吾妻山
あずま‐やま〔あづま‐〕【吾妻山】
吾妻山(山形県・福島県)
1949m 北緯37度44分07秒 東経140度14分40秒 (一切経山)(三角点) ※座標は世界測地系による
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概要
吾妻火山は、山形・福島県境にある多数の成層火山や単成火山などからなる火山群である。噴出物は玄武岩~安山岩(SiO2 52~65%)で、分布する範囲は25km×15kmである。西吾妻火山、中吾妻火山、東吾妻火山に分けられ、噴出中心は東南東~西北西に走る南北に2列に大別される(長谷中など:1992)。年代測定値と地形の新鮮さの程度から吾妻火山の活動は、全体として南列より北列が新しく、それぞれの列では西より東が新しい。南列の火山は侵食が進んでいる。北列の多くの火山が山頂火口をもち、東部の一切経山(いっさいきょうざん)付近には、五色沼、大穴、桶沼、吾妻小富士など、多くの新しい火砕丘や火口が形成されている。有史後の噴火は、一切経山(成層火山)の爆発で、現在その南~東斜面には硫気地域が広く分布する。
東吾妻火山は、東吾妻山、一切経山、吾妻小富士などの火山錘から構成されている。一切経山の活動は30万年前から開始された。その後に浄土平付近を火口底とする山体崩壊で、東方に開口する径約2kmの馬蹄形爆裂カルデラ形成が、約10万~約28万年前の間に起こった(鴨志田:1991)。さらにその後の噴出活動でカルデラ内に吾妻小富士や桶沼などが生じている。
最近1万年間の活動
約5000~6000年前に吾妻小富士や桶沼の火砕丘が形成され、吾妻小富士付近から東麓に溶岩が流出した。その後の活動は水蒸気爆発ないしマグマ性爆発が主体で、少なくとも4回以上の堆積物を残す活動が発生している(藤縄・鴨志田:1999)。
記録に残る火山活動
過去の火山活動履歴
※「概要」及び「最近1万年の活動」については日本活火山総覧(第3版)(気象庁編、2005)、「記録に残る火山活動」については前述の活火山総覧及び最近の観測成果による。
火山観測
気象庁では、地震計4台(うち常設1台)、空振計1台、GPS観測装置6点(うち簡易設置型3台)、遠望カメラ1台を設置し、そのデータを仙台火山センターへ常時伝送し、火山活動の監視・観測を行っています。
また、年に2回の現地観測を実施して、赤外熱映像装置による地熱地帯の状況、噴気地帯の状況等の把握を行っています。さらに平成14年秋から現地観測に併せて、現地収録型GPS観測装置を使用してのより細かな地殻変動観測も行っています。
観測点配置図
火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。
最新号(2009年6月の火山活動解説資料(pdf:1,199kb)) (なお、2009年7月の活動解説資料は、2009年8月7日に発表予定です。)
吾妻山
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/06 02:32 UTC 版)
吾妻山(あづまやま)もしくは吾妻連峰(あづまれんぽう)は、福島県と一部は山形県の県境に沿って東西に伸びる火山群・山塊の総称である。最高峰は西吾妻山(2,035 m〈メートル〉)。日本百名山やうつくしま百名山にもあげられている。
注釈
出典
- ^ 吾妻山 - 気象庁
- ^ “火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山”. 気象庁. 2016年2月25日閲覧。
- ^ a b c 山元孝広:島県,吾妻火山の最近7千年間の噴火史:吾妻-浄土平火山噴出物の層序とマグマ供給系 地質学雑誌 Vol.111 (2005) No.2 P94-110
- ^ 吾妻山 有史以降の火山活動 気象庁
- ^ 三浦宗次郎:吾妻山破裂調査概況 地学雑誌 Vol.5 (1893) No.6 P267-272_1
- ^ 火山名 吾妻山 噴火警報(火口周辺)仙台管区気象台、平成26年12月12日
- ^ 火山名 吾妻山 火山の状況に関する解説情報 第5号 平成27年1月14日11時30分 仙台管区気象台
- ^ 吾妻山の火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)を解除気象庁、平成28年10月18日
- ^ “気象庁 | 噴火警報・予報 | 吾妻山”. www.jma.go.jp. 気象庁. 2019年5月9日閲覧。
固有名詞の分類
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