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- ^ “5段階の大雨警戒レベル|災害 その時どうする|災害列島 命を守る情報サイト|NHK NEWS WEB”. 日本放送協会. 2021年4月20日閲覧。
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- ^ “「避難勧告」廃止し「避難指示」に一本化 法律改正案可決 成立”. NHKニュース (2021年4月28日). 2021年4月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月7日閲覧。
- ^ “災害時の「避難勧告」廃止、「避難指示」に一本化…違い分かりにくく”. 読売新聞オンライン (2021年5月10日). 2021年5月10日閲覧。
避難勧告
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 02:23 UTC 版)
水害 : 川の水位がはん濫危険水位に達しており更に上昇すると見込まれる場合など。洪水警報が発表された後の段階。なお、暴風警報が発表済みまたは発表の可能性がある場合、早めの発表を検討する。
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避難勧告
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 03:02 UTC 版)
「平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害」の記事における「避難勧告」の解説
この災害では、土砂災害の発生が20日3時過ぎから4時ごろにかけて起こったにもかかわらず、最初の避難勧告発令が安佐北区で4時15分、安佐南区で4時30分と、避難勧告などの遅れが大きな問題とされた。 以下、広島市において最初の避難勧告が出されるまでの気象庁気象警報などの情報と、参考としてウェザーニューズ(WNI)が広島市消防局に提供した情報 を示す。なお上記の通り、当日の降雨は、前半が19日19時ごろ - 24時ごろに広島市西部から市中心部、後半が20日0時以降に安佐南区・安佐北区と2つの降雨からなり、土砂災害の原因となった豪雨は20時1時半から4時ごろまで降ったことに注意されたい。 避難勧告発令までの気象情報 気象警報WNI19日16時03分 気象庁 大雨警報 洪水警報 雷注意報 - 19日21時26分 気象庁 大雨警報(土砂災害・浸水) 洪水警報 雷注意報 - 19日22時28分 気象庁 大雨と落雷に関する広島県気象情報 第1号 19日夜遅くにかけ大雨となる恐れ 南部北部とも40mm/h 南部北部とも100mm/24h - 19日23時08分 - 雨は少しずつ弱まっている。あと1時間程度で雨雲も抜ける見込み。 19日23時24分 - 市中央部で積算雨量80ミリに達し、レベル3に。 19日23時33分 気象庁 大雨警報(土砂災害) 洪水警報は解除 雷注意報 - 20日00時43分 - 北西部、西部でレベル2。積算雨量が増えるためにさらにレベルが上がる見込み。注意必要。 20日00時56分 - 南西部で積算雨量80ミリ超過。レベル3に。北西部、西部で激しい雨の見込み。警戒必要。 20日00時57分 気象庁 大雨警報(土砂災害) 雷注意報 洪水注意報 - 20日01時15分 気象庁広島県 広島県土砂災害警戒情報 第1号 広島市全域 - 20日01時21分 気象庁 大雨警報(土砂、浸水) 洪水警報 雷注意報 - 20日01時29分 - 積算雨量が大きくなり、レベル4、5になる可能性。警戒必要 20日01時30分ごろ、土砂災害地で豪雨が始まる。 20日01時35分 気象庁広島県 広島県土砂災害警戒情報 第2号 広島市全域 大竹市 北広島町 - 20日01時35分、広島市災害警戒本部、佐伯区・安佐南区・安佐北区災害警戒本部設置 20日01時49分 気象庁 大雨と落雷に関する広島県気象情報 第2号 20日明け方まで土砂災害に警戒 南部北部とも70mm/h 南部北部とも120mm/24h - 20日01時57分 - 南西部で積算雨量が100ミリ超過。レベル4に。朝4〜5時ごろまで強い雨の見込み 20日02時36分 - 積算雨量の基準値超過。中央部、北西部でレベル4、南西部でレベル5。警戒必要。 20日03時すぎから、土砂災害が発生。 20日03時04分 - 中央部、北西部でレベル5。ピーク過ぎたがあと1時間程度雨脚強い。 