巨勢山古墳群とは? わかりやすく解説

巨勢山古墳群

名称: 巨勢山古墳群
ふりがな こせやまこふんぐん
種別 史跡
種別2:
都道府県 奈良県
市区町村 御所市大字室・大字城山台大字西寺田大字條・大字多田大字朝町
管理団体
指定年月日 2002.12.19(平成14.12.19)
指定基準 史1
特別指定年月日
追加指定年月日
解説文: 巨勢山古墳群は、奈良盆地南部巨勢山丘陵中心とした東西3.3km南北3. 5km範囲分布する5世紀中葉から6世紀後葉頃に築造された約700基を数 え我が国最大規模群集墳である。山塊から派生する尾根上に、10程度からな る支群が多数展開している。大半直径約10mから20m程度小規模な円墳であ るが、全長40m前後前方後円墳3基や、直径30m程度円墳一辺10mから 20mほどの方墳確認している。
 土取り等の開発の進行伴って古墳群破壊進んだため、昭和49年以降奈 良県立橿原考古学研究所御所市教育委員会が、丘陵西部南部の支群を中心にし て約90基の古墳調査行ったまた、昭和58年には詳細な分布調査実施して いる。古墳群の約2割は開発のため消滅し指定予定地内には約300基が所在する
 本古墳群大規模な群集墳であり、支群ごとに埋葬施設副葬品特徴がある。丘 陵高部所在する支群の前方後円墳6世紀中葉築造で、主体部木棺直葬であ る。葺石埴輪等の施設認められず、副葬品概して少ない。また、北西部の室地 区では、従来2基の円墳とされてきたものが前方後円墳であることが判明し、これは 5世紀後葉築造である。主体部木棺直葬と見られる隣接する円墳横穴式石室 を持ち6世紀後葉築造である。なお、既に破壊されてしまったが、丘陵北西部の 境谷支群では、5世紀中葉から6世紀前半までの木棺直葬埋葬施設とともに6世 紀初頭から前半築造した横穴式石室確認しており、これは奈良盆地でも初期の例 である。
 副葬品には武器馬具装飾品土器などがあるが、金銅歩搖付飾金具鉄製鍛 冶具、ミニチュアセット特筆され紀ノ川流域朝鮮半島との関係もうかがわれ る
 巨勢山古墳群は、約700基を数え大規模な群集墳である。古墳群はいくつもの 支群によって構成されそれぞれ特徴的な埋葬施設副葬品を持つ。前方後円墳は、 5世紀にこの地域勢力張った葛城氏末裔が営んだものとも考えられるが、その 他の古墳は、埋葬施設副葬品多様さが示すように、多様な集団築造したことが 推定できるその背景には、強力な勢力存在想定できようこの様に、本古墳群 は当時政治動向を示すとともに奈良盆地南部古墳時代中期から後期における集 団動向を探る上で重要である。よって、史跡指定し保護図ろうとするものであ る
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巨勢山古墳群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/21 09:06 UTC 版)

巨勢山古墳群(こせやまこふんぐん)は、奈良県御所市にある古墳群群集墳)。国の史跡に指定されている。


  1. ^ a b 御所市総合政策部まちづくり推進課 (2017年3月31日). “巨勢山古墳群”. 御所市. 2020年5月18日閲覧。
  2. ^ 文化遺産オンライン. “巨勢山古墳群”. 文化庁. 2020年5月18日閲覧。
  3. ^ 日本経済新聞 (2010年6月7日). “ゴルフ場工事で古墳破壊 奈良・御所の国史跡”. 日本経済新聞社. 2020年5月18日閲覧。
  4. ^ 御所市教育委員会事務局文化財課 (2017年2月14日). “国史跡巨勢山古墳群 毀損箇所の復旧方法”. 御所市. 2020年5月18日閲覧。


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