固体状
固体状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 20:51 UTC 版)
粉剤:原体を鉱物性粉末と混合したもので、粉のまま使用する。一般に遅効性であり、また撒布箇所が汚れやすい。家庭用ではパウダーとも呼ばれる。飛散の少ない製剤(ドライフロアブル(DF)剤)、施設栽培で施設内に粉散させるもの(フローダスト(FD)剤)もある。 顆粒剤:原体を鉱物性粉末と混合し造粒したもの、または顆粒状の芯材に有効成分を吸着・含浸させたもので顆粒のまま使用されるもの。微粉の飛散が少ない。水溶性フィルムで包装された水田投げ込み用製剤(パック剤・ジャンボ剤)、水稲育苗箱に施用する箱粒剤、より粒径の大きい豆つぶ剤もある。また、粉剤と顆粒剤の中間に位置するものとして微粒剤、微粒剤F、細粒剤及び細粒剤Fもある。(農薬登録上はいずれも粒剤、但し一部のパック剤・ジャンボ剤は剤、また微粒剤、微粒剤F、細粒剤及び細粒剤Fは粉粒剤) 粉粒剤:俗にいうごましお剤であり、顆粒剤と粉剤の混合剤である。この場合一般に、即効性の原体を粉剤、遅効性の原体を顆粒剤とし、顆粒剤に粉剤を塗すように製剤される。主に土壌兼茎葉処理剤として用いられ、この剤を作物の葉の上から撒布すると、一般に粉が作物体に付着、粒は重力により土壌に落下し、それぞれ作物の葉、根から吸収されて効果を発揮する。(又は作物体上の害虫、土壌表面や土壌中の潜伏害虫にそれぞれ作用する。)また、防疫用では防虫粒(忌避剤)に殺虫粉をコーティングしたユニークな製剤もあり、これは今いる害虫を駆除した後、暫くの間その害虫を寄せ付けないというものである。粉剤と顆粒剤の中間に位置するものという意味でも用いられ、農薬登録上の本剤型も左記の意味である。 水和剤:原体を4~5マイクロメートルに微粉砕し、界面活性剤と増量剤などの補助剤と混合したもの。水に希釈・懸濁して使用する。水溶性フィルムで包装された製剤(WSB剤)もある。 顆粒水和剤:水和剤を粒状にしたもの。微粉の飛散が無いため安全性が高い。ドライフロアブル剤、WDG剤ともいう。農薬登録上は水和剤に分類される。 食毒剤(ベイト剤):食料に原体を混合して生物に食べさせるもの 。毒餌。液状、ジェル状、ペースト状のもの、現場で食料と混合して毒餌や毒団子とするもの、容器入りのものもある。広義には、接触毒剤に誘引剤を混合し、生物に触れさせるものも含まれる。本剤型は農薬登録上のものではなく、専ら商品名にのみ用いられる。 水溶剤:水溶性の原体を水溶性の増量剤と混合した粉末。水和剤に比べ撒布箇所が汚れにくい。 顆粒水溶剤:水溶剤を粒状にしたもの。微粉の飛散が少なく安全性が高い。農薬登録上は水溶剤に分類される。 粉末:粉状のもので、他の何れの剤型にも当てはまらないもの。 錠剤:原体を分散剤・発泡剤などの補助剤と混合し打錠したもの。農薬より防疫用に多い。主に水に溶かして使用されるが、水田や浄化槽、排水口、排水溝、側溝、池、水たまりには、そのまま投入される。農薬登録上は、そのまま使用されるものは粒剤又は剤、水に溶かして使用されるものは水和剤又は水溶剤、両方に使用されるものは剤。 複合肥料:原体を肥料と混合したもの。施肥と害虫防除が同時にできる。液状のものもある。 剤:他の何れの剤型にも当てはまらないもの。犬や猫の首に装着され、蚤の駆除に用いられる首輪型殺虫剤(ノミ取り首輪、ノミよけ首輪)や、牛の耳に耳標同様に装着されて寄生虫を駆除する耳標型殺虫剤(いずれも動物用医薬品又は動物用医薬部外品)など。
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