古代エジプトと周辺の国々における宗教関係とは? わかりやすく解説

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古代エジプトと周辺の国々における宗教関係

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/06 09:11 UTC 版)

古代エジプトの宗教」の記事における「古代エジプトと周辺の国々における宗教関係」の解説

初期古代エジプト時代三つの地域交流持っていた。その一つリビアである。リビアには、砂漠の神と呼ばれるアシュがおり、この神は初期時代エジプトセト同一視され言及されている。 二つ目地域ヌビアであり、ヌビア土着の神々とは別に古代エジプト神々信仰されていた。また幾人かのエジプトファラオ神格化され信仰された。 神格化された王たちは、センウセレト3世アメンホテプ3世ラメセス2世などが含まれており、ラメセス2世は、ラー・ホルアクティ神に捧げた神殿アブ・シンベル建てている。 また、ヌビア地方であったデドゥンはエジプト持ち込まれホルス結びつきエジプト人がヌビア築いた要塞守護神として崇拝された。 しかしヌビアから出たピアンキエジプト支配し第25王朝を開くと、ヌビア宗教思想信仰エジプト導入した三つ目地域は北に隣接するパレスティナフェニキアシリアなどの国々である。この国々先の二つ地域異なり植民地化されなかった。 これらの国々との接触は、中王国時代までに増大していき、新王国時代になると、エジプトは、これらの地域に対して大きな影響力を持つようになったしかしながらエジプト行政組織によってその地域支配しようとする試みはなく、土地の王たちが実際的な支配力維持し続けたまた、これらの地域では、エジプト接触した頃には既に人々固有の社会的政治的そして文化的組織持っており、加えて他の主要な文明思想概念など交差する場所でもあったため、エジプト影響力限られたものであった古代エジプト人は、彼らの国家神アメン・ラーの信仰をこの地域にも広め人類創造主としてのその役割強調したが、他国主要な神々もまた同じ地域支配する大きな力と考えられていた。実際ファラオシリア幾つかの神殿造営したが、こうした神殿多く土地の神に対して捧げられたものである。 何故なら、古代エジプト人は、征服した土地の神々を自らの体系組み込むことにより、さらに大きな力を神々から得ることができると考えていたからである。そのため戦いの神とされるシリア神々幾つかは、エジプト神々体系加えられエジプト人以外の人々にも崇拝されていたと思われるエジプト風衣服着けエジプト性格帯びようになった神々は、異国生まれであることを巧みに隠し急速にエジプト社会中に溶け込んでいった。メンフィスでは、バアルやアシュタルト、レシェフなどが崇拝されていた。そして、ホロンはアル・ギーザで、またアナトやアシュタルト、ホロン、そしてバアルとなったセトなどが、デルタ地帯のピ・ラメセスにおいて信仰された。バアーラートはファイユームにその信仰の中心地を持っており、またレシェフとカデシュとはデル・エル・メディーナで見ることができた。 しかしこうした異国神々が、どういう形で信仰されていたかは明らかになっていないステラでは、これらの神々エジプトの神として呼びかけられ、彼らを祭った土地の神殿の設計にも、典型的なエジプトのものとの相違見られないまた、神官地位表わす称号エジプト風のものであった。他に、病い癒す力なども崇拝された。病を癒す神の中でも代表的な例としては、アメンホテプ3世歯痛癒すことを願ってミタンニ王国トゥシュラッタ王がエジプト宮廷にその像を贈ったニネヴェイシュタールがある。 シリアパンテオン中にはエジプトの神は見当たらないものの、地方神の中にはエジプト神を見ることができる。 シリアのアンク・タウイの地の主で、アシュケロンの集大なる首長あった「プタハ彼の壁の南にあるもの」や「ハトホルビブロス女主人」に捧げられフェニキアビブロスにある神殿、そしてガザにあったアメン捧げられ神殿などがその例である。 しかしながらシリアパレスティナ地域神殿行なわれ宗教儀式には、エジプト影響はほとんど見られない第18王朝末期にかけて、王家の間に盛んに婚姻による同盟結ばれまた、支配者階級人々使節学者として交流する機会多く持っていた。このことから、エジプト新し神々思想といったものが導入されたと思われがちである。 しかし、シリアからの資料が僅かで不完全であり、宗教文化交流規模推測することは難しい。さらに、エジプト神学対し何らかの影響があったという証拠はほとんど見つかっていない。

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