WordPerfect WordPerfectの概要

WordPerfect

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/06 04:50 UTC 版)

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Corel WordPerfect
開発元 コーレル
最新版
2020 / 2020年5月5日(7か月前) (2020-05-05
プラットフォーム クロスプラットフォーム
種別 ワードプロセッサ
ライセンス プロプライエタリ
公式サイト WordPerfect Website
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現在も開発が続けられているのは、Windows 版のみで、Corel WordPerfect Office の一部として販売されている。

WordPerfect for DOS

WordPerfect を最初に開発したのは、Satellite Software International, Inc. をユタ州に創設した Bruce Bastian と Alan Ashton であった。同社は後に社名を WordPerfect Corporation に改称している。最初のバージョンはデータゼネラルミニコンピュータ向けで、それを1982年に IBM PC に移植した WordPerfect 2.20 が登場した。バージョン番号はデータゼネラル版と連続している。

人気を得るようになったのは、1986年の WordPerfect 4.2 からであった。このバージョンでは、段落の自動番号付け機能や脚注の自動的な配分(多い場合に次のページに一部をまわす)といった機能を持っていた。WordPerfect 4.2 は当時最も人気のあった WordStar からトップの座を奪い取った。

1989年、最も成功した WordPerfect 5.1 for DOS がリリースされた。このバージョンではMacintosh風のプルダウンメニューを採用し、表計算ソフトのような作表機能も備えていた。WordPerfect 6.0 for DOS では、従来型のテキストモードとグラフィックスを使ったWYSIWYGモードを備え、ボールド体、アンダーライン、イタリック体といったテキスト効果が表示可能であった。

主な特徴

  • ストリーミング・コード・アーキテクチャ - HTMLCSSのようなフォーマットを採用。HTMLのように入れ子になったタグで文書の設定を保持する。
  • スタイルとスタイルライブラリ - ストリーミング・コード・アーキテクチャに対応したスタイルシートに相当する部分。WP 5.0 から。
  • Reveal Code - タグなどを表示する補助エディタ画面。この画面で表示される各種トークンをクリックすることで、スタイルエディタなどが起動でき、非常に細かい編集が可能。
  • 高機能なマクロ言語。後に PerfectScript となる。
  • 各種プリンタドライバを同梱し、プリンタドライバエディタ PTR でユーザーが独自のプリンタドライバを開発可能。なお、WordPerfect は独自の文字コードを内部で使用していた。

WordPerfect Library/Office

WordPerfect Corporation は、付随するスピンオフ製品として1986年に WordPerfect Library をリリースし、後に WordPerfect Office と改称した。これは、WordPerfect と共に使えるネットワークユーティティやスタンドアロンユーティリティの集まりであり、NetWare を使っているオフィスでの利用を想定していた。以下のようなユーティリティが含まれる。

  • Shell - タスクスイッチャー。Windows 3.x にほぼ匹敵し、しかもWindowsよりも安定していた。
  • Calculator - 電卓機能
  • Notebook - フラットファイル型データベース
  • DataPerfect - 関係データベース

なお、後にコーレルがWordPerfectを取得し、WordPerfect Office の名称をオフィススイートの名称として再利用している。

WordPerfect for Windows

WordPerfect の Windows 版の登場は遅かった。1991年には WordPerfect 5.1 for Windows がリリースされたが、DOSからインストールする必要がある上、安定性に重大な問題があった。1992年には、安定動作する 5.2 がリリースされたが、すでに Microsoft Word for Windows version 2 がリリースされてから1年が経過していた。WordPerfect のファンクションキーを中心としたインタフェースは Windows に馴染まず、各種キーの組み合わせも Windows 自身のキーボードショートカットと非互換を生じていた(例えば、Alt-F4 は「プログラム終了」だが、WordPerfect では 「ブロックテキスト」)。力を入れていたプリンタドライバも Windows では不要となってしまった。

Windows 版でも WordPerfect は独自の文字コードを内部的に使用していた。このため、中国語など Windows が対応した言語に対応できない事態が発生した。

WordPerfect Corporation は1993年、ボーランドとの相互ライセンス契約を締結し、WordPerfect はオフィススイート Borland Office の一部となった。これには、他に Quattro ProBorland Paradox、WordPerfect Office が含まれていた。その後、この製品ラインは1994年6月にノベルに売却され、1996年1月にコーレルに売却された。ただし、ノベルは WordPerfect Office を売却せず、その技術を GroupWise に流用した。

その後も WordPerfect はトラブルに見舞われた。Windows 95のリリースから9カ月後の1996年5月、32ビット版の WordPerfect 7 がリリースされた。これは安定動作せず、マイクロソフトから "Designed for Windows 95" のロゴも取得できなかった。さらに、最初の WordPerfect 7 は Windows NT で動作しなかった。NT 対応の WordPerfect 7 は遅れ、1997年にリリースされたときには NT 4.0 がリリースされて6カ月が経過していた。

マイクロソフトは、Word をプリインストールするメーカーには Windows をディスカウントするという作戦でシェアを伸ばしていった。WordPerfect は主に司法関係と学術関係で生き延びている。例えば、2005年にもアメリカ合衆国司法省が WordPerfect を大量に購入した[1]。2004年11月、ノベルはマイクロソフトを反トラスト法違反で訴えた[2]






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