カルヴィ暗殺事件
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「宗教事業協会」の記事における「カルヴィ暗殺事件」の解説
ヨハネ・パウロ1世による改革が頓挫した上に、後任者のヨハネ・パウロ2世が宗教事業協会の改革に対して興味を示さなかったために、その後もマルチンクス大司教らによる汚職は続いた。 しかし、1982年にマルチンクス大司教と「教皇の銀行家」と呼ばれていたアンブロシアーノ銀行のロベルト・カルヴィ頭取のもとで起こった、マフィアやロッジP2がからんだマネーロンダリングと多額の使途不明金の影響を受け同行が破綻した。さらに、カルヴィ頭取などの複数の関係者が暗殺されたことで、世界を揺るがす大スキャンダルとなった。なおその後カルヴィ頭取の暗殺には、「ロッジP2」のジェッリ代表やマフィアが関わっていたことが判明している。 なおこの事件以降、宗教事業協会の投資運用と資金調達を行う主力行としての業務はロスチャイルド銀行とハンブローズ銀行(英語版)などが行っている。また、この事件は、映画ゴッドファーザーPARTIIIでも取り扱われている。
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カルヴィ暗殺事件
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「ミケーレ・シンドーナ」の記事における「カルヴィ暗殺事件」の解説
シンドーナの逮捕と逃亡後に、シンドーナの「役割」を引き継いだアンブロシアーノ銀行頭取のカルヴィは、マルチンクス大司教の庇護の下バチカン銀行を経由したマフィア絡みのマネーロンダリングと不正融資を続けた。しかしその後、アンブロシアーノ銀行を経由した不明朗な資金の流れは、イタリア政府関係者やイタリアをはじめとする各国のマスコミの疑念を呼ぶこととなり、1981年から1982年にかけてイタリア中央銀行による大規模な査察を受けた結果、およそ10-15億アメリカドルに上る使途不明金を抱えていたことが明らかになり、1982年5月に破綻した。 なおカルヴィは、アンブロシアーノ銀行の破綻とそれに伴う議会の公聴会への招聘の直前に、かつてシンドーナが行ったのと同様に、何者かの助力を受けて偽造パスポートを使い国外に逃亡していたが、1982年6月17日未明に、各国の当局やマスコミから身柄を追われていたカルヴィが、イギリスの首都、ロンドンのテムズ川にかかるブラックフライアーズ橋の下で「首吊り死体」の姿で発見されたため、当事者のバチカンとイタリア、イギリス政府のみならず、全世界を揺るがす大騒動となった。 カルヴィの死体が発見された当時は単なる自殺であるということで片付けられたものの、その後遺族らによって再捜査を依頼されたスコットランド・ヤード(ロンドン警視庁)が再捜査を開始し、最終的に1992年に他殺と判断された。なお、暗殺の直接的な理由として、「アンブロシアーノ銀行破綻と、その主因であるマネーロンダリングや不正融資における中心人物であったカルヴィの口封じ」や、「アンブロシアーノ銀行破綻により、多額の資金を失うことになったマフィアやイタリア政界上層部による復讐」など多くの理由がマスコミを中心噂された。
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カルヴィ暗殺事件
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「ロッジP2」の記事における「カルヴィ暗殺事件」の解説
1982年に入ると、バチカン銀行の主力取引行で、「ロッジP2」メンバーであるロベルト・カルヴィが頭取を務めていたアンブロシアーノ銀行が、10億ドルから15億ドルともいわれる使途不明金を出して破綻し、カルヴィに逮捕状が出されたものの偽造パスポートで逃亡した。 その直後にカルヴィの秘書のグラツィエッラ・コロケールは、カルヴィを非難するメモを残して飛び降り自殺し、さらに6月17日にはカルヴィが逃亡先のイギリスのロンドンで暗殺され、ブラックフライアーズ橋に首を吊った姿で発見された。なお死体が発見された時点では「自殺」とされたが、その後の調査で暗殺であると認定された。 後にジェッリは逃亡先のジュネーヴで逮捕され、1980年8月2日に行われ多数の死傷者を出したボローニャ駅爆破テロ事件やアンブロシアーノ銀行破綻、カルヴィ暗殺に関与した暗殺犯の1人としてスイスとイタリアで起訴され、4年の懲役刑の有罪判決を受け服役したものの、数回に渡り脱獄と再逮捕を繰り返した。なお、カルヴィ暗殺への関与については「証拠不十分」として無罪となった。 またジェッリの脱獄と逃亡には、これまでに何度も首相を含む主要閣僚を務めていたジュリオ・アンドレオッティをはじめとするイタリアの政界関係者のバックアップがあったと言われている。 なお、アンブロシアーノ銀行破綻とそれに続くカルヴィ暗殺事件には、ジェッリ代表やマルチンクス大司教をはじめとするバチカン関係者やイタリア政財界のみならず、マフィア関係者やユダヤ系金融家で大富豪のジェームズ・ゴールドスミス、果ては事件当時のローマ教皇であったヨハネ・パウロ2世とともに、出身国であるポーランドの反体制(=反共産主義政府)組織である「連帯」を資金援助していたCIAに至るまで、様々な組織の関与が噂された。
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