地震動・地震波と揺れとは? わかりやすく解説

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地震動・地震波と揺れ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 09:16 UTC 版)

地震」の記事における「地震動・地震波と揺れ」の解説

地表では、P波による揺れ始まってからS波到達するまでは、初期微動呼ばれる比較小さ揺れ見舞われるその後S波到達した後は主要動呼ばれる比較大き揺れとなる。震源から数十 km以上と離れている場合にはこのような揺れ変化感じられるが、震源が近い場合P波S波がほぼ同時に到達するため分からない。また震源から近い場所では、P波到達する前後レイリー波到達し同じく揺れ引き起こすS波液体中を伝播しないため、海上の船などでは、P波のみによって発生する海震呼ばれる揺れ見舞われる被害引き起こすような揺れのもとは主にS波だが、レイリー波ラブ波P波振幅周期によっては被害引き起こすような揺れとなる。 また、揺れの大きさ震源からの距離に比例する思われがちであるが、厳密には「震源域からの距離」に比例する[要出典]。一方で地盤特性により思わぬところで揺れ大きくなる場合がある。例えば、阪神・淡路大震災引き起こした兵庫県南部地震では、震度7被害地域が「震災の帯」と呼ばれる帯状生じた。これは震源域である断層直上であることが原因1つだったほか、地盤柔らかい大阪平野阪神間帯状伸びていたこと、六甲山地大阪平野境界部地震波干渉増幅発生したことが原因とされていて、「震災の帯」は震源から約30 km離れた地域まで延びている。 地震波 / 地震動周期は、被害を受ける構造物一定の関係性がある。構造物にはそれぞれ固有振動周期地震波共振しやすい、周波数が違うと曲げ・ねじれ・伸縮などの変形の「型」も変わるといった、地震動受けた際の振動特性があり、地震工学建築工学においては重要視される構造計算においてはさまざまな固有振動周期減衰定数をもつ構造物応答スペクトル解析して地震動対す構造物特性をみる。 例えば、日本家屋のような木造住宅周期1秒前後短周期地震動固有振動周期にあたるため、周期1秒前後地震動によって共振発生し非常に強く建物揺さぶられ壊れやすく被害拡大しやすい。この周期地震波キラーパルス呼ばれており、兵庫県南部地震波形がそうであった一方高層建築物周期5秒以上の長周期地震動固有振動であり、地震波堆積盆地を伝わる過程増幅しやすい長周期地震動によって、平野部高層建築物高層階では大きな被害発生する一般的に規模の大きな地震ほど周期長い地震動大きさ振幅)も増す傾向にあり、周期長いほど低減衰のため遠くまで到達して被害をもたらす。このほかに、M9を超えるような巨大地震の際に観測される超長周期地震動または地球自由振動呼ばれる周期数百秒以上の地震動がある。この超長周期地震動中には地球固有振動周期に当たる地震動もあり、地球全体が非常に長い周期揺れることもある。 なお、地震波 / 地震動周期地震の規模震源距離に関係が深い。大地震称されるM7程度までは短周期卓越しそれ以上になると規模大きいほど長周期卓越する傾向にあり、海溝型の巨大地震では長周期地震動大きくなる考えられている。また、周期長いほど減衰しにくいため、震源から遠いほどゆっくりとした揺れ感じやすい傾向にある。規模の大きな地震では、短周期振幅規模比例しないため、長周期波形から(モーメントマグニチュード算出する地下構造、特に地面に近い表層地盤構造表層地盤増幅率)や地下プレート構造によって、地震動全般に対す揺れやすさ、揺れやすい周期、あるいは地震波伝わり方が異なる。そのため地震の際、震度震央からの距離に完全に相関してきれいに同心円状分布することはほぼない。稀に震央異な地域揺れが最も大きくなることがあり、異常震域呼ばれる一般的に地表含水率間隙率が高い泥質地盤が最も揺れやすく、礫が多くなり岩盤近くなるほど揺れにくくなるまた、完新世1万年以降)に堆積した沖積層など新しい層に厚く覆われていると揺れやすく、洪積層更新世258万年 - 1万年前)やそれ以前新第三紀それ以前)の層に覆われていると揺れにくい傾向にあるが、一概に言えず、厳密に地盤調査によるN値基盤岩深度などから推定する。また表層砂質地盤地下水位が高い場合揺れ伴って液状化現象側方流動が起こる。 また、多く地震計周期0.2 - 0.3秒前後地震動感知しやすいため、周期0.2 - 0.3秒で大きく周期1秒で小さ地震では震度比べて被害軽かったり、逆に周期0.2 - 0.3秒で小さく周期1秒で大き地震では震度比べて被害甚大だったりといったことが起こる。ただし、これには地震計設置場所地下構造問題もあるとされる

※この「地震動・地震波と揺れ」の解説は、「地震」の解説の一部です。
「地震動・地震波と揺れ」を含む「地震」の記事については、「地震」の概要を参照ください。

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