エネルギーの獲得
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/24 06:05 UTC 版)
好気的呼吸における、ブドウ糖(単糖)の酸化は良い例である。 C 6 H 12 O 6 + 6 O 2 + 38 ADP + 38 phosphate ⟶ {\displaystyle {\ce {{C6H12O6}+{6O2}+{38ADP}+38{\it {phosphate}}->}}} 6 CO 2 + 6 H 2 O + 38 ATP {\displaystyle {\ce {{6CO2}+ {6H2O}+ 38ATP}}} ブドウ糖 1分子 + 酸素 6分子 + アデノシン二リン酸 38分子 + リン酸 38分子 →二酸化炭素 6分子 + 水 6分子 + アデノシン三リン酸 38分子(アデノシン二リン酸と無機リン酸の縮合に伴い生成する38分子の水を無視) この化学式において放出されるエネルギーはブドウ糖1モルあたり約2,880 kJであり、このエネルギーは、ブドウ糖1分子につき38分子のアデノシン二リン酸から38分子のアデノシン三リン酸を再生することで保存される。これは糖1分子当たりから嫌気的反応によって産み出されるエネルギーの19倍も多いエネルギーである。真核生物(細菌をのぞくすべて)は、この好気的呼吸によって、膜透過のための能動輸送に必要となる分のエネルギーを除いて、アデノシン二リン酸からアデノシン三リン酸を正味36分子得ることができる。 この反応において、ブドウ糖の酸化には酸素が使われ、水が作られることがわかる。 この反応式は、3つの連続した生化学的反応として起こる反応を要約したもので、その3つとは、解糖系、クレブス回路(クエン酸回路)及び酸化的リン酸化である。 以下に述べる好気性生物が必ずしもこの反応系をすべて利用するものではないが、嫌気性生物よりもATP生産量が多く生存に有利であることが示される。
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エネルギーの獲得
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/26 13:52 UTC 版)
偏性嫌気性生物は発酵および嫌気性呼吸を行う。通性嫌気性生物は酸素の存在下では好気呼吸を行い、酸素がない場合には発酵を行うものもあれば嫌気性呼吸を行うものもある。耐酸素性細菌は厳格に発酵的である。 微好気性生物は好気呼吸を行い、それらのうちのあるものは嫌気性呼吸をも行うことができる。 嫌気的発酵反応にはいくつかの化学式がある。発酵的嫌気性生物の多くは乳酸発酵経路を利用する。 C 6 H 12 O 6 + 2 ADP + 2 phosphate ⟶ 2 lacticacid + 2 ATP {\displaystyle {\ce {{C6H12O6}+{2ADP}+2{\it {phosphate}}->{2lacticacid}+2ATP}}} (ブドウ糖 1分子 + ADP 2分子 + リン酸 2分子 → 乳酸 2分子 + ATP 2分子) この化学式において糖から放出されるエネルギーは1モル当たりおよそ150 kJである。このエネルギーにより、ブドウ糖1分子当たり2分子のATPがADPより再生される。これは典型的な好気的反応によって糖1分子から産み出されるエネルギーのほんの5%にすぎない。 植物および真菌(たとえば酵母)は、酸素が限られている場合には一般にアルコール(エタノール)発酵を利用する。 C 6 H 12 O 6 + 2 ADP + 2 phosphate ⟶ 2 C 2 H 5 OH + 2 CO 2 + 2 ATP {\displaystyle {\ce {{C6H12O6}+{2ADP}+2{\it {phosphate}}->{2C2H5OH}+{2CO2}+2ATP}}} (ブドウ糖 1分子 + ADP 2分子 + リン酸 2分子 → エタノール 2分子 + 二酸化炭素 2分子 + ATP 2分子) ここで糖から放出されるエネルギーは1モル当たり約180 kJである。このエネルギーにより、ブドウ糖1分子当たり2分子のATPがADPより再生される。 嫌気性細菌と古細菌は、たとえばプロピオン酸発酵、酪酸発酵、混合酸発酵、ブタンジオール発酵、Stickland発酵、酢酸生成経路、またはメタン生成経路などのような、これらとは異なるいくつかの発酵経路を利用している、
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