「イナバ」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 16:13 UTC 版)
外観が明らかに白ウサギ(白い体毛と赤い目をもつジャパニーズホワイト)にしか見えない男子生徒を主人公とする物語。 因幡 浩 (いなば ひろし) 高校の男子生徒。第2巻で転入生として登場。(本作品では単に「イナバ」と表記した場合には因幡浩のことをさすので、本記事でも以後これに倣う。) 顔や手などの露出部が、どう見てもウサギにしか見えない。しかし、周囲の誰もそのことを本人に訊けないでいる。転校前にどこに住んでいたかを問われた際には、月の裏側のクレーターと答えた(直後に冗談であると否定)。 髪の毛以外の全身の永久脱毛をした際には、普通の人間の外観になった。しかし、当日の放課後には、(「永久脱毛」だったにも関わらず)毛が元通りになって、普段のウサギのような外観に戻ってしまった。(このことから、イナバはウサギではなく、毛の生え方が特殊でたまたまウサギに見えるというだけの、普通の人間である可能性が高いといえる。) 性格はきわめて温厚かつ人畜無害で、著者をして「『× ―ペケ―』の登場人物の中で実は一番イイヤツかもしれないな」と言わしめた。但し、イクラ(後述)のこととなると人が変わり、イクラのスカートをめくろうとした不良少年を殴り倒すなど、愛情の深さを窺わせる。 身体つきは腹筋が浮き出て見えるほど良い。走り幅跳びの記録は1メートル20センチ。外観に反し、あまり跳べない。 動物園に行くのが趣味。人参は生で食べられる。 最終回では、イクラと結婚し、子供まで作っている。その際、家族は「小紅(イクラ)に似てもらえると有難い」と言っていた。 因幡 晃 (いなば あきら) 彼に特にスポットを当てた際には「イナバ【弟】」という小題が用いられる。 イナバの弟。登場当初は中学生で、後に兄と同じ高校に進学し、山本鈴妥と同じクラスになる。 兄とは異なり、一見すると人間に見えるが、頭頂部にはウサギの耳、尻にはウサギの尻尾、首周りにはワイシャツの襟と蝶ネクタイ、手首にはワイシャツの袖、上半身にはレオタード、脚には網タイツ、……にしか見えない形状の毛が生えているため、全裸になった際にはどう見てもバニーガールにしか見えない。 床屋ではウサギ耳部分の体毛も、周りの毛髪に合わせて(つまりほぼ完全に)カットしてもらっている。そのため散髪直後にはウサギ耳なしの状態になるが、兄の体毛同様、非常に速やかに再生する。再生途中では耳が短くネコ耳に近い状態に見える。 鈴妥のことが好きだが、なかなか告白できない。可愛らしい風貌のため、クラスの女子には人気があるが、決して恋愛感情を抱かれることは無いという。自分が可愛らしいことは自覚しているらしい。 伊倉 小紅 (いくら こべに) 彼女に特にスポットを当てた際には「イナバ【彼女】」という小題が用いられる。 イナバの彼女。イナバの転校前の学校からの付き合いで、後に同じクラスに転入。 一見すると人間に見えるが、下半身が2本足になっておらず、魚のような鱗があり、どう見ても人魚にしか見えない。(後に、下半身は本当は2本足で、単に足が太いのを隠すために魚のような扮装をしていただけであることが明らかになり、それ以降は普通の人間の姿で描かれるようになる。) 転入前は、レディース(女性のみで構成されている暴走族)で頭(リーダー格)を務めていた。制服のスカートを足元まで覆うほど長くしている。 イナバと付き合い始めたのは、五十音順出席番号が近いため教室での席も隣同士になり、気が合ったため。 最終回では、イナバと結婚し、子供まで作っている。 因幡ピーター円人 (いなば ぴーたー まろんど) 彼に特にスポットを当てた際には「イナバ'」という小題が用いられる。 イナバの従兄弟。アメリカに留学していたが、イナバと同じ高校の同じクラスに通うことになった。 イナバと同様、顔や手などの露出部が、どう見てもウサギにしか見えない。また、イナバとの差異も、耳(のような部分の毛)の色と、眼の形しかなく、傍目には殆ど区別がつかない。但し、イナバ一家とイクラの視点では“金髪で長髪”に見えるらしい。 イナバと親しい友人2名 (名前不明) イナバの高校での日常生活では、2人の友人と一緒にいる姿が描かれる。彼らは、イナバの登場当初から、イナバがウサギはないかと疑っているが、普段は普通に友人として接している。野良猫がウサギを食べてしまうことがあるため、猫がイナバの前に現れた際には彼を引っ張って逃げさせようとしたり、山登りの際にはイナバの背中に「うさぎではありません 撃たないでください」と張り紙をするなど、2人とも友人思いである。 他にも、イクラの下半身について疑問を抱いたり、など、この物語において読者の視点を代弁する役割を果たしている。
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