リリーパスカル及びその関係者
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「ハレルヤオーバードライブ!」の記事における「リリーパスカル及びその関係者」の解説
九森 浅緋(くもり あさひ)- リリーパスカル/ボーカル&ギター 人気バンド「リリーパスカル」のボーカル&ギター。明狼学院OBであり、「メタりか」元部長。ハル達の2学年上の先輩にあたる。 端正な容姿と、「天使の羽」が舞うイメージ描写がなされ、「天使の声」と評される歌唱力によって観客を魅了する。ハルと鷹木が「メタりか」へ入部したきっかけも彼のライブパフォーマンスに魅せられたことによる。 ハルが作曲した『希望』が完成して間もなく、明狼学院を退学し、リリーパスカルを結成しデビューを果たすが、その際に『希望』を自身の曲として世間に発表したことからハルとの間に禍根が生じる。以降ハルと再会するまでに2年余の時間を要することとなるが、両者の思いは完全に食い違っており決別は決定的なものとなり、小雨たちを巻き込んだ対立へと発展していく。 彼の行動原理は「いい音楽をする」こと、が全てであり、そのためであれば周囲を顧みることがなく、他者の心を傷付けることを歯牙にもかけていない。プロデビュー前後からは傍若無人振りが顕著になり、親しい間柄にすら敵を作り、さらには敵対関係にあることすら気にかけずに自らが見込んだハルをリリーパスカルに引き込もうとするなど普通の感覚では理解し難い行動すらも生じている。 『希望』が完成する少し前から原因不明の病によって聴力が衰えてきており、音を失うことへの恐怖と、少年時代に音楽教室の先生と交わした約束がいつしか妄執に形を変えていたことが、彼の暴走に拍車をかける結果となっていた。自分では気づいていなかったが、先生に恋をしていたこと、またハルにその面影を重ねていたことを述懐している。 リリーパスカルに対しても興味を失い活動休止としていたが、白羊高校文化祭にて成長を見せたティアドライブの姿に触発され、活動再開に動き出す。体調は悪化の一途を辿っており、ツアー最終日のリハーサル中に昏倒し意識を失うが、オープニングアクトとしてステージに立った小雨の歌声によって自らの原点である約束の全てを思い出し心境を改め、ティアドライブの未来を後押しするとともに、自らの新たな道を模索するためにリリーパスカルの解散を宣言する。 戸川 澄直(とがわ すなお)- リリーパスカル、ラヴェンダーヴァーブ/ベース リリーパスカルのベース担当。浅緋と共にリリーパスカルをメジャーデビューさせたメンバーである。 裏方には似つかわしくないと評される華やかな演奏スタイルが彼の魅力であり、ベーシスト個人としても人気を集めている。楓が「他人の力を最大限に利用する力」と評する、優れた才能を見抜き、プロデュースを成し遂げる手腕こそが彼の真骨頂であり、リリーパスカルの人気バンドとしての地位を確立させたのは彼の手腕によるところが大きい。相手を煽るような口調と小馬鹿にするような傲岸不遜さが際立つが、内面は実益を最優先に考え物事をシビアに捉えている現実主義者であり、理想論や感情的な行動に対しては嫌悪感を露わにする。 浅緋の一存によって活動が振り回されるリリーパスカルの現状に苛立ち、独自のバンド立ち上げを画策している。スカウトした珠姫を通じて小雨に接近し、ティアドライブを利用してラヴェンダーヴァーブのプロデュースを画策し、結果として「メタりか」と浅緋の対立構図に新たな勢力として介入する形となる。 損得勘定を最優先に行動しているためバンド活動も「趣味」と言い切るほどであるが、それでもリリーパスカルには彼なりの思い入れを持ち、昔の自分たちの姿が重なるティアドライブを前に感傷を垣間見せている。また小雨の才能を高く評価しており、敵対関係となった後も幾度もスカウティングを試みている。 鰐淵 終(わにぶち しゅう)- リリーパスカル/ギター リリーパスカルのギター担当。技術・経験両方を備えた注目株の凄腕ギタリストであり、楓とも旧知の仲である。 リリーパスカルの最年長者だが、若葉をして「いい人だけど、バカ」と評する独特の感性と掴みどころがない性格の持ち主であり、あまり敬われていない。自ら鰐淵“エンドレス”終と名乗り、「エンドレス鰐淵」と呼ばれたがっている。 白羊高校文化祭を前に、戸川からの要請に応じラヴェンダーヴァーブの助っ人として登場する。打合せのために白羊高校へ向かう途中、文化祭真っ只中の明狼学院へ気まぐれに立ち寄り、不審者と見紛われる出で立ちで校内を闊歩していたところを若葉と出会い、意図せず彼女を指導したことで、彼女が飛躍するきっかけを与えている。 プロのギタリストとして作中最高の腕前を持つが、そのプライドは高く、若くしてハイレベルのパフォーマンスを魅せる愛葉と若葉に感化され対抗心を燃やしている。ギターが弾けさえすればバンドはどこでもいい、というスタンスながら、リリーパスカルには自らの意思でメンバーでいると語り、愛着を見せている。 左灘 珠姫(さなだ たまき)- ラヴェンダーヴァーブ/ボーカル 白羊高校1年生。戸川澄直が立ち上げた新生バンド・ラヴェンダーヴァーブにボーカルとして抜擢された少女。 悩むことも多いが、一度決めてしまうとあまり深く考えなくなる楽天的な性格の持ち主。無自覚に他人をけなした言動や、目上であろうと自身の気に食わないことには即座に反抗するなど少々浮世離れした部分がある。麗やキリコとは中学時代の同級生で、現在もキリコとは友人関係にあり、将来について思い悩んでいたところをキリコに連れ出され、ティアドライブのライブを目にして感化され、「歌えるアイドル」を目標に定める。 アイドルを目指し動画サイトに投稿を行っていたところ戸川の目に留まり、ラヴェンダーヴァーブのボーカルとしてプロデュースされる。歌声は「氷」や「雪」と表現され、会場の温度を奪っていくような無機質さと美しさで観衆を魅了する。戸川は彼女の才能について、あまりに声の特徴が強すぎるがゆえに彼女が単身でアイドルとして活動するのは難しい、と分析しているが、一方で楓からは、気に入らないことがあれば相手が戸川であろうと噛みつく我の強さと、見定めた道を躊躇なく進むしたたかさをしてアイドル向きの性格である、と評されている。 小雨の歌声を純粋に好いており、またラヴェンダーヴァーブ在籍時は彼を良きライバルと評しているが、傍目には異性としての興味があるかのようにとれる発言をも平然と発するため、ハルと麗を色めき立たせている。 白羊高校文化祭における「メタりか」との対バンにて、敵対する立場にありながらティアドライブを支持し自分たちの敗北を認める。同時に戸川の傀儡でいることを拒み、自らラヴェンダーヴァーブ脱退を宣言し、自身の力でアイドルへの道を進んでいくことを決意している。
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