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判決

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/11/29 10:40 UTC 版)

(有罪判決 から転送)

判決はんけつ)とは、訴訟民事訴訟刑事訴訟)において、裁判所が当該事件について一定の厳重な手続を経た上で示す判断のことをいう。

目次

民事訴訟・行政事件訴訟における判決

この節で、民事訴訟法は条数のみ記載する。

民事訴訟行政事件訴訟においては、判決は、原則として口頭弁論に基づいて行われる(87条1項本文、行政事件訴訟法7条)。

効力の発生

民事訴訟・行政事件訴訟における判決は、判決書の原本に基づく言渡しにより効力を生じる(250条252条、行政事件訴訟法7条)。

判決の種類

民事訴訟・行政事件訴訟における判決には、請求(訴訟物)に対する判断を示した本案判決と、訴えや上訴が不適法であるため訴訟物についての判断に立ち入らない訴訟判決がある。

第1審の判決

請求認容判決
原告の請求に理由があるとして認める判決を、請求認容判決(せいきゅうにんよう-)という。請求に対する判断を示した本案判決である。
原告の請求の一部に理由がある場合は、一部認容(一部棄却)判決となる。
認容判決には、被告に原告に対する給付を命じる給付判決、原告・被告間の権利・法律関係等を確認する確認判決、判決により新たな法律関係を作り出す形成判決がある。なお、給付判決の中でも、原告の被告に対する反対給付と引換えに被告に原告に対する給付を命じるものを引換給付判決という。
請求棄却判決
原告の請求に理由がないとして退ける判決を、請求棄却判決(せいきゅうききゃく-)という。これも請求に対する判断を示した本案判決である。
取消訴訟において、処分・裁決が違法ではあるが、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、原告の受ける損害の程度、その程度の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮した上、処分・裁決を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認めるときは、裁判所は、主文において処分・裁決が違法であることを宣言した上で請求を棄却することができる(31条1項)。これを事情判決という。
訴え却下判決
訴訟要件が欠け、訴えの提起が不適法な場合に、請求についての審理に立ち入らない判決(いわゆる「門前払い判決」)を、訴え却下判決(うったえきゃっか-)という。請求に対する判断に立ち入らない訴訟判決である。

控訴審の判決

控訴認容判決
控訴裁判所は、原判決が不当であるとき(305条)及び第1審の判決の手続が法律に違反したとき(306条)は、控訴に理由があるから、原判決を取り消さなければならない。控訴を認容する本案判決である。
その上で、控訴裁判所は、原則として自ら訴えに対する判断をする(自判)。
ただし、原判決が訴え却下判決であった場合は、事件を原裁判所に差し戻さなければならず(307条)、その他、第1審から審理しなおす必要があるときは原裁判所に差し戻すことができる(308条1項)。
控訴棄却判決
原判決が相当であって、控訴に理由がないときは、控訴を棄却する判決をする(302条)。本案判決である。
控訴却下判決
控訴の要件が欠け、控訴が不適法な場合は、控訴を却下する判決をする(290条)。訴訟判決である。

上告審の判決

上告認容判決
上告裁判所は、上告理由があるときは、原判決を破棄し、原則として事件を原裁判所に差し戻す(325条1項)。上告理由がない場合であっても、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときも同様である(同条2項)。
ただし、差し戻さなくても判決ができるときは、自ら裁判をする(326条)。
上告棄却判決
上告を理由がないと認めるときは、判決で上告を棄却する(319条)。

判決の効力

既判力
判決の確定により、訴訟当事者間で同一の事件を再び、争えなくなる効力。実体的確定力ともいう。
形成力
判決の確定により、法律関係を変動させる効力。
第三者効
判決の形成力が第三者にも及ぶこと。
拘束力
判決の内容が、当事者その他の関係者を拘束する効力。

刑事訴訟における判決

効力の発生

刑事訴訟における判決は、公判廷における宣告によりなされ効力を生じる(刑事訴訟法342条、刑事訴訟規則34条)。

なお、判決書は、宣告前に作成することを要しない。また、上訴の申立てがなく、かつ、宣告から14日以内に判決書謄本の請求がないときは、公判調書の末尾に主文等を記載することで、判決書に代えることができる(刑事訴訟規則219条)。

