義和団の乱余聞とは? わかりやすく解説

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義和団の乱余聞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 06:48 UTC 版)

義和団の乱」の記事における「義和団の乱余聞」の解説

粛親王善耆と川島浪速 北京籠城において、日本軍防衛担当した区画にあった粛親王府は粛親王善耆邸宅である。彼は非常に日本との関係が深く、特に川島浪速とは自分の娘(日本名川島芳子)を後に川島養女にするなど縁があった。その川島はこの義和団の乱の際、説得によって紫禁城無血開城させた人物である。粛親王川島浪速は後に協力して満州独立運動荷担していくが、二人運命義和団の乱以降交叉し始めたといえる賠償金の返却 あまりにも過酷な賠償金請求対し、やがて国際的な批判反省起こり賠償金受け取った各国様々な形中国還元することとなった。たとえばアメリカは、賠償金によって北京清華大学1911年 - )を創設した。この大学北京大学並んで中国代表する名門大学として成長し、現在でも理系分野ではトップと言われている。 日本1922年賠償金一部中国対す東方文化事業使用することを決定し中国側通告した日本の外務省には、対支文化事業部が新設され日中共同による「東方文化事業委員会」が発足したまた、東亜同文会同仁会・日学会・在居留民団など日本国内日中関係進展にかかわる団体への補助行ったり、中国人日学生へ援助行った。また現代まで続く成果として学術研究機関設置がある。これは北京人文科学研究所上海自然科学研究所東方文化学院設立を指す。東方文化学院は、後に東京大学東洋文化研究所京都大学人文科学研究所東方部に改編された。東山銀閣寺近くに建つ京都大学人文科学研究所東方部は、キリスト教会のような塔を持った美し西洋風建物で、塔の窓にはステンドガラスが使われている。但し塔の内部には許可なくしては立ち入れない文物の破損・流失と古美術商 八カ国連合軍一年にわたる北京占領は、掠奪詐取によって文物国外流出促した。それは19世紀世界流出した文物比較して質量ともに巨大なものであった宮城そのもの掠奪免れたものの、その周囲にあった天壇王府所蔵されていた文物被害遭っている。盗難され、また欧米占領軍から見て価値分からない秘籍などはぞんざいに扱われ破損したものも多かった。たとえば『実録』(王朝公的記録)や「聖訓」(皇帝勅書)等を収めた皇史宬も襲われたため、多大な被害出している。他にも『歴聖図像』4軸や『今上起居注45冊、方賓『皇宋会編』(宋版)、呉応箕『十七朝聖集』(明版)など貴重な秘蔵文書消失した。また『古今図書集成』や『大蔵経』も破損一部散逸などの憂き目遭っている。東洋史研究市村瓚次郎北京に赴き調査した際に「大蔵経典図書集成歴代聖訓、其他種々の書籍綸子緞子にて表装せられたるもの、悉く欠本となりて閣中に縦横にとり乱され狼藉極めたる様、目もあてられず。覚えずみるものをして愴然たらしむ」と慨嘆している。 多く美術品国外流出したが、それは皮肉にも中国美術品の価値世界広めることになったジャポニスムによって切り開かれ東洋美術への関心は、19世紀末から20世紀初頭までは日本美術対象であったが、次第中国伝統美術にも注がれはじめ、1910年までには中国陶磁主な対象となったこうした中国美術輸出事業携わったのは、まず、外交官実業家張静江パリ設立した通運公司(1902 - )、通運公司から独立しパリ長く営業した盧齋(C.T.Loo)のLai Yuang and Company(1908 - )、後に、日本古美術商たちである。1912年恭親王コレクション買い付け行った山中定次郎山中商会は、北京などで仕入れてロンドンニューヨーク東京で売るビジネス行った。繭山松太郎龍泉堂(1908に北京創業)など他の業者は、北京買い付けて日本輸入するのが主であった日本経由欧米流出した文物も多い。書画骨董青銅器磁器書籍主要な品目である。 日本留まり現存するものも多い。泉屋博古館所蔵青銅器「虎食人卣」(こしょくじんゆう)や東洋文庫多く所蔵する永楽大典』はその代表例である。この他王羲之「遊目帖」(唐代模本)は乾隆帝秘蔵であったが、やがて恭親王奕訢下賜された後、義和団の乱の際に日本流出した。ただ広島落ちた原爆によって焼失している。

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