新社長のもと企業体質の改善に取り組むが累積赤字は拡大し労組と対立する
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 01:08 UTC 版)
「スタンダード靴」の記事における「新社長のもと企業体質の改善に取り組むが累積赤字は拡大し労組と対立する」の解説
1982年 辰巳社長が中期経営計画を発表する。商品企画課専門事務所を浅草7丁目にある白井ビルに移す。「ダックス」サブライセンス契約。アメリカトラッドの流れを取り入れるために新ブランドを開発。社内公募により昭和30年代に人気を博した「フーバー」を冠したブランド「フーバー2」を発表。足の甲が高いハイトタイプを追加した「ハイトエクセル」を発表。 1983年 春夏商品より複数のサブブランドを持っていた「エクセル」(ロイヤル・アーバン・ドレッシィ・ワイド・モカシン・ノンスリップ・ミロード)を「エクセル」ブランドに統一。三月の展示会において帝人と帝三製薬が開発した持続性防菌機能を持っているタイジーガードを持った中底を使用した「ダックス」「エクセル」を発表。カルフォルニア式製法を採用した「ウォルターウルフ」など業績回復のために新商品を多数投入した。しかし商品構成は同業他社へ優位性を持ったとはいえず、中期計画の修正程度ではすまないほど経常損失を計上し業績回復には厳しい道のりであった。これに伴い生産部門も、接着・製甲・金型作成・底材加工を分離して子会社化、本社工場は高級品に特化する合理化を進めた。新会社への転属希望者や新体制での人員計画もたてられ社内の減量化を急いだ。本社工場東側の遊休地、約1050坪を売却する準備を始めた。12月29日に婦人部を設立。淀川工場が大阪市のリバーサイド計画(淀川再開発計画)による移転が決定する。 1984年 アメリカンローファーのオリジンである「(G.H.)バス」を輸入開始。社内労組(スタンダード靴職員組合・スタンダード靴大阪労働組合・スタンダード靴労働l組合)に提案した経営改善案はこの年に人員削減案の修正で労使交渉は決着をみた。労組との交渉と並行して生産部門の一部分離は着々と進められ、5月8日に資本金1千万円で「日本エクセル株式会社」が大阪の淀川工場移転先の大阪市南津守5丁目に設立された。また本社工場のセメント製法部門を切り離し移管する「株式会社エトワールジャパン」も設立された。この会社は太平洋戦争末期に本社工場の疎開先であった埼玉県幸手町に分工場をおいた際に従業員用に社宅用地として借地していた埼玉県北葛飾郡杉戸町大字下野に社屋は建設され9月28日から従業員35名と共に稼働を始めた。紳士靴、婦人靴の底材材料を加工販売することを目的とした「日本パーツ株式会社」も越谷市大字袋山に設立された。この様な生産部門の切り離しにより企業体質は大きく改善されていった。新会社の分割とともに本社工場の再編も進んだ。甲才・製甲部門は重要部分を残して縮小し、これに伴い生じた余剰人員は材料調達部門や底付部門に配置換えした。これにより靴資材納入業者により結成されていた「スタンダード会」は発展的解散を議決し27年の歴史に幕を閉じた。新潟出張所が新潟支店に昇格。 1985年 大阪支店社屋(大阪市東区安土町)から心斎橋筋の野村ビル(大阪市中央区博労町3丁目)へ移転することを発表。スタンダードショップ第1号店を大阪支店に併設。「アサヒ商事」は業績が振るわず多大なる赤字を計上する状態であったので営業縮小を行なっていたが社員6名が退職を申し出たため残り2名を嘱託社員とし関西地区販売代理店として事業を縮小継続した。この年収益増加策が功を奏し婦人靴の売上高も目標の4億にはわずかに届かなかったが3億9000万円まで倍増。利益率は前年比4.2%増の21.2%に向上した。「アクタイム」「レディエクセル」を販売開始。12月に日米皮革交渉がIQ制からTQ制に移行する事が合意。 1986年 4月1日より輸入数量制限制(IQ制)が撤廃され関税割当制度(TQ制)へと移行した。完全自由化に対応しうる企業体質を築きため、東京大手町ビル地下街の元三好商事跡を利用して直営店「スタンダードショップミヨシ店」を開店(首都圏第一号店)。更に直営店と同時に本社工場内にリペア係を置き靴修理事業の展開も計画した。東京駅前八重洲地下街にリペアショップ「シュークリニックアイビー」をオープンさせた。活き活きとしたという意味の「ヴィバーチェ」が登場。「マリオジョルノ」「オブジェ」を販売開始。
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