幕府の直裁、収束とは? わかりやすく解説

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幕府の直裁、収束

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 15:35 UTC 版)

越前騒動」の記事における「幕府の直裁、収束」の解説

福井藩では騒動の経緯幕府報告以前に両派からの訴え出も受けていた幕府は、この騒動介入することとなった幕府調査始め11月18日には本多竹島らが江戸出頭する命を受けた。また今村清水家康訴えよう独自に駿河向かった家康鷹狩りのため、駿府から出て忍城逗留しており、3人はそれを追い訴状提出した。この時には既に本多竹島両名忍城出頭していた。家康は、たまたま秀忠使いとして忍城来ていた土井利勝命じ、両派に対す聞き取りを行わせた。土井今村の宿を訪問し、そこに本多竹島呼び出し両者左右に並べて双方言い分詳細に聞き出し夜半でかかってこれを記録し家康報告した報告書をざっと読んだ家康は、この騒動江戸にて裁定するとした。富正は江戸移動した際、藩主忠直生母清涼院。兄は中川一茂)と面会し協議している。 11月27日家康江戸城西の丸関係者集め将軍秀忠と共に騒動対す裁定行った幕府老中本多正信尋問対し本多富正は 「岡部自休が訴え内容正しいことは理解していたが、久世但馬武名の高い大切な家臣であり、農民訴え程度処罰することができず、岡部訴え下げた。」 また、竹島は 「久世とは縁戚もなく親しくもないが、先君結城秀康)が『私は国を得て喜んだことが二つある。もうひとつ北陸要地越前)に拠ることになったこと。もうひとつ武勇高名な士である久世但馬家臣としたことである』と言って厚遇していたため、自分久世尊敬していた。そのため善悪考えず久世与し岡部訴え拒んでしまった。これは自分が秀康を慕うあまりの行動であり、ゆえに有罪となって文句はありません。」 と弁明した裁定の間、髭を蓄えた大男であり弁舌にも優れた今村整然とした答弁行い、一旦は今村方が優位に立った。富正が不利と見た本多正信本多富正促し持参した書面提出させた。同書面には 交通量の多い、すなわち街道整備などに出費の多い富正の越前府中今村丸岡では必要な経費が違うのに、若い藩主騙して同額経費手当て貰っていること。 久世但馬成敗した際、多賀谷泰経に後ろから鉄砲を撃たせたこと。かつ、今村父子天守からそれを見物していた。 先代秀康の頃、今村一族が罪を得て藩を追放されたのに、忠直の代になって自身権力帰参させていること。 富正が筆頭家老定められているにもかかわらず今村はそれを無視して越権するような言動があること。また富正を讒言していること。 が書かれていた。これに対し今村は、若い忠直責任あるかのような言い訳したため、さらに家康心証悪くし、「不忠曲者なり、早々に追い立てよ。」と、強い怒り買った。 『徳川実紀』によると、翌28日判決言い渡され今村盛次は陸奥磐城平藩鳥居家預け清水孝正は陸奥仙台藩伊達家預け定正は出羽山形藩最上家預け岡部自休は能登配流慶長18年1613年)に中川一茂信濃配流落合美作紀伊配流広沢重信配流、谷伯耆谷衛好次男)は改易となったが、久世方の本多らには全く処分がなかった。竹島周防帰国道中東海道駿河国鞠子宿にて自害した騒動最中に牢に押し込められたことや、江戸へ罪人扱い移送されたことなどを恥じて、とされている。 また判決後、富正は家康呼び出され厳しく叱責されとともにその忠義賞賛され、「若い忠直今後とも補佐せよ」として改めて「国中仕置」を命じられた。 当時江戸幕府開かれてはいたが、大坂城には豊臣家がいまだ健在であり、北ノ庄藩は元は豊臣秀吉養子であった結城秀康を祖とする藩であり、家中には秀康が集めた武勇を誇る親豊臣的な家臣数多かった。親藩中でも最大規模であり、系図上は将軍家の兄に相当する家でもあった。幕府としてはこの騒動が、豊臣家利するような乱に発展してならないという政治的配慮もあって、一方的な裁定になったものとも考えられる

※この「幕府の直裁、収束」の解説は、「越前騒動」の解説の一部です。
「幕府の直裁、収束」を含む「越前騒動」の記事については、「越前騒動」の概要を参照ください。

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