判決の種類

第1審の判決

有罪判決
被告事件について犯罪の証明があったときは、有罪判決をする。刑の免除をする場合を除き、判決での言渡しをする(刑事訴訟法333条1項)。刑の執行猶予をする場合、保護観察に付する場合は、刑の言渡しと同時に言い渡す(同条2項)。
無罪判決
被告事件が罪とならないとき、又は被告事件について犯罪の証明がないときは、無罪判決をする(同法336条)。
免訴判決
次の場合は免訴の判決をする(同法337条各号)。
  1. 確定判決を経たとき(1号)
  2. 犯罪後の法令により刑が廃止されたとき(2号)
  3. 大赦があったとき(3号)
  4. 公訴時効が完成したとき(4号)
公訴棄却判決
次の場合は公訴棄却の判決をする(同法338条各号)。
  1. 被告人に対して裁判権を有しないとき(1号)
  2. 公訴取消しにより公訴棄却の決定がされて確定した後に、新たに重要な証拠を発見した場合でないにもかかわらず、同一事件について再度公訴が提起されたとき(2号)
  3. 二重起訴がされたとき(3号)
  4. 公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であるとき(4号)
管轄違いの判決
被告事件が裁判所の管轄に属しないときは、管轄違いの判決をする(同法329条)。

控訴審の判決

破棄判決
控訴裁判所は、刑事訴訟法377条から382条及び388条に定められた控訴理由があるときは、判決で原判決を破棄する(397条1項)。これを「1項破棄」という。
控訴裁判所が、職権で、第1審判決後の情状について事実の取調べをした結果、原判決を破棄しなければ明らかに正義に反すると認めるときは、判決で原判決を破棄することができる(同条2項)。これを「2項破棄」という。
控訴裁判所は、原判決を破棄するときは、原則として原裁判所に差し戻す(破棄差戻し)。ただし、訴訟記録及び既に取り調べた証拠によって直ちに判決することができるときは、自ら判決することができる(破棄自判。同法400条)。
控訴棄却判決
控訴裁判所は、控訴の申立てが法令上の方式に違反するとき若しくは控訴権の消滅後にされたとき、又は控訴理由がないときは、判決で控訴を棄却する(同法395条、396条)。

  1. ^ 例えば、半田和朗 『やさしい裁判法 法壇のある風景』 信山社(1998年)を参照。
  2. ^ 秋山幹男ら 『コンメンタール民事訴訟法Ⅱ』〔第2版〕,日本評論社, 2006, 223頁。ただし、明らかに閲覧請求権の濫用と認められる場合は拒絶することができるという見解もある(同書同頁)。
  3. ^ なお、民訴法91条2項にも、公開を禁止した裁判の訴訟記録についての閲覧制限規定があるが、判決の言い渡しは必ず公開されるので(憲法82条2項参照)、同条項に基づき、判決書の閲覧を制限することはできない(秋山幹男ら 『コンメンタール民事訴訟法Ⅱ』〔第2版〕, 日本評論社, 2006, 224頁)。
  4. ^ なお、刑事確定訴訟記録法4条1項1号には、公開を禁止した裁判の訴訟記録についての閲覧制限規定があるが、判決の言い渡しは必ず公開されるので(憲法82条2項参照)、同条項に基づき、判決書の閲覧を制限することはできない(福島至ら 『コンメンタール刑事確定訴訟記録法』, 現代人文社, 1999, 117頁)。
  5. ^ 押切謙徳ほか『注釈刑事確定訴訟記録法』, ぎょうせい, 1988, 137頁。
  6. ^ 前橋地裁平成9年7月8日決定(判例タイムズ969号281頁)。
  7. ^ 福島至ら 『コンメンタール刑事確定訴訟記録法』, 現代人文社, 1999, 104頁。
  8. ^ 日本の判決をアメリカカリフォルニア州で承認・執行
  9. ^ カリフォルニア州統一外国金銭判決承認法(Uniform Foreign-Country Money Judgments Recognition Act)


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