タキ7500形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 03:00 UTC 版)
「国鉄タキ7500形貨車」の記事における「タキ7500形」の解説
タキ7500形は1959年から1967年(昭和42年)にかけて50両(アコタキ7500 - アコタキ7549)が新三菱重工業(18両)、日立製作所(23両)、富士車輌(1両)、川崎車輛(4両)、富士重工業(4両)の5社にて製造された30 t(後に28 t)積の濃硝酸専用車。最初の2両はタキ7300形(タキ7300、タキ7301)として登場したが、セメント専用車にタキ7300形が既に登場しており、二車現存となったため、タキ7500形に改番された経緯がある。 ドーム付直円筒形のタンク体は腐食防止のため、純アルミ製であり、「純アルミ」「連結注意」(鉄製に比べ強度が劣るため)と表記される。(日産化学工業が所有する車両は保冷のために遮熱用の外板(キセ)を取り付けた車両もあった)このため記号番号表記は特殊標記符号「アコ」(純アルミ製タンク車、全長 12 m 以下)を前置し「アコタキ」と標記する。 濃硝酸専用のタンク車で初のボギー車として登場した。1973年頃に濃硝酸専用タンク車の発煙・滴下事故が多発したことを受け、保安対策による積載荷重の見直しを行い1974年(昭和49年)8月1日より、30t積から28t積に変更されている。 本形式の他に濃硝酸を専用種別とする形式は、タム100形(2代)(239両)、タキ7450形(1両、後述)、タキ10450形(24両)、タキ29000形(17両)、タキ29100形(27両)の5形式がある。 1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「侵(禁水)84」(侵食性の物質、水と反応する物質、腐食性物質、禁水指定のもの)が標記された。 荷役方式はマンホールまたは積込口からの上入れ、S字管を用いた空気加圧によって荷卸しを行う上出し式である。 車体色は銀色(当初はアルミニウム地色であったがその後銀色塗装となった)、全長は9,200 mm - 9,400 mm、全幅は2,560 mm、全高は3,876 mm、台車中心間距離は5,100 mm - 5,300 mm、実容積は20.2 m3 - 20.6 m3、自重は14.2 t - 17.3 t、換算両数は積車4.5、空車1.6、最高運転速度75 km/h、台車はベッテンドルフ式で、当初は平軸受・板ばね式のTR41Cであったが、後にコイルばね式のTR41Dに改造されている。これは1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正以降、貨物列車の脱線事故が多発したことにより、ボギー中心間距離が6 m未満で板ばね式のTR41C台車を使用している車両は、オイルダンパを併用したコイルばね式のTR41Dへの改造が(1970年(昭和45年)の第一次台車改造)行われることになったためである。更にその後、三菱化学が所有する一部の車両は他車から転用したTR225へ換装した車両もあった。 1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には47両(アコタキ7502、アコタキ7503、アコタキ7509を除く全車)の車籍がJR貨物に継承されたが、1998年(平成10年)度から淘汰が始まり、2009年(平成21年)度に最後まで在籍した車両が廃車となり同時に形式消滅となった。
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