歯ブラシとは? わかりやすく解説

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は‐ブラシ【歯ブラシ】

読み方:はぶらし

歯磨き用の小さなブラシ


歯ブラシ

作者森瑤子

収載図書ベッドおとぎばなし PART2
出版社文芸春秋
刊行年月1992.9
シリーズ名文春文庫


歯ブラシ

作者橋本治

収載図書つばめの来る日
出版社角川書店
刊行年月1999.6

収載図書つばめの来る日
出版社角川書店
刊行年月2001.9
シリーズ名角川文庫


歯ブラシ

作者石田千

収載図書部屋にて
出版社角川書店
刊行年月2007.6


歯ブラシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/31 21:55 UTC 版)

歯ブラシ
電動歯ブラシ
歯間ブラシ

歯ブラシ(はブラシ、: toothbrush)は、を磨くのに使用する小さなブラシである[1]。自然の歯あるいは入れ歯を磨くのに使う。漢字で表記する場合は「歯刷子」[1][2]口腔衛生ケアに用いられる用具の一つ。

なお歯ブラシのみでは歯の表面の50%にしか届かないため、他の部位の歯垢を除去するために、別途デンタルフロス歯間ブラシなどの歯間清掃用品の併用が、口腔ケアにおいては必要である[3]

形状と種類

一般的な製品は柄の先端の片側に数十本ごとに束ねられた繊維が複数植えつけられていて、その摩擦によって歯垢などの汚れを落とす。 歯ブラシは先端から植毛部、頚部、把柄部の3つの部分からなり、さらに植毛部の上方をつま先、下方をかかとという[4]。繊維の束は列状に配置されており、一般的な3列植毛のほか、6列植毛、5列植毛、4列植毛、2列植毛、1列植毛のものもある。毛先の形状にはラウンドカット毛と超極細毛がある[5]。毛切りには平切りのほか山切りなどがある。

360度歯ブラシのように先端が特殊な形状のものもある。また、スイッチを入れるとモーターにより動作する「電動歯ブラシ」(電気歯ブラシ)もある[6]。また、柄のない指サック型の製品もある[6]歯磨き粉を用いる場合には歯ブラシの毛先に付けて磨くことになるが、「粉付き歯ブラシ」のように最初から粉状の歯磨き粉を付けている使い捨ての歯ブラシもある。

繊維を加工したり毛先を0.02mmに加工するなど、歯と歯の間や奥歯の汚れを綺麗に取る為のものや、歯茎を刺激するものなど多機能化が行われている。また、「歯科医院向」の製品も製造されている。

長く使っていると繊維が曲がって毛先が開き、歯磨きの効果が落ちるため、取り替えの時期となる。歯磨きに使用出来なくなると、風呂場のタイル目や排水溝など身の回りの細かい所などの掃除に使用する場合もある。ペット用の歯ブラシもあり、犬用のものでは大型犬用・小型犬用などがある。

歴史

少なくとも紀元前3500年のバビロニアでは、木の枝から作った歯木を使用していた[7]。それが、インドやギリシャでも習慣が普及し、各々の土地にあった木が用いられた。中国では歯木に楊柳の枝を用いたことから楊枝(ようじ)となった。これは爪楊枝ではなく房楊枝と呼ばれるもので、細い木の枝をブラシのように一方の端を噛み砕いて使用した。インドなどの仏典に釈迦が歯木を使って地に投げたところたちまち根づいて大木となった話や弟子に歯木を使わせる記述があり、当時既に歯木が使用されていたことが窺われる。日本でも歯ブラシが一般化するまでは房楊枝が一般的に歯磨きに使用されていた。

アメリカ歯科医師会によると、1498年中国皇帝豚毛を骨の柄に植えつけたものを歯磨きに使用したものが、最初の歯ブラシであるとしている。しかし1223年にに留学した禅僧の道元が現地における「くちすすぐともがらは、馬の尾を寸餘にきりたるを牛の角のおほきさ三分ばかりにて方につくりたるがながさ六七寸なる、そのはし二寸ばかりにうまのたちがみのごとくにうゑて、これをもちて牙歯をあらふ」習慣を記述しており[注釈 1]、実際の歴史はさらに古いものと思われる。

ナポレオン・ボナパルト(1769-1821)が使っていた歯ブラシ。かかと部にナポレオンのマークが彫られている。

17世紀ごろからヨーロッパでも使用されるようになるが、19世紀に大量生産されるようになるまで一般的ではなかった。

1872年に大阪において鯨のひげの柄に馬毛が植えられた「鯨楊枝」が製造販売され[8]1890年に大阪盛業株式会社が「歯刷子(はぶらし)」の名称で第三回内国勧業博覧会に出品する[8]1903年(大正3年)に小林富次郎商店(現在のライオン)が「萬歳歯刷子」を発売。 1917年には歯ブラシ会社が集中していた大阪府八尾市セルロイド製の歯ブラシの生産が始まった[9]。また、1938年2月24日にはデュポン社がナイロン製の歯ブラシを初めて売り出した。

需要と供給

世界

60 Second Marketer websiteの情報によると、世界では毎年およそ35億本の歯ブラシが販売されている[10]

2018年時点での世界における市場規模は、非電動の歯ブラシの市場は、およそ44億米ドルである[11]

