全人教育と小原の教育理念とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 全人教育と小原の教育理念の意味・解説 

全人教育と小原の教育理念

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 11:58 UTC 版)

小原國芳」の記事における「全人教育と小原の教育理念」の解説

小原國芳澤柳政太郎は、明治大正昭和教育政策教育活動携わる過程で、様々な問題遭遇し本当教育とは何か?本当学校教育とは何か?を長年渡って模索し追究していた。明治からの日本基本的に欧米はじめとする西欧列強文明模倣中心であり、当時明治政府主導の下欧米列強追いつくことをスローガン欧米思想・哲学技術制度風習、そしてそれらを達成するための教育システム教育哲学教育制度)が輸入され欧米軽んじられない国を目指し近代日本枠組み整備されていった(そのため、日本ではオランダ慶應義塾大学等)やドイツフランス陸軍士官学校東京帝国大学等)、イギリス海軍兵学校早稲田大学等)などの西欧伝統的な教育思想倣った教育機関学校)が多く作られた)。この時、江戸時代までの日本的東洋的教育哲学思想教育システム廃され新しく欧米流の教育哲学思想に基づく、教育システム教育方法導入されていった。この明治西洋式教育システム導入によって、専門的な知識のみを施す教育学生生徒人格個性考慮せず一律テスト優劣のみによって人物評価する手法一般化し様々な問題生じた一般的に江戸時代までの日本の教育日本的東洋的精神持ったリーダー作ること(大和魂持った調和ある人格形成)が基本だったが、明治までの教育西欧進んだ専門的な知識技術持った専門家のみを作る教育中心であり、リーダー指導者)的な資質人格精神などの人間性教育個人任意に委ねられ、特に顧みられることは無かった。そのため、その後指導者層の人格的なトラブル起きたり派閥争いセクショナリズム形成されてしまったり昭和時代問題化している)。さらに、小原らは、明治昭和にかけて教育政策教育現場実情観察し、特にこのテスト制度出現により、西洋式教育システムによって輩出されている人材人心リーダー素質(「大和魂」に代表される古来日本でも見られバランス取れた調和ある人格)が劣化してしまったことを問題として挙げている。この教育のテストシステムによる弊害歴史西欧文明だけでなく、古くから中華文明でも見られた。そして小原らは強大な力を持っていた清国中国)が荒廃し欧米列強植民地になった理由一つとして科挙制度行き過ぎにより、人材人心劣化してしまったことを指摘している。特に長年行われてきた科挙呼ばれるテストシステムによって暗記力偏重に陥り過ぎ、記憶力だけが良い人材ばかりが登用されてしまい、物事判断したり、対処する時に必要になってくる創造性など問題解決のための能力低下し、国の中央硬直化してしまっていた上、テスト至上主義蔓延による競争原理によって「真」、「善」、「美」「聖」有する調和ある人格失われカンニングをしてでも良い点取ろうとしたり、人を蹴落とそうとする心が芽生えたりして人材その物の質が低下し保身不正などをする役人増え腐敗政治蔓延したため、荒廃した指摘している他、個性無視したこうした一律的な能力比較による教育は、怠惰やいじめ、不平不満などを生み、人の心(人心)が歪んでしまう危険性があり、社会にとって害悪であることも指摘している。ちなみに井戸川辰三陸軍中将なども中国朝鮮に関するレポート書いているが、小原似たような見解をしており、日本もそうなってならない警鐘鳴らしていた。さらに海軍関係者中心に行われた海軍反省会中でも当時海軍兵学校教育問題取り上げられており、学生時代テストの点が出世影響したため、テスト対策のための学習中心だったという。しかも、成績優秀者の多く自慢記憶力屈指し、テスト前夜一夜漬けをして良い点取って出世していたという事実やテストの点が優秀=優秀な人物に育つとは限らない事実勉強法がテスト対策の山はりのため、テストが終わるとほとんど忘れてしまい、身にならなかったことなどの体験談挙げられ本当にあの教育やり方良かったのかと疑問として語られている上、同じく海軍反省会によると、太平洋戦争での日本軍の兵教育問題語られており、戦前日本軍の兵教育教科書丸暗記基本とする教育中心であったため、日本軍の行動アメリカ軍簡単に予測されてしまったという。しかも日本軍指揮官には創造性個性がなく、いつも教科書通りの型に嵌った戦法繰り返すことが多くアメリカ軍のように一度失敗した戦法でも見直して対策を練ることはせず、日本軍何度も同じことを繰り返し犠牲増やしたとされる小原は、長年渡って教育活動携わってくる中での経験から、国家を導く人材育てるためには創造教育大切だ考え江戸時代までの教育見られたような個性尊重する教育機械的に全ての学生一律に教育するやり方ではなく学生一人一人のことを考えた教育)の価値見直し欧米新しく試みられるようになっていた新教育思想など欧米良い価値観取り入れ全人教育という教育理念創始した。この全人教育に、日本第一・世界第一教育をする拠点創ることで、日本文化、そして世界文化世界平和創成計ろう生涯通じて教育人生捧げた

※この「全人教育と小原の教育理念」の解説は、「小原國芳」の解説の一部です。
「全人教育と小原の教育理念」を含む「小原國芳」の記事については、「小原國芳」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「全人教育と小原の教育理念」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「全人教育と小原の教育理念」の関連用語

全人教育と小原の教育理念のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



全人教育と小原の教育理念のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの小原國芳 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS