各国の差込接続器の規格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 00:32 UTC 版)
「配線用差込接続器」の記事における「各国の差込接続器の規格」の解説
「w:Mains power around the world」も参照 多くの国で、電源プラグとコンセントの形状は工業規格により定められている。アメリカ合衆国電機工業会 (en:NEMA) はこれらの形状を分類し、タイプAからタイプLまでの記号を割り振っている。この記事では、このアメリカ合衆国の分類に従って解説する。 大きく分けると電源プラグとコンセントの形状は4タイプに分かれる。 アメリカ型 110V - 125V 15A 60Hz(日本型 100V 15A 50Hz - 60Hz) ヨーロッパ型(フランス・ドイツ型)220V 16A 50Hz イギリス型 240V 13A 50Hz オセアニア型 220V 15A 50Hz 世界の主流は3つある。一つは北アメリカ標準の130ボルト・60ヘルツのものであり、タイプA(日本の100ボルト2極タイプと同型)と呼ばれている。2つ目がヨーロッパ標準の220 - 240ボルト・50ヘルツのものであり、タイプCと呼ばれている。イギリスと旧イギリス領は独自のものを使用している。これらが混在している地域もある。日本の200ボルトコンセントはいずれとも互換性はない。 また、この3種とも、現在は接地極(アース、ground)が付いた3極タイプが主流である。タイプAに接地極が付いたものはタイプBと呼ばれる(日本の100ボルト3極タイプと同型)。タイプCに接地極が付いたものにはさまざまな形があり、タイプE・F・H・J・K・Lがある。この他、イギリスと旧イギリス領で使われているタイプD・G・I・Mがある。 また、通電極に極性が付いているものも多く、それぞれ中性極(接地側極、neutral)と電圧側極(非接地側極、hot)と呼ばれている。日本語では接地極と接地側極の呼び名が紛らわしいため注意が必要である。 国際電気標準会議 (IEC) では、電源プラグの接地仕様および絶縁性を基準に感電保護クラスを設定しており、例えばクラスIは接地極を有するもの、クラスIIは接地極を有しないが2重絶縁などの工夫がされたもの、とされている。 それぞれのタイプで主流の電圧と周波数、接地極・極性・ヒューズの有無を次に示す。 タイププラグの規格電圧 (V)許容電流 (A)接地極極性ヒューズA NEMA 1-15 極性なし 125 15 なし なし なし NEMA 1-15 極性付 125 15 なし あり なし JIS C 8303 クラスII 100 15 なし なし なし B NEMA 5-15 125 15 あり あり なし NEMA 5-20 125 20 あり あり なし JIS C 8303 クラスI 100 15 あり あり なし C CEE 7/16 (Europlug) 250 2.5 なし なし なし CEE 7/17 250 16 なし なし なし ソビエトプラグ 250 6 なし なし なし D BS 546(2ピン) 250 25 = BS 4573 なし なし なし BS 546(3ピン) 250 2515 = SABS 16430 あり あり なし E CEE 7/5 250 16 あり あり なし F CEE 7/4 (Schuko) 250 16 あり なし なし E+F CEE 7/7 250 16 あり あり なし G BS 1363, IS 401 & 411, MS 589, SS 145 230-240 13 あり あり あり H SI 32 250 16 あり あり なし I AS/NZS 3112 240 10202532 混在 あり なし CPCS-CCC 250 10 あり あり なし IRAM 2073 250 10 あり あり なし J SN 441011 250 1016 あり あり なし K Section 107-2-D1 250 13 あり あり なし Thailand TIS 166 - 2549 250 13 あり あり なし L CEI 23-16/VII 250 1016 あり なし なし – IEC 60906-1(2ピン) 250 1020 なし なし なし IEC 60906-1(3ピン) 250 1020 あり あり なし ^ CEE 7/17の中にはフランスのタイプEコンセントを使った場合に極性を持つ特殊タイプがある。 ^ このプラグをフランスで主流のコンセントE型に差し込むことは可能だが、あくまで形状だけであり、極性の機能は働かない。 家庭用、産業用、商業用を問わず、特別な目的のため、特殊な形状をしたプラグもある。形状は全く同じでラベルや色で違いが分かるようにされているものもある。これには次のようなものがある。 コンピュータシステムなど、接地ケーブルを他と分けて万一の逆流を予防しているもの 緊急用電源 緊急用または生命維持用の無停電電源 医療器具用の独立電源 オーディオやビデオ製作用の安定電源、特殊電源 演劇照明用電源 電気衣服乾燥機、電気オーブン、エアコンディショナーなどの高電流用途 部外者や一般客の出入りや往来のある箇所に設置される業務用電源 施設によっては、電気的雑音を防止するため、形状上の差を設けて混用を防ぐ場合もある。 また、それぞれのタイプで、子供の悪戯防止用シャッターが設けられているものもある。これは、コンセントの電圧がかかる穴に、プラグを差し込む前には蓋がされた状態になっているもので、プラグの接地極(大抵は電圧極よりも長く作られている)を差し込むことで開くように作られたものが多い。
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