天然ウルトラマリンとは? わかりやすく解説

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天然ウルトラマリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/24 01:44 UTC 版)

ラピスラズリ」の記事における「天然ウルトラマリン」の解説

詳細は「ウルトラマリン」を参照 ラピスラズリ原料とした青色顔料に天然ウルトラマリンがある。天然ウルトラマリンはラピスラズリ精製して製造するウルトラマリンとは「海(ラピスラズリ場合地中海)を越えて」きたものという意味。なおウルトラマリンの内、青色のものをウルトラマリンブルーと呼ぶ。19世紀にはウルトラマリン人工顔料として合成されるうになるまた、フェルメールが天然ウルトラマリンを多用し傑作残した事から「フェルメール・ブルー」として特に称される。 .mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}} 『牛乳を注ぐ女ウルトラマリン使用されているエプロン部分拡大画像

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天然ウルトラマリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 23:39 UTC 版)

ウルトラマリン」の記事における「天然ウルトラマリン」の解説

ラピスラズリ最初に顔料として利用されたのは6–7世紀におけるアフガニスタン寺院洞窟画であり、これは鉱物顔料始まりとして有名である。また、1011世紀中国の絵画111217世紀インド壁画1100年頃のアングロサクソンノルマン人による装飾写本などにも確認されている。天然ウルトラマリン素手すり砕くのが最も難しい顔料で、最高級の物を除き粉砕洗浄によって得られるのは薄く灰色がかった青色粉末のみであったが、13世紀初頭改良法が開発された。15世紀芸術家チェンニーノ・チェンニーニ(英語版)によって記述され方法次のようなものである粉砕した原料を溶かした樹脂、油と混ぜ合わせ、できた塊を布に包み、うすい灰汁の中でこねる青色粒子容器の底に沈み不純物無色結晶は塊の中に残る。この工程3回以上繰り返す。あとから滲出してくるものほど等級は劣る。高彩度の紫青色発色成分少なくなりウルトラマリンアッシュ(ウルトラマリン灰)と呼ばれる最終的な抽出物少量の青い粒子含んだ透明なものである。出来上がったウルトラマリン灰は透明度の高い薄い青色を持つことから光滑剤として珍重される。 この顔料が最も広く使われたのは14世紀から15世紀にかけてで、朱色金色補色として映えるため、装飾写本イタリア陶板画用いられた。16世紀初頭からazurrum ultramarinumとしてヨーロッパ輸入され始めたラピスラズリからは2%–3%程度顔料しか取れなかったため、金で増量し用いられることもあった。輝度が高いことと、太陽光や油、消石灰さらして劣化しにくいことが貴重さ要因である。しかしながら鉱酸や酸蒸気には特に弱い。希塩酸希硝酸希硫酸によって青色はすぐに失われ、その過程硫化水素発生する鉱酸よりもゆっくりではあるが、酢酸にも侵される。この酸に対す敏感さのため、ウルトラマリンフレスコ用いられるのは、顔料保持剤と混合して乾いた漆喰の上に塗るフレスコ・セッコ法に限られる。例としてジョット・ディ・ボンドーネによるパドヴァスクロヴェーニ礼拝堂アレーナ礼拝堂)のフレスコ挙げられるヨーロッパ芸術家たちはこの貴重な顔料をめったに使用できず、聖マリアキリストローブを塗るための取って置きの品であったまた、しばしば下塗り安価な青色顔料アズライトを使うことによって費用節約することもあった。ヨーロッパにはイタリア・ヴェネツィアを通して輸入されドイツなどイタリアより北の国作品にはほとんど見られない。天然ウルトラマリンを使った画家のうち、フェルメール使用は有名で、フェルメールの青の呼称フェルメール・ブルーという呼称がある。16世紀後半から17世紀におけるアズライトの不足によって、もともと高価であったウルトラマリン価格はさらに高騰した英国一部絵具メーカーカタログには1980年頃まで、天然ウルトラマリンによるチューブ入り油絵具固形水彩絵具粉末顔料特注品としてラインナップされていたが、粉末顔料は1グラムが約7000程度であり、金より高価であった。この天然顔料最近では殆ど作られておらず、現在のウルトラマリン顔料大半次に述べ合成顔料である。 緑色紫色(ウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンレッド)、赤色(ウルトラマリンピンク)のものもある。

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