日本の漫画
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特徴
様々な方向性・対象・ジャンル
大まかには読者の年齢層、ジャンル、表現形式で分類されているが、大人向け、子供向けという大まかな区分けではなく、各年齢層や嗜好に合わせた作品が発表されている。
特にスポーツ漫画は細分化が進んでおり、メジャー競技では野球漫画やサッカー漫画など一つのジャンルを形成し、さらに高校野球やプロリーグなどサブジャンルに分けられる。また同じ競技でも試合展開のリアリティを重視した作品、必殺技を繰り出すなど荒唐無稽な作品、競技ではなく選手の人間関係を重視する作品、選手ではなく監督側の視点など様々な設定の作品が存在する。社会現象の影響を受け、女子サッカーやカーリングなど話題になった事象は即座に漫画の題材となる。作品が注目されると追随する漫画が増え新たなジャンルが形成されるが、逆に漫画が人気となり競技が活発化することもある。例えば『SLAM DUNK』のヒットにより、当時の日本では競技人口が野球やサッカーと比べ多くなかったバスケットボールが人気競技となった。サイクルサッカー、伝書鳩レース、エアレースなど世界的にマイナーな競技、架空のスポーツを扱った作品も一定数存在している。
恋愛漫画では男性向け・女性向けという区分けもあるが、ラブコメディ、ハーレムもの、不倫、同性愛などの多数のテーマがあり、登場人物の年齢も子供から中高年まである。またスポーツ漫画の一要素として扱われることもあり、多くの漫画は複数のジャンルにまたがっている。
日本では表現の自由や検閲の禁止が憲法第21条で保障されているため、表現の限度は基本的に出版社の自主規制によっている。このため一般向けの漫画誌であっても過激なアダルト描写を追求した作品や犯罪行為を描いた作品が多数発表されている。
雑誌連載
プロによる作品は雑誌などの定期刊行物で連載された後、数話ごとに纏め単行本として刊行される形態が主流。日本の漫画雑誌は複数の作家が別作品を同時に連載するという形態のため300ページを超えるのは普通で、アメリカン・コミックスの雑誌と比べると非常に分厚い。また日本の雑誌は1つの雑誌コードにつき1つの増刊枠を持つことができるという制度を利用し、新人や本誌のジャンルと合わない作風の作家にも活躍の場を与えることが可能となった。規則ではないが「別冊(本誌名)」と題することが多い。
漫画雑誌は大衆を想定した『メジャー誌』、特定の層に照準を合わせた『マイナー誌』、高校生以上の若者を対象とした『青年誌』、小中学生向けの『少年誌』という区分けがある。また成人向け漫画、時代劇、萌えなど特定ジャンルの雑誌もあり、好みの作品を探す際には雑誌が標榜する編集方針を手がかりにすることで、インターネットの登場以前にもある程度の絞り込みが可能であった。本誌(『週刊少年マガジン』)よりマイナーなジャンル(ダーク・ファンタジーなど)をコンセプトにしていた『別冊少年マガジン』では、発行部数が多い本誌に『進撃の巨人』の読み切り版を掲載したところ認知度が上がったことから、他社でも単行本の発売やアニメ化などに合わせ、より部数の多い雑誌に読み切り版を掲載する「出張掲載」の手法が広まった。
漫画雑誌だけでなく新聞や専門誌などで連載されることも多く、専門誌では雑誌の読者向けにニッチな作品が掲載されることもある。
近年では出版社の公式サイトで一定期間無料公開し、アクセス数が多い作品を雑誌に移籍させたり直接単行本化する流れもある。作品の単品販売も行われているが、基本的に雑誌(の編集部)ごとに纏められている。また雑誌に掲載されている作品でも1話から3話程度までを宣伝のために公開したり、新人賞において雑誌には大賞作のみを掲載し、奨励賞や審査員賞にとどまった作品はウェブ限定で公開する例もある。
非娯楽漫画
文章・写真・挿絵と同様に紙媒体における表現手法として定着している。海外のような1枚の風刺絵だけではなく数コマから数ページの漫画として制作される。
純粋な娯楽ではなく、歴史や社会情勢などの説明や学習としても用いられる学習漫画、ノンフィクションやルポの漫画などもジャンルを形成している。また医療漫画には娯楽性と社会的メッセージを両立した作品も多い[47][48]。
純粋に宣伝のために製作された広告漫画も多く、企業から依頼を受け漫画家に発注する仲介業者も多数存在するなど、一つの市場を形成している。
メディアミックス
漫画はオリジナル作品だけではなく、小説、アニメ、映画の漫画化(コミカライズ)として発表される作品も多い。
逆に漫画作品の小説化(ノベライズ)や当初からメディアミックスの一つとして小説、アニメと連動する作品もある。
注釈
出典
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