20日03時19分 - 西区、安佐南区、安佐北区を中心にあと1時間程度雨脚強い状況。 20日03時20分 気象庁国交省 根谷川はん濫警戒情報 第1号 - 20日03時21分、「山本で2人が生き埋めになっている」と119番通報 20日03時26分 気象庁 広島県竜巻注意情報 第1号 - 20日03時30分、広島市災害対策本部設置、安佐南区・安佐北区災害対策本部設置、佐伯区災害警戒本部継続 20日03時30分、「緑井八丁目で1人が土石流で流されて不明」と119番通報。以降土砂災害の通報と救助要請の電話殺到。 20日03時32分 気象庁 大雨警報(土砂、浸水) 洪水警報 雷注意報 - 20日03時40分 気象庁広島県 広島県土砂災害警戒情報 第3号 広島市全域 大竹市 北広島町 安芸高田市 - 20日03時49分 気象庁 広島県記録的短時間大雨情報 - 20日04時ごろ、土砂災害地の降雨が小康。 20日04時15分、安佐北区に避難勧告。対象は大森、可部、亀山の一部、可部南、三入、三入東。 20日04時20分 気象庁国交省 根谷川はん濫発生情報 第2号 - 20日04時30分、安佐南区に避難勧告。対象は梅林、緑井、八木、山本。 当時の資料によると、市は19日からの降雨のため、まず水防対応に追われていた。WNIの情報でも20日1時以降も市西部の情報が続いている。119番通報は、20日0時台は2件(うち豪雨に起因する通報0件)、1時台5件(豪雨0件)、2時台23件(豪雨18件)、3時台110件(豪雨108件)である。土砂災害の最初の119番通報は20日3時21分だった。 市は、20日1時15分に広島地方気象台(気象庁)・広島県合同発表「広島県土砂災害警戒情報 第1号」の時点で避難勧告を出せば被害を抑えられたとして批判された。この時点で県は市に対して避難勧告を促したものの、市は雨が小康状態となったため勧告せず先送りにしている。また大量の河川情報がFAX内にデータとして蓄積して印刷排出が遅れたため、20日1時49分気象庁発表「広島県気象情報 第2号」を市は遅れて受け取っていたという失態も発覚した。 広島県土砂災害警戒情報発表を受けて、市消防局は土砂災害に関する注意喚起(避難準備情報)を20日1時32分に防災情報メール、20日1時41分に防災行政無線で2度にわたり配信したが、のちの市による被災地住民アンケートで75%(660人中)が「受け取っていない」「知らない」と回答している。 『朝日新聞』や『毎日新聞』は、WNIから大雨の情報を受け取りながら市は避難勧告が遅れたとして批判的な記事を書いている。ただし『毎日新聞』と『産経新聞』には、WNIは20日1時50分付で「2時以降4時までの1時間雨量は1ミリ以下」というピンポイント予報を出していたという報道がされており、これは土砂災害地で豪雨が降っていた時間帯である。『毎日新聞』にはさらに、WNIは急変を知らせる目的でそれから7分後にあたる20日1時57分に電話をかけたと報じている。 この災害を受けて広島市は「8.20豪雨災害における避難対策等検証部会」を設置、そこでさまざまな検証が行われた。検証部会による避難勧告を発令する時間の検証は以下の通り。 1999年土砂災害を受けて2000年に広島市地域防災計画を作成しており、これが避難勧告を発令する判断基準のマニュアルであった。 地域防災計画に沿って対応した場合、勧告が必要であると判断できたのは20日3時15分ごろになる。そこから地域防災計画に沿って避難所開設の準備などを行っていくと勧告は4時過ぎになる。そのため当時の対応はやむを得なかったと言えるが、適切であったとはいえない。 地域防災計画に沿わず気象情報の分析のみで対応した場合、勧告が必要であると判断できたのは20日2時30分ごろになる。これを元に勧告を出せば土砂災害はある程度回避できた可能性がある。ただし土砂災害被災地では1時30分ごろから豪雨が始まり、2時ごろには道路が川のようになっていたため、この時点で勧告を出したとしても避難行動中に被災した可能性がある。 もっとも安全に避難が出来る状態で勧告を出せたとすると、19日21時26分大雨警報(土砂災害)発表時になる。ただしこのタイミングではのちに豪雨に発展するとは見込まれていなかった。また安易な勧告は危機管理の問題から避けるべきである。 以上より、検証部会は当時の市の防災体制下においては最適な時間を示すことは難しいと結論づけた。これに対し、地元紙『中国新聞』は「玉虫色の結論」と報じている。
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