世界の主な歯ブラシの製造会社は、P&Gコルゲート、Curaprox[1]Unilever (ユニリーバ)、Boie USA、Sensodyne(GSK。日本では「シュミテクト」ブランド)、Dr. Collins、Sunstar (サンスター)、Nimbus、Dr. Fresh(ドクターフレシュ)、Lion (ライオン)など[11]

日本

日本国内ではおよそ4億本/年が生産されている[12]。昭和20年代には大阪府が全国の出荷額の90%以上を占めていた。しかしながら、2009年時点では有力メーカー工場の移転などにより大阪府の出荷額の占有率は15.8%にまで低下した[12]。また近鉄八尾駅前には「生産高日本一」を記した歯ブラシ型のモニュメントが設置されている。

家庭用品品質表示法の対象品目になっている[13]。柄の材質(ポリプロピレン、飽和ポリエステル樹脂など)、毛の材質(人工毛(ナイロンなど)、天然毛(白馬毛、豚毛、馬など))、毛のかたさ(かため、ふつう、やわらかめ)、耐熱温度(60度、80度など)、表示者名の表示がされる[14]。また日本産業規格 (JIS S3016[15]) において規定がある。

歯ブラシによる外傷

幼児が口に箸や棒等をくわえたまま転倒や衝突などで口腔内の軟組織が受傷することがあるが、その原因の第一位が歯ブラシであり、30%以上であると報告されている[16][17]。歯ブラシの形態から症状は軽微なことが多いが、重症ないし重症となる危険性の高い症例の報告も多く[18][19] 、保護者による危険性の認識や監視の必要性が指摘されている[17]

脚注

注釈

  1. ^ 正法眼蔵第五十 「洗面」。道元は日本にこの習慣を伝えなかった。彼は歯ブラシを「これは靴のほこりを落とす道具で歯磨きの道具ではない」と断じ、当時日本では楊枝(房楊枝)が普及していることを賞賛したのち、禅僧は歯ブラシを使ってはならず、楊枝を使用することが正しいことであると戒めている。現在の永平寺では歯ブラシを使用している。

出典

  1. ^ a b 広辞苑第六版
  2. ^ https://thesaurus.weblio.jp/content/歯刷子
  3. ^ “Current concepts in toothbrushing and interdental cleaning”. Periodontology 2000 48: 10–22. (2008). doi:10.1111/j.1600-0757.2008.00273.x. PMID 18715352. 
  4. ^ オーラルケアの基礎/歯と口腔内の基礎知識/歯ブラシ”. ライオン歯科衛生研究所. 2012年8月16日閲覧。
  5. ^ オーラルケアの基礎/歯と口腔内の基礎知識/歯ブラシ”. ライオン歯科衛生研究所. 2012年8月16日閲覧。
  6. ^ a b 意匠分類定義カード(C3) (PDF) 特許庁
  7. ^ Yu, Hai-Yang; Qian, Lin-Mao; Zheng, Jing (2013). Dental Biotribology. Springer. pp. 18–19. ISBN 978-1-4614-4550-0. https://books.google.com/books?id=tsSqVeaHUv0C&pg=PA19 
  8. ^ a b 歯ブラシの歴史”. 全日本ブラシ工業協同組合. 2018年4月4日閲覧。
  9. ^ 下川耿史 『環境史年表 明治・大正編(1868-1926)』p322 河出書房新社 2003年11月30日刊 全国書誌番号:20522067
  10. ^ Referenc
  11. ^ a b Manual Toothbrush Market Size, Share & Trends Analysis Report
  12. ^ a b 歯ブラシ製造業”. 大阪府. 2014年1月22日閲覧。
  13. ^ 家庭用品品質表示法施行令
  14. ^ 歯ブラシ”. 家庭用品品質表示法 製品別品質表示の手引き. 消費者庁. 2014年1月22日閲覧。
  15. ^ JIS S 3016日本産業標準調査会経済産業省
  16. ^ 加藤崇雄、小村国大、沼健博、宮恒男、菊池元宏、那須大介、金子貴広、堀江憲夫、工藤逸郎、下山哲夫「小児の口腔軟組織への刺入による外傷の臨床的観察」『小児口腔外科』第19巻第2号、日本小児口腔外科学会、2009年、116-121頁、doi:10.11265/poms.19.116ISSN 1884-6661NAID 130003381602 
  17. ^ a b 大久保雅基、横林敏夫、清水武、五島秀樹、鈴木理絵「歯ブラシによる幼児の口腔軟組織損傷例の臨床統計的観察」『日本口腔外科学会雑誌』第51巻第12号、日本口腔外科学会、2005年12月20日、630-633頁、doi:10.5794/jjoms.51.630ISSN 0021-5163NAID 10018954177 
  18. ^ 岩田雅裕、西嶋克巳、高木慎、池田洋一、神原滋「歯ブラシの頬粘膜刺入により波及した側頭窩膿瘍の1例」『小児口腔外科』第3巻第1号、日本小児口腔外科学会、1993年、41-44頁、doi:10.11265/poms1991.3.41ISSN 1884-6661NAID 10012158198 
  19. ^ 今井智章、道澤雅裕、清水英孝、竹内憲民、濱田正和、藤田祐生「歯ブラシが側咽頭隙へ達した幼児の口腔内穿通性損傷の1例」『日本口腔外科学会雑誌』第55巻第5号、日本口腔外科学会、2009年5月20日、231-235頁、doi:10.5794/jjoms.55.231ISSN 0021-5163NAID 10027090348 

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