カリオストロ公国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 14:19 UTC 版)
「ルパン三世 カリオストロの城」の記事における「カリオストロ公国」の解説
本作の主な舞台であるカリオストロ公国の人口は3,500人で、世界で一番小さな国連加盟国と設定されている。壮麗な塔を持つカリオストロ城と城下町、古代ローマ時代に作られた水道橋を持ち、周囲を美しい山々と湖に囲まれた、緑豊かな国である。また、劇中の新聞やルパンが伯爵に送った予告状から、フランス語が公用語のようである。さらにクラリスはフランス系、その愛犬カールや衛士長のグスタフなどはドイツ系の名であることから、フランス系とドイツ系の国民が混在し、地理的にはフランスとドイツに挟まれた、たとえばアルザスやルクセンブルクのような場所にあると推定される。ゆえにフランス語の他にドイツ語も公用語として認められている可能性が高い。 平和でのどかな風景を持つ一方で、世界中で流通する紙幣を精巧に真似た偽札「ゴート札」を製造しており東西冷戦下においては国際的に無視できない影響力を与えていた。世界最高レベルの造幣技術を誇り、「偽札界のブラックホール」と呼ばれ、400年もの間、偽札(遡っては比重さえ誤魔化す贋金)製造の秘密を守るため中世の権力闘争や世界中の政府機関、情報機関、警察機関の捜査をかいくぐってきた。 城内には脱出不可能な地下迷宮とそれに続く城内各所へ張り巡らされた落とし穴が隠されており、殺害の証拠隠滅のために、あるいは生きたまま「地下」に落とされた者の遺体が男女貴賤を問わず無数に散乱している。日露戦争中にこの地で調査を行っていたと思われる旧日本軍の軍偵が自決前に壁に刻んだ「1904 3 14 日本國軍偵 河上源之助 ここに果つ… 仇…」の文を、同じく「地下」に落とされたルパンが発見している。 カリオストロ家は400年間、大公家と伯爵家の二つに分かれていた。大公家が代々の国政を担い、伯爵家は公国の影の部分である暗殺等の謀略を司っていた中、数年前に大公夫妻が謎の火災によって死亡、大公付きの摂政を務めていたラザール・ド・カリオストロ伯爵が、統治権を大公家に戻すためという名目で、大公家最後の姫であるクラリス・ド・カリオストロ姫を強制的に自身の婚約者として迎え、公国の独裁を狙っていたが、伯爵とクラリス姫の結婚式の当日、ルパンが引き起こした混乱に乗じて城に突入した銭形らの活躍により、「ゴート札」の印刷工場が城の地下から発見され、インターポールの査察が入る事になった。 カリオストロ家の家紋は下半身が魚になったヤギをモチーフにしており、大公家と伯爵家にはその当主の証である指輪が代々受け継がれていた。大公家では青地に浮き彫り(カメオ)にされた左向きの銀のヤギ、伯爵家では赤地に、彫り込まれた(インタリオ)右向きの金のヤギが用いられている(左右対称)。指輪の外周には今は使われていないゴート文字で「光と影、再び一つとなりて蘇らん」と彫られており、さらにこの2つの指輪を合わせると、その継ぎ目には同じくゴート文字で彫られた「光と影を結び、時告ぐる高き山羊の、日に向かいし眼に我を収めよ」という大公家に伝わる詩が浮かび上がるギミックが施されている。 かつてこの地には古代ローマ人達が住んでいたとされ、のちにローマ人達がこの土地を離れる際に、かつて自分達の住んでいた都市を水門を使って湖の中に沈め、それを大公家が代々守り続けていた。そして結婚式の翌日、湖の水が引いた後の湖底から古代ローマの壮麗な都市遺跡が良好な保存状態のままで姿を現した。 ゴート札 カリオストロ公国が製造している“幻”とまで評される偽札。かつて本物以上と称えられた代物で、劇中のルパンの台詞によれば、古くはブルボン王朝を破滅させ、ナポレオン軍の軍資金となり、1927年の世界恐慌 の引き金となるなど、中世以降の世界情勢の裏に常にその影を見せていたという。 本作中にルパンと銭形警部が見つけただけでも、日本円(一万円紙幣)、ドイツマルク(西ドイツ の千マルク紙幣)、ドル、ポンド、ルピー、ペソ、フラン、リラ、ウォンの偽札を製造していた。 カリオストロ城の地下にある印刷工場で製造されており、現在では国営のカジノにまで出回るほどに流通している一方で、その造幣技術は往年に比べて落ちているようで、完成したサンプルも伯爵から品質の低下を指摘されていた。
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